ハビエルセルカスの作品一覧

「ハビエルセルカス」の「テラ・アルタの憎悪」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • テラ・アルタの憎悪

    テラ・アルタの憎悪

    小説・文芸

    4.1
    1巻2,530円 (税込)
    獄中でユゴーの『レ・ミゼラブル』と出会い、犯罪をやめ警察官となったメルチョールは、カタルーニャ州郊外の町テラ・アルタで、富豪夫妻殺人事件の捜査に当たる。夫妻は拷問の末に惨殺されていた。メルチョールは夫妻の事業には裏があることを直感するが……

ユーザーレビュー

  • テラ・アルタの憎悪

    Posted by ブクログ

    面白かった!レミゼの折り込みがそこそこにあってレミゼを知っている人間としての面白さもあったのだけど、それ以外にも主人公メルチョールの生い立ちが事件の合間合間に挟まれていて、そこが一人の孤独な男が愛を知るようになる迄の道のりとしてまた面白い。事件そのものは謎もありつつ比較的大きく動かないのだが、主人公の回想を挟みながら進むので事件そのものが回想と重なり合うことで重層感が出る。
    レミゼ知らなくても映画一本見た様な満足感のある本なんだけど、レミゼ知ってたら主人公のバルとジャベのハイブリッド感とか素晴らしいのだよ。キャラとしてはジャベが一番好きな主人公だけどその生い立ちにはバルを踏襲している描写もあったりね。レミゼ読み返したい。
    主人公は妻と本を通じて知り合ったのだが、本好きの二人が本の話をしているシーンとかじんわり暖かくてそういう意味でもこの本は好きでした

    0
    2025年06月10日
  • テラ・アルタの憎悪

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    惨劇から始まるスペイン産ミステリ。
    スペイン、珍しいな。
    あんまり思い浮かばないな。
    『風の影』とか?

    ならず者あがりの刑事メルチョールが”何も起きない町”、”旅の途中で通りすぎるだけの場所”テラ・アルタで出くわした凄惨な事件。
    この町きっての富豪で町の産業を一手に握る「アデル美術印刷」の夫婦が屋敷内で拷問を受け、無惨な姿で殺されているのが発見された。
    誰が、何のために?金品目当てか、怨恨なのか?

    おどろおどろしい事件を巡る調査の日を追う物語が続くのかと思いきや、かなりのページを割いて主人公の過去に飛ぶ。
    かたや事件究明の方はするすると手の中を溢れ落ちて行き、進展らしい進展は起きないまま過去の話へと成り下がっていく。。。

    凄惨な事件を呼び水にする物語は、その事件の裏に潜むきな臭さだったり、犯人のサイコ性だったりがメインになるのが常なところ。
    タイトルや装丁の雰囲気からもまさにそんなイメージを想起するところだが、意外にもその辺はあっさり目なところが新鮮。
    むしろ、メルチョールの過去との決着を目指す物語や、服役中に出会った『レ・ミゼラブル』への賛美を中心に展開する人生観が興味深い。

    「小説の半分は著者が書いているが、残りの半分は読み手が埋めるんだ」
    中盤以降、カミュ『異邦人』、ボリス・パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』、ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』、ジョルジュ・ペレック『人生使用法』なんかも言及され始め、警察小説×文学の様相を呈してきて乙。

    メルチョールのジャベール(『レ・ミゼラブル』に出てくる悪徳警官)評。
    「彼は偽りの悪人なんだ。そのことに気づかないか?そして偽りの悪人は、真の善人なんだ」
    「そう考えると、偽りの善人もいるってことね」
    「もちろんだとも。それが真の悪人だ」

    そうした人生観や辿ってきた道のりがあってこその喪失の重さ、正義とは何か、復讐とは何かを問う最終盤。
    「憎む相手を殺すために、自分も毒を飲むようなもの」の言葉が胸を刺す。

    色々詰め込んだ割にはとっ散らからず、それぞれのカケラがそれぞれの厚み色味を帯びてうまく纏まっていた印象を受けた。
    とにかく、ことあるごとに読みたいなーと思っていた『レ・ミゼラブル』、絶対読まなきゃという気に改めてさせてくれた。

    続編もあるようなので、是非に邦訳してもらいたいもの。

    0
    2025年03月02日
  • テラ・アルタの憎悪

    Posted by ブクログ

    獄中でユゴーの『レ・ミゼラブル』と出会い、犯罪をやめ警察官となったメルチョールは、カタルーニャ州郊外の町テラ・アルタで、富豪夫妻殺人事件の捜査に当たる。夫妻は拷問の末に惨殺されていた。メルチョールは夫妻の事業には裏があることを直感するが……。

    極めて猟奇的な場面で幕を開けるこの作品、単なる警察小説ではありませんでした。読書が人生を変える力のある営みであることを改めて実感しました。残りの二作も期待しています。

    0
    2024年03月31日
  • テラ・アルタの憎悪

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ストーリー自体は好き。ただ最後の黒幕の話は、黒幕自体にそうするメリットがなく、話の説明のためにそうした感がある。

    0
    2024年08月25日
  • テラ・アルタの憎悪

    Posted by ブクログ

    スペインの作家ハビエル・セルカスの作品。初めて知った作家であり、予備知識なく読み始める。
    主人公のメルチョールは娼婦の母に育てられ、犯罪に手を染めることで刑務所に入るが、そこでユゴー作の'レ・ミゼラブル'を知り、母が殺されたことを契機として警察官として生きる道を模索する。風変わりな弁護士の助けもあり、希望が叶い、警察官として働き始めるが、テロリストの犯罪に直面し、全員射殺で未然に防ぐが、復讐から保護されるため、田舎町テラ・アルト勤務へと移される。犯罪とは無縁と思われたこの町で、資産家夫婦が惨殺死されるという事件が発生、母殺害の犯人を見つけ出すこともできず、資産家殺人の犯人探しも行き詰まっていく。主人公の過去の出来事と、現在進行中の捜査と交互にストーリーが展開していくが、'レ・ミゼラブル'から受けた正義に対する思いと、次々と判明していく意外な事実との葛藤が本書のテーマとなって結実していく。
    謎解きと直接関係なさそうな話が現れてくるので、まだるっこしく感じるが、ストーリーに深みを与えている。最後まで何が起きるか予断できない内容であり、読み応えがあった。

    0
    2024年06月17日

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