【感想・ネタバレ】壁を壊した男 1993年の小沢一郎のレビュー

あらすじ

手に汗握る政治ノンフィクション!

1993年は、日本の政治史において最も激動の年であった。
「東京佐川急便事件」に端を発した「政治とカネ」の問題や自民党の竹下派を中心とする派閥争い。バブルがはじけ始めた経済への対応。混迷する政治に世論の不信感は大いに高まっていた。世界からはベルリンの壁とソ連の崩壊、東西冷戦の終結という“外圧”も押し寄せていた。
そんな激動の波は、永田町にいた一人の男を突き動した。小沢一郎である。
政界で既に実力者として知られていた小沢は、同志の羽田孜らと共に自民党を離党し、政権交代を起こすべく、水面下で動きを加速させていった。
しかし、小沢の前にはいくつもの障壁が立ちはだかった。親小沢か反小沢という心理的な壁、選挙制度改革をはじめとする政策の違いという主義主張の壁、あるいは与野党という敵味方の壁――。小沢は前進と後退を繰り返しながら、非自民からなる細川護熙政権を誕生させた。「五五年体制」という最も強固な壁をぶち壊したのだ。
そんな最も政治が熱かった「1993年」という1年を駆け抜けていった小沢ら政治家たちの姿を描いていく。そして「1993年の小沢一郎」を通して、現代の日本政治が再びダイナミズムを得るためのヒントを探す。

(底本 2023年7月発売作品)

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Posted by ブクログ

小沢一郎氏の実行力という政治手腕は群を抜く。しかも政治屋とは一線を画す「政治理念とビジョン」がある。それが93年の政権交代と小選挙区制を実現させた。だが、できた政権は寄せ木細工のように複雑で脆く、持続性は持ち得なかった。
それでも改革の実績は残るが、その意義を最も体得したのは自民党だった。
二大政党制を実現し、日本国民の政治的成熟を図る理想は素晴らしいが、超少子高齢化の下、財政ばら撒きという「ポピュリズム」が日本を蝕む現実。コロナ禍は更に加速させた。
小沢一郎氏はなお「政権交代」に執着する。その政治エネルギーはとにかく凄い。
ただ米国支配に挑む国力が今の日本にはない。それが失われた30年の答え。
小沢一郎氏はもう一度世界戦略から見直す必要があると思うが、時間はあるだろうか?
著者はNHK小澤番政治記者、しっかりした構成になっているが小澤寄り。

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2023年11月12日

Posted by ブクログ

時代のうねり。日本では珍しく政治が熱かった時代。刺激的で劇的な政治ドラマ。「スリルとサスペンス」推理小説読んでいるような細かなディテール描写に、権力闘争の現場に居合わせているような錯覚も。ただ、著者も触れているが取材対象との距離近すぎないか?親しくならないと、ネタ取れないのは分かるが…。

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2023年10月07日

Posted by ブクログ

1995年以来、38年間、自民党は与党であり続けました。


しかし、金権政治による政治不信の中、


選挙制度改革


政権交代


を起こすべく行動したのが小沢一郎でした。


55年体制という壁を壊し、連立政権を樹立し、小選挙区制を導入するまでに、小沢はどのようにして政界の中心として動き、そして歴史を動かしたのか。


様々な政治家とのやりとり、ギリギリの攻防が、舞台裏を密着取材をした筆者によって詳細に書かれています。


田中角栄、竹下登、金丸信、武村正義、細川護煕、村山富市・・・小沢一郎をはじめとした、ある意味で個性(アク)の強い、独断専行的な政治家はもう出てこないと思います。


当時の時代の様子を知ることで、今の政治を見る目も変わってきます。


こういったノンフィクションがお好きな方にはおすすめです。

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2023年12月25日

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