あらすじ
19歳のハロルドは、79歳のモードを愛してしまった。
孤独な青年は愛することの素晴らしさを知る。
40年前、この芝居を見て、私は号泣した。
――黒柳徹子
自殺を演じるのが趣味という19歳の青年ハロルド。規則に縛られることを嫌い、ひたすら自由に生きる79歳の女性モード。60歳の年齢差がある二人を結びつけたのは、縁もゆかりもない他人の葬式だった。しだいにハロルドは天衣無縫に行動するモードに惹かれていく――特異なユーモア感覚で哀しい現実を描き、高く評価される映画の小説化。
原題:Harold and Maude
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
初めて滝沢歌舞伎を見た時、
この人の演技が好きだと思った。
snowmanを好きになったきっかけは、
目黒蓮さんを「silent」で見て本当に演技が
上手だったからだ。
それから滝沢歌舞伎で座長をしてることを知って、舞台経験者の私は興味津々になった。
演目の後半は、鼠小僧次郎吉の物語なのだが目黒蓮さん以外にこんなに上手な人がいるのだと感動したのが、向井康二さんだ。
関西出身のお笑い担当が、1ミリも関西弁を出さずら悪役に徹していた。
それだけでもすごいのに、表情も表現をすごく求めているものをくれる。
向井康二さん演じる官兵衛が私は一番好きだ。
そんな向井康二さんが、「ハロルドとモード」の
朗読劇をやることが決まって、どんなお話なのか知りたいと思って読んだこの本。
19歳の狂言自殺をするハロルドと、
79歳の自由奔放で破天荒なモード。
知らない人の葬式で出会った、何もかも違う2人が
お互いを知って恋に落ちる。
モードの言葉や考え方はすごくユニークで、
がんじがらめでルールばっかりの日々なんてクソ食らえだと笑い飛ばしてくれる。
一方でハロルドは母親からがんじがらめにされた人生を送っている。
ハロルドのためにと言ったマッチングサイトは、全て母親が答えていたし、私の顔に泥を塗らないでと言われ続け、世の中の普通の男性にしようとする母親にストレスを感じて狂言自殺を繰り返す。
強いられる「普通」から
解き放ってくれる「自由」なモード。
ハロルドにとってのモードは、
まさに自由の象徴で眩しい神のよう。
そんなモードにも、縛られた辛い過去があって
露骨に語られるわけではないけど少し見えるその過去があるから、今のモードがあることが何よりも素敵。
想いが通じ合う2人にあの結末は悲しすぎるけど、
モードは最後まで全てから自由だった。
ハロルドは、これから自由になれるだろうか。
狂言自殺をしなくても大丈夫になれるだろうか。
この物語を朗読するのは、
黒柳徹子さんと向井康二さん。
89歳と29歳の2人は本作の2人より10歳上。
年齢って、20から30、30から40になる度に
何か節目のようなものを感じる。
19歳と79歳。29歳と89歳。
節目になるまであと一年の瞬間。
2人のハロルドとモードはどう生きるのだろう。
ぜひ見届けたい。
29歳と89歳のハロルドとモードを。
向井康二さん
貴方のその心の底から優しい部分が、
ハロルドの純粋さとおりなって、私には
貴方のための物語だと思いました。
朗読劇、楽しみにしてます(まだ当たってないけど)
Posted by ブクログ
あふれる疾走感。
新しい体験。
瑞々しい体験。
最後は底抜けの爽やかさだった。
朗読劇からこの本に出会わせてくれた向井康二くんに感謝です。朗読劇に参加できるのが本当に楽しみ。
末尾の解説で「性的嗜好」とあるのは本来は「性的指向」としなければならない重大な誤り。同性愛が治療の対象と考えられてきた過酷な時代に戻ってしまうからだ。
Posted by ブクログ
途中から、まさかね、と思ってたのが後半でえ?まじ?ってなってえーーーーーってなりました。笑
時代背景からなのか会話文の丁寧な言い回しがとても綺麗で好きでした
モードも大概だけどハロルドもなかなかですよね??
