森部豊の作品一覧
「森部豊」の「唐―東ユーラシアの大帝国」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「森部豊」の「唐―東ユーラシアの大帝国」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
618年の建国から907年の滅亡に至る約290年におよぶ唐の歴史について概説。歴代皇帝の事績を軸に、対外戦争、経済、社会制度、宮廷内の権謀術数などを活写する。唐におけるソグド人の活躍を詳述するなど、東ユーラシアの中の唐帝国という視点で描かれているのが特色。
世界史の教科書では2頁くらいにおさまる唐という王朝の興亡の歴史について詳しく知ることができ、興味深く、勉強になった。皇帝も含め、一時期権勢を誇っていても、登場人物の多くが殺されたり、自殺したりしていて、唐の宮廷の歴史が思っていたよりもかなり血なまぐさいものだったことに、ちょっと驚いた。
Posted by ブクログ
300年近く続いた唐帝国。少し前に読んだ同じ中公新書の「南北朝時代」「隋」と比べて安定した時代。それゆえに国を維持するための制度についての解説がどうしても多い。特に税制と軍については変遷が多く、辺境と接する地域や人口の多い高コスト体質の大帝国を維持する難しさを感じた。特に軍閥化した節度使の制御にずっと四苦八苦している。大英帝国のような本拠地と地続きではない帝国とは難易度が桁違いである。
有名な玄武門の変や武葦の禍や、巨大帝国に相応しい大きなスケールの話(突厥・ウイグル・チベットという国やソグド人との関わり、イスラームのアッバース朝とのタラス河畔の戦い、安史の乱ではアラブ人や西方のキリスト教徒も
Posted by ブクログ
唐は、言わずと知れた7〜10世紀にかけて約三世紀続いた中国の王朝だが、多くの日本人にとってまず頭に浮かぶのは遣唐使。遣唐使を通じて、仏教文化や律令制度がもたらされたとのイメージが強い、というかそのイメージしかない。
唐という王朝の通史を切り取った本著を読んで印象を新たにしたのは、唐は中国の王朝といっても漢民族の統一王朝ではないということ。そもそもその前の隋と同じく唐の王家は遊牧民である鮮卑の拓跋部の血を引いており、王朝の歴史においてもテュルク系の騎馬民族やイラン系のソグド人が跋扈する。その版図においては、さらに西方から進出したイスラム教徒やキリスト教徒の集団までを包含する。本著のサブタイトル