原俊彦の作品一覧
「原俊彦」の「サピエンス減少 縮減する未来の課題を探る」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「原俊彦」の「サピエンス減少 縮減する未来の課題を探る」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
面白い着眼点だと思った。
少子高齢化、人口減少を避けるべき災厄としてではなく、ホモサピエンスの文明の推移において不可避的に訪れる概ね確定した未来予測であると捉えて、それに対応するように社会を作り替えていくべきと説く。
多産多死社会から医療の発展と女性の選択権向上によって少産少子社会に移行し、さらには出生数が減って人口減少に至る。
人口が減少していく社会では、労働力リソースの業態間転換(ケア産業に移行。これまでの人の役割を多くはAIとフィジカルAIが担う)、不均衡の是正としての個々の事情に合わせた再分配が重要になる。
そして、「働かざる者食うべからず」の社会が終わることも予見される。
目から鱗で、良書だったが、テクノロジーの発展を舐めてかかっているな、と感じたの星4つ。
Posted by ブクログ
本書で示されるのは、西暦2100年ごろから世界的にも人口は縮減して行くという未来だ。
日本では少子高齢化が進み人口は減っていても、世界的には人口が増えていると思っていたのだが、そうではないということだ。
人口転換が起こるメカニズムについても解説していた。
自分の要約は正確でない気がするが、以下のようなところだろうか。
社会的な生産性が上がり、社会資本が蓄積されると、平均寿命が延びたり、死亡率が下がったりして人口が増加し、再生産年齢の女性の生存率も上がる。
家族を持つタイミング、生むタイミングを量る余裕が出てきて、出産が抑制されていくということだったと思う。
だいたいどの地域でもこのような経過をとってきたとのことだ。
これまでの歴史を見ても人口が(一時的に)減る時期というのはあったそうだ。
疫病の大流行や 災害、気象条件、戦争などによる。
ところがこれから迎えるであろう長期的な世界的な人口縮減は、これといった原因が特定できないものになるだろうと著者はいう。
こういう部分を読めば少し心がざわつく。
しかし本書は、理性的に変化に対応する必要性を説く。
人口減になるからと言って、地球温暖化や環境破壊が収まるわけではない。
極端な楽観論に陥ってはいけないという。
また、例えば女性や子供を持ちたがらない若い世代に責任を転嫁するのではなく、終末論のようなものに振り回されることもなく、いかに人類が存続できるのかを冷静に考えるべきだということだった。
そのために 社会制度、 社会的な基盤、 都市の作り方、 エネルギーや食料生産のあり方などを抜本的に変えていく必要があるという。
社会制度としては、 新自由主義的な経済政策を改め、生産と再分配の方法を変更する。
気象災害への対策としては、 被害を受けにくい地域に人口を分散あるいは集約して防災能力を高めたコミュニティの世界的ネットワークを築く。
食料問題については合成食品 の導入 を進め、食料生産を自然環境から切り離すことなど。
なるほど、と思うが、どれ一つ簡単にできそうにない。
利害調整などで意見がまとまらないのが目に見える。
大きな宿題を出されたような気がして、なかなか重苦しい気持ちになった。