初めて滝沢歌舞伎を見た時、
この人の演技が好きだと思った。
snowmanを好きになったきっかけは、
目黒蓮さんを「silent」で見て本当に演技が
上手だったからだ。
それから滝沢歌舞伎で座長をしてることを知って、舞台経験者の私は興味津々になった。
演目の後半は、鼠小僧次郎吉の物語なのだが目黒蓮さん以外にこんなに上手な人がいるのだと感動したのが、向井康二さんだ。
関西出身のお笑い担当が、1ミリも関西弁を出さずら悪役に徹していた。
それだけでもすごいのに、表情も表現をすごく求めているものをくれる。
向井康二さん演じる官兵衛が私は一番好きだ。
そんな向井康二さんが、「ハロルドとモード」の
朗読劇をやることが決まって、どんなお話なのか知りたいと思って読んだこの本。
19歳の狂言自殺をするハロルドと、
79歳の自由奔放で破天荒なモード。
知らない人の葬式で出会った、何もかも違う2人が
お互いを知って恋に落ちる。
モードの言葉や考え方はすごくユニークで、
がんじがらめでルールばっかりの日々なんてクソ食らえだと笑い飛ばしてくれる。
一方でハロルドは母親からがんじがらめにされた人生を送っている。
ハロルドのためにと言ったマッチングサイトは、全て母親が答えていたし、私の顔に泥を塗らないでと言われ続け、世の中の普通の男性にしようとする母親にストレスを感じて狂言自殺を繰り返す。
強いられる「普通」から
解き放ってくれる「自由」なモード。
ハロルドにとってのモードは、
まさに自由の象徴で眩しい神のよう。
そんなモードにも、縛られた辛い過去があって
露骨に語られるわけではないけど少し見えるその過去があるから、今のモードがあることが何よりも素敵。
想いが通じ合う2人にあの結末は悲しすぎるけど、
モードは最後まで全てから自由だった。
ハロルドは、これから自由になれるだろうか。
狂言自殺をしなくても大丈夫になれるだろうか。
この物語を朗読するのは、
黒柳徹子さんと向井康二さん。
89歳と29歳の2人は本作の2人より10歳上。
年齢って、20から30、30から40になる度に
何か節目のようなものを感じる。
19歳と79歳。29歳と89歳。
節目になるまであと一年の瞬間。
2人のハロルドとモードはどう生きるのだろう。
ぜひ見届けたい。
29歳と89歳のハロルドとモードを。
向井康二さん
貴方のその心の底から優しい部分が、
ハロルドの純粋さとおりなって、私には
貴方のための物語だと思いました。
朗読劇、楽しみにしてます(まだ当たってないけど)