筆者の岩崎さん、自分の農法、農業、作物にものすごく誇りを持っていて、それゆえ次の世代にも自分のような農家がいてほしいって書いてあったのが印象的だった。
その誇りはどこからくるのだろう、ずっと伝統種を育てて、種を大事に、野菜と真摯に向き合っているからなのかな。一般的な育て方じゃなくて廃れやすい、誰かが
...続きを読むやらないと失われてしまうからなのか。
あと印象的だったのは、お金を全然気にしてないこと。販路が見つからなくて移動販売した時もあったことは書かれてあったけど、賃金が低いことを気にせず誇りを持って農業をやっているのは、心の底から在来種を育てること、種を採って育てることを楽しんでいることと、消費者のおいしいという声を楽しんでいるからなのかな。
個人経営で在来種を育てていると農業問題にはあまり直面しないのかな、その背景はもしかしたらあるかもしれない。
あらまちは旬の野菜を売りにしていたけれど、旬の野菜は寧ろ今の社会では勝てないことがわかった。旬じゃない野菜が買えるしそれが当たり前になっているから。しかも旬の野菜はたくさん取れるから安い。だから旬だよっていうのは、あんまり良くないのかも知れない…?
あと、本を読みながらもう一つ思ったのは、販路として役に立つことももちろん必要ではあるけれど、今生産者と消費者が分断されがちな中で、販売を通して農家さんの誇りを引き出せて、この岩崎さんみたいに次の世代にも継いでもらいたいって思えるようになったならば、それは地域おこしに貢献しているのではないか。販路として、お金の獲得先としては難しいかも知れないけれど、触媒としてお客さん、農家さんを地域おこしの方向性に持っていけるのではないだろうか。販路の位置付けからは少しずれてしまうかもしらないけれど。