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  • 大量絶滅はなぜ起きるのか 生命を脅かす地球の異変
    値引きあり
    4.0
    1巻550円 (税込)
    2億150万年前(三畳紀末期)の地球で、陸も海も関係なく、80%もの生物種が一斉に消えた。世界中の地層に記録されたその大事件を「三畳紀末大量絶滅」という。このとき、いったい何が起きたのか? 気鋭の地質学者が、まったく新しい「絶滅論」を提唱する。 【おもな内容】 プロローグ 大地 1980年代、ヨーロッパやアメリカから鳥たちの異変の報告が相次いだ。殻が不完全な卵の産卵率はなぜ急上昇したのか? その原因は大地の変化にあった。 第1章 異変 ニューカレドニアには、三畳紀末の海で形成された地層がある。三畳紀末に起きた異変の謎を解く、最初の手がかりだ。生物が小型化し、絶滅した世界「スモールワールド」が見えてきた。 第2章 混沌 ロッキー山脈の東端、ブラックベアリッジという丘陵地にも三畳紀の海の地層がある。そこでは、海退、酸性化、無酸素化という多様な環境変化の記録が見つかった。この混沌の中に大量絶滅の原因が隠されているのだろうか? 第3章 犯人 三畳紀末のさまざまな環境変化を引き起こした有力な容疑者は、巨大隕石と史上最大規模の火成活動。広範囲で見つかる海底地滑りの証拠は、犯人特定につながるか? 第4章 指紋 世界中の地層を対比するには、時間の物差しが必要だ。その目盛りとして、炭素同位体比という「元素の指紋」が使える。海洋の異変、生物の小型化と絶滅、そして地層から見つかった3つの目盛りはどのような順で並ぶのか? 第5章 連鎖 三畳紀末大量絶滅を説明する美しい理論が発表された。それは、二酸化炭素が形を変えながら大気・大地・海洋を変化させていく「連鎖モデル」だ。謎はすべて解けた……のか? 第6章 疑惑 オーストリア・タトラ山脈で見られる三畳紀末の地層には、生命活動の豊かな海と突発的絶滅が記録されていた。連鎖モデルへの疑惑が湧く。二酸化炭素のリレーでは「遅すぎる」! 第7章 消失 化石に記録された三畳紀の海水温が、驚くべき温暖化を示した。温暖化は生物の小型化をもたらしうる。さらに、2つの新しい異変が見つかる。海で生物が小型化したとき、陸地では森と土壌が消失していた。 第8章 限界 どれだけ暑く、湿度が高ければ、生き物は死にはじめるのか? スモールワールドは、極端な温暖化が生命の限界を超えた世界だったのかもしれない。 第9章 境界 現在の地球では、「第六の大量絶滅」が進行中だという。それは本当なのか。環境変化がどの境界を越えると、大量絶滅が起きるのだろうか。 エピローグ 深海 岐阜県の木曽川沿いには、三畳紀末の深海で形成された地層がある。そこで見つかる化石は、何かがおかしい。新たな謎が立ち上がる。

ユーザーレビュー

  • 大量絶滅はなぜ起きるのか 生命を脅かす地球の異変

    購入済み

    ミステリー小説のように

    ステリー小説のように様々な状況証拠を上げて検証してゆくという 手法は大変に面白い。しかも重要な指標である「年代測定」が技術進歩とともにどんどん変わってゆき、前提条件が逆転してしまうところなど、謎解きに興味が尽きない。最終章の「現在は大量絶滅時代か」という問題だが、現在議論されている数百年単位の話と本書で主に扱ってきた数百「万」年単位の話と同列に並べるのは無理がありそうな気がする。

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    2024年07月02日
  • 大量絶滅はなぜ起きるのか 生命を脅かす地球の異変

    Posted by ブクログ

    『シュットブルージュの研究成果までが、いまわかっている大地の変化である。これより先のページで語ることは、限られたデータからの推論が主体となる。(中略)あるいは、大量絶滅にかんする正しい知識を得るために本書を手にとられた方や、研究者の科学的姿勢を尊重する方は、ここで本書を閉じることをお勧めする』ー『これから先で語ることについて/第7章 消失』

    いわゆる地質屋と呼ばれる職種を何十年もやってきてつくづく思うのだけれど、地質学という学問の分野は一応理科系の分野であるとされるが、博物学的意味合いの強い学問であり、物理や化学のように因果律に基づいて観測される事象やその変化を解析できる法則や理論がはっきり

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    2024年01月21日
  • 大量絶滅はなぜ起きるのか 生命を脅かす地球の異変

    Posted by ブクログ

    結論は未証明。しかし三畳紀末からジュラ紀にかかるT/j境界を挟む時期の大量絶滅の謎に迫る。
    ①湿潤化②富栄養化③無酸素化④消えた二酸化炭素⑤森林消失⑥乾燥化⑦森林火災⑧土壌流出⑨海底地滑り⑩スモールワールド11大量絶滅を証明するため調査、推測を駆使する。そこから現代の気候変動にも話を広げていて興味深い。著者の専門外である太陽の影響が加味されていないのが残念。それがあれば推論も変わってきたのではないか⁈短いサイクルでの変動を気にしないアメリカの次期大統領みたいのもいるが、環境への対策は急を要すると感じる。

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    2024年11月17日
  • 大量絶滅はなぜ起きるのか 生命を脅かす地球の異変

    Posted by ブクログ

    三畳紀末大量絶滅の謎を解きながら、現代の大量絶滅を知るための手掛かりを探す。学術的だが読みやすい本。

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    2023年11月21日
  • 大量絶滅はなぜ起きるのか 生命を脅かす地球の異変

    Posted by ブクログ

    ストーリー仕立てで三畳紀の大絶滅が発生した原因を1つ1つ紐解いていくのが面白い。最後の著者による大絶滅が発生した仮説についても非常に興味深い。

    0
    2023年10月10日

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