ユーザーレビュー 資本主義の中心で、資本主義を変える 清水大吾 心が熱くなる。 低迷し続ける日本市場に対して、どうすれば変えられるのかを考え続け、具体的な行動に落とし込み、実践する。 考えるだけなら多くの人が考えるだろうけども、それを文字通り資本主義のど真ん中で、文字通り実践した姿を読むことができる。 天邪鬼になろう。 Posted by ブクログ 資本主義の中心で、資本主義を変える 清水大吾 常に成長し続けることが求められる「成長至上主義」は果たして正しいのかというテーマ。 著者は、仮に非営利機関に勤めて声を上げたとして、外部の声は成長至上主義の内部には届かない。資本主義の中心で、ゲームの勝者として働きかけることで、内部を根本から変えることを目指した。 ◯資本主義の目的とは すべての...続きを読む経済システムは人類の幸福に資するために発展してきた。しかし成長が目的化すると、Up or Outのように人を常に成長に駆り立てる社会的風潮を生み出してしまう。これは資本主義そのものの問題ではなく、資本主義の使い方の問題である。 そして成長が目的化した資本主義社会では巨大な投資マネーが利益の源泉を求めてさまよっている。その過程で、これ以上の成長志向は人間社会に対して害悪をもたらす危険があるにも関わらず、立ち止まることも許されず、越えてはいけない一線を越えてしまう「資本の暴走」が発生しているのだ。 ◯儲けるか儲かるか 二宮尊徳は「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」 と述べた。それならば例えばSDGsというのは、「資本主義を使いこなして、道徳のある経済を達成しよう」ということを意味するのではないか。「儲ける」はコスト競争が起こり得る。しかし「結果的に儲かる」場合は喜んで対価を払う状況をつくれているのでその違いは明確である。 --- 話は変わるが、社会貢献的意識が強い若者は、ごく普通の営利企業への就職はださいとか、社会貢献を全面に出したビジネスがかっこいいという価値観があるかもしれない。ESGやSDGsを分かりやすく取り入れたビジネスはかっこよく見える。しかし別にそこまで拘る必要はなくて、普通の営利企業の中で倫理観を持った利益追求をすることも、ただ資本主義に身を任せることに比べたらずっと尊い素敵なことなのではないか。 Posted by ブクログ 資本主義の中心で、資本主義を変える 清水大吾 「ゲームのルールを変えてるのはゲームの勝者だけ」などの大事なトピック、ピラニアの活用(比喩)そして何よりも理論だけの展開でなく自己の個人的な立場や利己的な面を晒しながらのミッションの共有。とても賛同できること多かった。読んでよかった。 Posted by ブクログ 資本主義の中心で、資本主義を変える 清水大吾 著者の世界の経済や環境に対する視座があまりにも高く、世の中に対して考えさせられる本だった。 環境問題や資本主義の在り方に関する本は、世の中に多く出回っていると思うが、時間軸に対する切り口が入っているのは面白かった。 自分が今まで世の中に対して良いと思ってた行動が、長い時間軸で見た時に本当に良いことな...続きを読むのか考えさせられた。 Posted by ブクログ 資本主義の中心で、資本主義を変える 清水大吾 証券会社にもこんな人がいるのかと、感動というと大袈裟だがそれに近い驚きがあった。今の資本主義に問題意識をもち、それでいながら証券会社の業務で理想を追いかける筆者は素直にすごいと思った。 グローバルでは行きすぎた資本主義(環境負荷など)が問題となっているが、日本は政策保有株に代表される投資家を避けるマ...続きを読むインドが競争意識の欠如を招いていて適度な緊張感を持ち込むべき、というのも分かるし、我々個人も哲学を持ち企業を選ぶように意識を変えてもっと健全な資本主義にすべきというのも首肯。皆に広めたい一冊。 Posted by ブクログ 清水大吾のレビューをもっと見る