小沢一郎氏の実行力という政治手腕は群を抜く。しかも政治屋とは一線を画す「政治理念とビジョン」がある。それが93年の政権交代と小選挙区制を実現させた。だが、できた政権は寄せ木細工のように複雑で脆く、持続性は持ち得なかった。
それでも改革の実績は残るが、その意義を最も体得したのは自民党だった。
二大政党
...続きを読む制を実現し、日本国民の政治的成熟を図る理想は素晴らしいが、超少子高齢化の下、財政ばら撒きという「ポピュリズム」が日本を蝕む現実。コロナ禍は更に加速させた。
小沢一郎氏はなお「政権交代」に執着する。その政治エネルギーはとにかく凄い。
ただ米国支配に挑む国力が今の日本にはない。それが失われた30年の答え。
小沢一郎氏はもう一度世界戦略から見直す必要があると思うが、時間はあるだろうか?
著者はNHK小澤番政治記者、しっかりした構成になっているが小澤寄り。