大滝ジュンコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
サバイバルのような生活、ほんとうにあるんだ‼︎
怖くてわたしにはできないけど、とてもとても興味深い。 引き込まれる。 畏敬の念さえ感じる。 神々しい。 わたしの穏やかな日常に感謝しながらも、ジュンコさんたちのエネルギーにジェラシーを感じてしまう。 素晴らしい。 そして、羨ましい。
でも、現実は、ただただ厳しいのだろうし、それを上回る喜びもあるのだろう。
『ここ山熊田に小中学校があった一九九二(平成四)年まで、集落から出るための道は除雪がされず、冬は陸の孤島になっていた。・・・そんな過酷さも、彼らにとっては日常だった。女子は中学卒業とともに集団就職か定時制高校への進学を教諭に斡旋され -
Posted by ブクログ
ものすごいパワーをもらえる一冊。
頑張って欲しいと思う反面、全てを背負い過ぎて潰れないか心配になる。
同じように自治体の補助事業に応募してスタートしようとしている親戚がいるが、内容を聞くと大丈夫か?と心配になった。
迎える側は本当に若い後継者を育てようとしているのか?と。
この本を読もうと思ったのも、それがきっかけだったが、ますますその気持ちが強まってしまった。
先日旅行した出雲にて。
切手のデザインにもなった黄色い虎の張子。
後継者がいなくなり、今は作られていないとのこと。残念。
日本各地に消えそうな、もしくは廃れてしまった伝統工芸がいろいろあるのだろう。
一時的な補助金目的ではなく、 -
Posted by ブクログ
今を満ち足りて過ごすことができればなんとかなるし、その先に続くものもあるのかもしれない。
なんだろ、この現場合わせ感。
まあ良いかで、過ごせてしまう満ち足りた日々。
そんな生活に飛び込める素養がないと、現代アートで生きていくことなんかできないと思う。
そんな女子が飛び込んだのは、山奥のマタギの集落。50年前より住む人は減って、老人率が上がっていくばかりの山間の集落。
そこで生きる彼女が、季節、自然、行事と折り合いをつけながら暮らしていく記録。
その場その場ではしんどいこともあるだろうに、振り返って記録に残るのは「あの時はしんどかったけど、こんなに楽しい」という記憶。
毎年の行事、季節を過 -
Posted by ブクログ
うんまあ、タイトル通りの内容。新潟のほぼ限界集落、山熊田村へ嫁いだ著者。
その、昔からギリの世界で生きてきた爺さん婆さんばかりの生活へのリスペクトと表現は大変面白い。工芸家だが、こういう人たちは、面白い文章を書いてくれる。
それでこの村、羽越しの布という日本三代古代布の産地であり、工芸家としての著者はまずそこに惹かれ、今もそこでその伝統を継承しようとしている。
ので、本の内容はむっちゃ中途半端。
雑誌連載のまとめということもあるのだけど、時系列混乱するし、マタギの魅力も限界集落に力強く生きる爺婆の強さはまあ伝わるとしても、工芸を伝承することが目的なのか生きていくことが目的なのか、集落を維 -
Posted by ブクログ
マタギの嫁は埼玉育ち
最後の文章「再び鳴り始めた村の心音」は、しな布にかける情熱と、組合の腐敗がわかって力強い。この文章はおすすめ。
たくましく生きて、文章のはしばしから自律した深山の生活が知れる。夏、冬を越すための薪を割り、木の根本の舞茸、繁みのヤマドリ、鮎の取れないことを知らぬ山の恵み。
熊狩りに際して山へ潜ると、熊の上空でカラスが飛んで教へてくれる。などの情報がおもしろかった。カラスはマタギが取った熊肉を狙ってゐるのである。
女人禁制文化もあり、それは決して男女差別ではなく、役割分担的な理由があるのだといふ。しかし、読み手からすれば著者がだんだん染まってきたのか、それとも本当