非常に読み応えがある。
後半に書いてあることは「研究を進める際のステップ」であり、理系学生なら一通りは知っているであろうことも含まれるが、社会に出たビジネスパーソンでも同様の姿勢が大事だと関連付けたところが新しいと感じた。
専門性を身に付けたいと思った時、まずは知識をインプットして「勉強」し
...続きを読むなければ、と思いがちだ。
だが、興味のある分野を見つけ、そこを深掘りし、まだ解明されていないことを開拓していくフロンティア精神こそが専門性であると著者は説く。
確かに、大学の研究論文を書く際はそういったことを意識するようにとよく言われていた。
自分自身、学生時代は(思うような成果が得られたかはさておき、)オリジナリティを求めて新しい知見を得ようとする姿勢でいたはずなのに、社会人になってからはそれを忘れていたような気がしてハッとさせられた。
専門性とは、知識の多寡ではなく、自分独自の問題意識を持っているかどうかであると考えれば、士業でなくとも専門性は持てる。
イチ会社員となった私に、「あなたは会社にしがみついてないと生きていけない人間」と言った母の言葉をずっとコンプレックスに感じていたが、そうではない、生き方次第で専門性は身につけられるのだとこの本に勇気づけられた。