作品一覧

  • 現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた
    3.9
    著者はアーティストとして、全国各地や海外で現代アートの活動をしてきた。 しかし、3.11の震災後に自身の活動への違和感を無視できなくなってきた頃、友人のジャーナリストに「マタギと飲もう」と誘われ新潟県村上市山熊田、マタギの集落に赴く。 そこでは電気がなくても生きていけるような、たくましい暮らしがあった。 自分たちが弱い存在であり、手を抜いたら命を落とすような世界にいることを自覚しているがゆえの強さ。 田舎暮らしという言葉が発する牧歌的なにおいはそこには皆無だ。 カタカナ皆無でよくわからない言葉、山から切り出した薪で煮炊きし、伝統的な狩猟をし、スケールでかく酒を飲む。 水も薬も美味いご馳走も燃料も、工芸素材や心奪われる絶景までも、全て山にある。 体力たくましい爺や婆がいる。しかもハイセンス。皆オシャレだし心も豊か。 東京にいては想像もつかないような世界がひろがっていた。 山熊田に移住して、マタギ頭の家に嫁いだ著者が本書で訴えたいのは「消費社会にはない選択肢がここにはある」ということ。 山熊田では四季というサイクルのなかで同じことが繰り返されている。 それこそ人間本来の生き方ではないか、と著者は問う。 令和の傑作移住日記の誕生です。

ユーザーレビュー

  • 現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた

    Posted by ブクログ

    山奥の過疎化した村で、伝統文化を継ぐ覚悟をもって暮らす著者のお話。
    タイトルの軽さでちょっと損をしているような印象。作中では嫁になる過程は早々に処理され、異文化のような村暮らしのリアルが、率直な感情と共に描かれている。とても興味深い。
    そしてその環境に馴染むだけでなく、文化を残すため、持続的な仕組みづくりのために動く姿勢に感服する。

    「経験と憶測だけでなく知識や勉強も大切で有益だ、という視点を持つだけで改新が起こる。」

    これは自分の生活や仕事においても、心に留めておきたい。

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    2024年10月14日
  • 現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた

    Posted by ブクログ

    熊をとる話し
    シナ布を織る話し
    よくこんな雪深い じじババしかいないような山の村に ジュンコさんは来てくれましたねえ!
    新潟の村上の山奥に まだこんな暮らしがあって
    ビックリだし 嬉しいですね。
    イノシシは 南からきたんですね。
    昔からいる動物かと思っていました。
    元気な若い人が 暮らすと生きる力を取り戻すような暮らしなのかもしれません。
    日本もまだまだ画一的じゃない こんな暮らしがあったんですね。
    もっと若い人たちにも体験してほしいですね。

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    2024年03月30日
  • 現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた

    Posted by ブクログ

    限界集落でのサバイバルのような生活を描いた極上のエッセイ!

    命と向き合う生活が今も本当に残ってるの?と疑いたくなるほどの過酷な日常が、ナイスなワードチョイスと明るい表現でたくましくイチイチ楽しげに伝えられ。つか、こんなにヤバさ満点なのに、やたらたのしそうだ!ジョンコさんだけでなく村全体のエネルギーが凄まじい。自分だったら泣くな…

    四季に分かれた四つの章は最後が春になっているのもグッときた。色々とうまくいってほしいなと心から思う

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    2024年03月12日
  • 現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた

    Posted by ブクログ

     サバイバルのような生活、ほんとうにあるんだ‼︎
     怖くてわたしにはできないけど、とてもとても興味深い。 引き込まれる。 畏敬の念さえ感じる。 神々しい。 わたしの穏やかな日常に感謝しながらも、ジュンコさんたちのエネルギーにジェラシーを感じてしまう。 素晴らしい。 そして、羨ましい。
     でも、現実は、ただただ厳しいのだろうし、それを上回る喜びもあるのだろう。

    『ここ山熊田に小中学校があった一九九二(平成四)年まで、集落から出るための道は除雪がされず、冬は陸の孤島になっていた。・・・そんな過酷さも、彼らにとっては日常だった。女子は中学卒業とともに集団就職か定時制高校への進学を教諭に斡旋され

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    2024年07月11日
  • 現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた

    Posted by ブクログ

    ものすごいパワーをもらえる一冊。
    頑張って欲しいと思う反面、全てを背負い過ぎて潰れないか心配になる。

    同じように自治体の補助事業に応募してスタートしようとしている親戚がいるが、内容を聞くと大丈夫か?と心配になった。
    迎える側は本当に若い後継者を育てようとしているのか?と。
    この本を読もうと思ったのも、それがきっかけだったが、ますますその気持ちが強まってしまった。

    先日旅行した出雲にて。
    切手のデザインにもなった黄色い虎の張子。
    後継者がいなくなり、今は作られていないとのこと。残念。
    日本各地に消えそうな、もしくは廃れてしまった伝統工芸がいろいろあるのだろう。

    一時的な補助金目的ではなく、

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    2024年05月06日

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