バスティアン・ハインの作品一覧
「バスティアン・ハイン」の「ナチ親衛隊(SS) 「政治的エリート」たちの歴史と犯罪」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「バスティアン・ハイン」の「ナチ親衛隊(SS) 「政治的エリート」たちの歴史と犯罪」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
本書はバスティアン・ハインの著作を原著とする、優れたナチ・ドイツ,シュッツシュタッフェル(親衛隊)及びその武装組織武装親衛隊(ヴァッフェン・シュッツシュタッフェル)の成り立ちと犯した罪と戦後のこれらの扱いについての優れた,今年2024年3月25日中公新書2795,として刊行された日本語のものでは親衛隊や武装親衛隊に関する最新刊の部類の概説書である。
ヒトラー衝撃隊(Stroß truppe Hitler)というのは初めて知った。親衛隊の更に核として最も信用できる、自身の護衛隊としてヒトラーが望んで選りすぐったごく少数の組織だという。いわゆるミュンヘン一揆の失敗後裁かれたこの「ヒトラー衝撃隊」は本書によれば37名とされている。(更なる詳しい感想は後日)
Posted by ブクログ
ナチ親衛隊(SS)についていくつかのテーマを持って歴史的に概説した本。少し人名が多すぎて分かりずらいが、もともとはドイツで出ている本のようなので、多分、単に日本人にはあまり馴染みがないだけなのかも知れない。もっとも興味を引いたのが、最終章の戦後に親衛隊がどう扱われたかと言う部分。最近まで(正確には今でも)元親衛隊員が追及され裁判にかけられているとは知らなかった。確かに、戦争時における犯行(蛮行)というのは、果たして機能(歯車)としての兵士の受動的なものなのか、それとも個人としての能動的なものなのかと言うのは測りがたい。ドイツが全体主義的になった時代に親衛隊にだけ全責任を負わせて、他の国民は犠牲者だという考え方(「国民のアリバイ」というらしい)には違和感があるが、全国民に罪を被せるのも現実的には難しいだろうとは思う。これは日本にも当てはまるのだろう。
Posted by ブクログ
SSの前身組織からドイツの降伏、さらに戦後の裁判や評価などについて、コンパクトにまとめている。入門書ではあるが、最新の研究動向もしっかりと包括しているようで、読み応えもある。
全体主義、ホロコーストへの関心から関連する本をある程度読んではいるものの、自分のSSへのイメージはかなりステレオタイプだったと思う。
例えば、暴力的な突撃隊に対して、エリート的なSSというのは、この本によると有意な差はない。ヒットラーの親衛隊ということで、ナチズム的な人種主義思想の体現者たちということがポイントかな?ということで、SSへの採用にあたっては、北方系アーリア人的であることが特に重視されたようだ。だが、戦争の進行に伴って、占領地下の「ユダヤ人問題」を解決するため、戦況の悪化に伴い多くの動員、リクルートする必要が生じて、だんだんその要件は緩んでいったようだ。
SSの主要なメンバーの名前がたくさん出てくるが、ほとんどは知らない人々。つまり、戦争中に亡くなったり、影響が低下したりしているので、ユダヤ人問題の最終解決を中心に本を読んでいるとあまり出てこない人がたくさんいたということか。
そして、ヒムラーをはじめ主要なSS幹部は、敗戦時に自殺しているため、結局のところ、何が全体で起きていたのかは藪の中的な状態になる。
そうしたよくわからない中での戦後の裁判やさまざまな研究の紹介の部分がとても有意義だった。
この本の記述を読んでいくと、必ずしもヒトラーが明確な指示しているわけではなく、幹部が指示を解釈して、冷酷な暴力を指示し、それを受けて下部メンバーが組織への忠実さを示すことを競争するかのように過激化していく、というグループ・ダイナミクスが生じているように思った。
戦後、ホロコーストの責任を親衛隊におしつけて、あるいは究極ヒトラー一人におしつけて、ドイツのほとんどの人はやむなかったという安全圏に引きこもり、経済的な復興に邁進したということか。
冷戦という時代もあり、元親衛隊の社会復帰も比較的スムースに進み、人によっては、戦後にも社会的に高い地位、経済的にも成功した人も多かったようだ。
こうしたことはどのようにナチズムを意味づけるかということであるとともに、私たちがそこから何を学ぶか、日本における「戦犯」についてどう考えるのか、倫理的な問いがあると思う。