日常の小さな事にも幸せやわくわくを見出せるように
考え方を根本から正して
モードみたいに楽しい人生を送りたい
Posted by ブクログ
自由は不自由があるからあったから手にするもの。
影があるから日向がある。
歳を重ねるほど「今見ている物の側面はなんだろう」と考えることが増えていく。見ているものが全てではないとわかっていくことが大人になったと気づく一つだ。愛とは、自由とは、戦争とは。
朗読劇に行けないのでせめて本を…と手に取りました。
映画も観ることにしました。
読む機会をくれてありがとう!
素敵な作品に出会わせてくれてありがとう!
Posted by ブクログ
トットちゃんがオススメしてると
なんかで見たので買ってみた
交通ルールとか守らないモードに
最初は腹立ってた
いや、それは最後までダメだと思うけど
どんどん「あ… カワイイ…」って
思っちゃって
ハロルドが惹かれるのわかるわー
すごい魅力的だよなー
実はたまたま見てたテレビで
徹子がラストシーンを話してて
コイツ!!!!ネタバレかよ!!!
ってすごい悔しかった
楽しみにしてたのに、徹子、許さん
ラスト知ってても
そこまでの過程がドラマティックで
とてもおもしろかった
映画はみたことなかったから
読み終わってから検索してみたけど
己の脳内映像化のほうが
圧倒的にビューティフォーなので
見ないことにする
星は4つ
Posted by ブクログ
ハロルドは裕福な家の一人息子、19歳。学校に行かず仕事もしていない。マイカーは霊柩車、時折狂言自殺をして母親を驚かす。
ある日見ず知らずの人の葬式で知り合った老女モードと意気投合し友情が芽生える。モードは教会の壁画に落書きしたり、他人の車を勝手に拝借したりする自由気ままな人。
ハロルドはモードと過ごすうちに人生の楽しさを覚え結婚を考えるようになるが…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Travis Japanのしめちゃんと黒柳徹子さんが現在このお芝居を上演中です。読んでみると、これは動きが激しくて舞台よりも映画のほうが合ってると思った。そしたら映画が先に出来ていて、こちらはノベライズでした。
ハロルドはちょっとヤバい子だし、モードは物凄くかっ飛んでる婆さん。法律も慣例も無視する破天荒ぶりは読んでいてげっそりしてしまう。勿論ハロルドがヤバい子になったのには生きづらい環境もあったであろうし、モードも人生で深い傷を抱えているとは言え。
ただ苦労をしてきただけにモードのことばは割と重みがある。そして新しいことに躊躇なく挑んで行く姿は逞しく頼もしくもある。
さて、これを朗読劇でどう表現するのか?だいぶ内容を変えてるんじゃないかな?
Posted by ブクログ
“普通“に押し込められるやるせなさを抱え孤独と鬱屈の中で自制を失ったハロルドが、破天荒でお茶目で自由なモードに出会い、彼なりの「自由」にたどり着く。明るさの影に様々な経験の奥行きを感じさせるモードの言葉の何とたくましいこと。
Posted by ブクログ
本だけだと内容理解が難しかった。非現実的なストーリーではある。朗読劇での情景を思い出しながら読んだ最後のシーンが素敵だ。人は誰かに会うことで価値観や考えが影響されることがある。人を変えるとはこのことだと思う。自分もモードのように影響してもらえるような人になりたいと思う。
Posted by ブクログ
朗読劇をきっかけに作品を知り、原作が気になって読んでみました。
19歳のバロルドと79歳のモード。
歳も性別も性格も生き方も全く違う2人が、知らない人のお葬式で出会い、少しづつ心を通わせるお話。
どこか生きづらさを感じているハロルドにとって、破天荒でパワーに満ち溢れたモードはどんな風に見えていたのだろうと想像させられます。
心通わせる内に好意が愛情に変わっていく様子が細やかに表現されていて、少しづつ解されていくような、心地のよい作品でした。