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「桐島滋」の「罪深きシリア観光旅行」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「桐島滋」の「罪深きシリア観光旅行」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
シリア、アサド政権が崩壊する少し前、まだ内戦中の2022年に著者は観光客としてガイドと共にシリアを「旅行」する。
ダマスカス、パルミラ、ホムス、イドリブ、アレッポ・・・内戦のニュースで幾度ともなく聞いた都市では、普通の生活している街の隣に爆撃されたり地上戦が行われた廃墟を見る。平穏に暮らしているように見える市民は今も戦火の中にある、ということを見せつけられる。
著者はガイドもドライバーも実は秘密警察で、常に自分を観察していて、不都合があればいつでも拘束、監禁されることになるのではないかと恐れている。
読書中、僕は著者は疑心暗鬼にすぎる、ドライバーもガイドもいい奴じゃないか、とすら思った。しかし、レバノンやヨルダンでシリアの戦禍から逃れてきた難民と付き合い、さらに実際にシリアを訪れたものの肌感覚なんだろう。そういうことが普通で、社会の隅々まで秘密警察が入りこみ、誰が秘密警察であるかもわからない相互監視社会、隣人や場合によっては家族でさえも信じることができない社会がリアルなシリアなんだということがその行間から伝わってくる。
アサド政権崩壊後に、実際にその恐怖で支配する様がいくらか明らかになった。著者の恐れは、決して杞憂ではなかったことがわかる。実際にドライバーやガイドが秘密警察だったのかどうかはわからないけど。
アサド政権崩壊後のシリアは、2022年のシリアよりも自由に旅行できるようになっているんだろうか? そして、市民は相互監視の恐怖から解き放たれ、自由に話ができるようになっているんだろうか?
本書の主題ではないかもしれないけど、独裁強権政治の恐怖を知る本である。決して当時のシリアだけの話ではない。
いま、そんな国が跋扈している。