星5つでも足りない、歴史的な名著。
19世紀100年の平和がなぜ破られ、2つの破滅的な世界大戦が起きたのか。
それはふたつの大転換によるのだとポランニーは言う。
ひとつは産業革命と資本主義の運動により、これまで社会の中に埋め込まれてあくまで社会活動の一部であった経済が自立化し、本来商品として存在して
...続きを読むいるものではない労働、土地、貨幣が擬制商品として自己調整的市場原理に委ねられる(という大転換)ことになった。しかしそれは社会的な存在としての人間が耐えうるものではなく、そのムーブメントに対して人間を保護する動きが必然的に生じた。そのひとつが社会主義運動であり、いまひとつがファシズム(という第二の大転換)である。
自己調整的市場原理vs人間保護の運動。これは現代の新自由主義=グローバリズムvsコミュニタリズムあるいは伝統回帰、反グローバリズムという対立図式にも符合する。
今リアルに起きていることを明晰に理解する上でも、参照するべき書物である。