ダニヤ・クカフカの作品一覧

「ダニヤ・クカフカ」の「死刑執行のノート」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 死刑執行のノート
    3.8
    1巻1,265円 (税込)
    死刑執行まで残り12時間となったアンセル・パッカー。彼は「完全な善人も、完全な悪人もいない、だれもが生きるチャンスを与えられてしかるべきだ」と信じている。獄中で密かに温めた逃亡計画もある…。この〈連続殺人犯〉の虚像と実像を、アンセルの母親であるラヴェンダー、アンセルの妻であるジェニーの双子の妹ヘイゼル、ニューヨーク州警察の捜査官であるサフィことサフラン・シンという、いずれも後に死刑囚となるアンセルの人生に大きく関わり、また自分自身の運命も歪んでしまった女性たちの目を通して、浮き彫りにする。エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞受賞、衝撃のサスペンス!

ユーザーレビュー

  • 死刑執行のノート

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・あらすじ
    4人の女性を殺害した死刑囚のアンセルパッカーの死刑執行12時間前から物語は始まる。
    彼は密かに刑務官のショウナを抱き込み脱獄の計画をたてていた。
    アンセルの死刑までのカウントダウンと彼と関わりを持った3人の女性の過去から現在まで。

    ・感想
    ミステリーだと思ってたからてっきりアンセルは冤罪で3人の女性視点からその事実が浮き彫りになる…的な作品かと思ったら全く違った。

    アンセル視点では常に二人称代名詞が「あなた」となっていていて、それがこの物語は「別の世界線の私だったかも」という気持ちにさせられる良い効果をもたらしていたと思う。
    絶対的な善人も悪人もなく、灰色の世界の中でこのアンセ

    0
    2024年07月06日
  • 死刑執行のノート

    Posted by ブクログ

    なんだこれは、なんなんだ。

    一言で内容を示せば、死刑執行まで残り12時間の、連続殺人犯の話、なのだが。犯罪の詳細や捜査がどうこうはそれほど重要ではなく、とにかく1人1人が重く鮮やかに見えてくる。実際に生きているこの現実の世界と、あったかもしれない世界、その両方が。

    二人称で語りかけられるとグサグサと身に迫る。
    同情でも非難でも足りず、グレーの境界線が、読んでいる誰にも見えるのではないだろうか。

    0
    2023年12月21日
  • 死刑執行のノート

    Posted by ブクログ

    落ち着いた美しい表紙とは裏腹に、衝撃的な内容だった。もちろん表紙は内容と深い関わりがある。女性の悲しい性や生きづらさも感じられた。

    0
    2024年12月25日
  • 死刑執行のノート

    Posted by ブクログ

    死刑囚と家族、命の物語… 少しだけ感情の扱いや選択を間違えてしまった人々の未来 #死刑執行のノート

    ■あらすじ
    死刑囚であるアンセルは、間もなく執行の時を迎えていた。彼は刑務官と通じており、直前に脱走する計画をしていたのだが…
    同時になぜ彼は死刑囚となってしまったのか、出生から現在に至るまで、家族や様々な人との関わり合いを描いてゆく。果たして脱走は実現するのか、そして関係者たちにはどんな未来がやってくるのか。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    家族や命を実直に描いた作品。心の奥底にある善悪の価値観と、欲望、不安、恐怖といった人間の裏側にある感情が、静かに書き記されています。

    死刑囚なんて言う

    0
    2024年04月27日
  • 死刑執行のノート

    Posted by ブクログ

    時間経過や視点の切り替わり幾つもの仕掛けでアンセルという人物を探っていく物語。

    「実存的恐怖と自信喪失」
    最後の謝辞を呼んで腑に落ちた。

    この物語はアンセルがいかにも自分自身であるかのように描かれている。ーーーあなたはこう考えた…。
    まさにクカフカ自身が感じていた実存的恐怖を体感させられる。

    実存的恐怖とは、人生に意味がないのではないか、あるいは自分自身のアイデンティティに混乱を覚える内的葛藤のこと。
    アンセルは幼少期に体験したトラウマによって上手く形成されなかった部分をなんとか知識や哲学によって埋めようとしていた。それは恋愛でも殺人でも埋められず、結局は血の繋がりという確かなものを求め

    0
    2024年03月31日

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