森部豊のレビュー一覧

  • 唐―東ユーラシアの大帝国

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    618年の建国から907年の滅亡に至る約290年におよぶ唐の歴史について概説。歴代皇帝の事績を軸に、対外戦争、経済、社会制度、宮廷内の権謀術数などを活写する。唐におけるソグド人の活躍を詳述するなど、東ユーラシアの中の唐帝国という視点で描かれているのが特色。
    世界史の教科書では2頁くらいにおさまる唐という王朝の興亡の歴史について詳しく知ることができ、興味深く、勉強になった。皇帝も含め、一時期権勢を誇っていても、登場人物の多くが殺されたり、自殺したりしていて、唐の宮廷の歴史が思っていたよりもかなり血なまぐさいものだったことに、ちょっと驚いた。

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    2025年05月26日
  • 唐―東ユーラシアの大帝国

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    唐の歴代皇帝の事績を軸に、対外戦争、経済、社会制度、政変・政争をまとめた本になります。
    一冊全体が唐史というのは本の中でも書かれてましたが珍しいかと。
    人・民族の動きや唐後期の藩鎮の動向、中央によるコントロールの状況も丁寧に描かれています。

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    2023年10月01日
  • 唐―東ユーラシアの大帝国

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    なんとなく遣唐使、玄宗と楊貴妃というくらいの印象で、当時の日本から見たらかなり進んだ国だったのかなあ、といイメージ程度だった唐。
    中国と一言で片付けることはできないさまざまな民族、特に遊牧民族をルーツに持つと言うべき帝国だった。
    歴代の皇帝の時代を細かく記述しているので詳しいけど、面白く読み進められるかというとそうでもない。

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    2023年07月01日
  • 唐―東ユーラシアの大帝国

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    300年近く続いた唐帝国。少し前に読んだ同じ中公新書の「南北朝時代」「隋」と比べて安定した時代。それゆえに国を維持するための制度についての解説がどうしても多い。特に税制と軍については変遷が多く、辺境と接する地域や人口の多い高コスト体質の大帝国を維持する難しさを感じた。特に軍閥化した節度使の制御にずっと四苦八苦している。大英帝国のような本拠地と地続きではない帝国とは難易度が桁違いである。
    有名な玄武門の変や武葦の禍や、巨大帝国に相応しい大きなスケールの話(突厥・ウイグル・チベットという国やソグド人との関わり、イスラームのアッバース朝とのタラス河畔の戦い、安史の乱ではアラブ人や西方のキリスト教徒も

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    2025年03月04日
  • 唐―東ユーラシアの大帝国

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    唐は、言わずと知れた7〜10世紀にかけて約三世紀続いた中国の王朝だが、多くの日本人にとってまず頭に浮かぶのは遣唐使。遣唐使を通じて、仏教文化や律令制度がもたらされたとのイメージが強い、というかそのイメージしかない。

    唐という王朝の通史を切り取った本著を読んで印象を新たにしたのは、唐は中国の王朝といっても漢民族の統一王朝ではないということ。そもそもその前の隋と同じく唐の王家は遊牧民である鮮卑の拓跋部の血を引いており、王朝の歴史においてもテュルク系の騎馬民族やイラン系のソグド人が跋扈する。その版図においては、さらに西方から進出したイスラム教徒やキリスト教徒の集団までを包含する。本著のサブタイトル

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    2023年12月25日
  • 唐―東ユーラシアの大帝国

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    大陸に勃興する他民族・巨大帝国の衰退の歴史とは同じ様な歴史(政治・統治体制の洗練から周辺国に対する軍事費増大とその維持の為の租税負担の増加)を経るんだと興味深く読んだ。

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    2023年12月09日
  • 唐―東ユーラシアの大帝国

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    唐王朝のみを扱った書物というのは意外にも少ないらしい。本書は、300年近くに及んだ東ユーラシアの大帝国、唐に絞って叙述する。
    気になった箇所は、当時の物流網は、長安を中心とした西方とのものと、洛陽を中心とするものに分かれていたこと。そして、二都をつなぐ線はあまり大きいものではなかったらしい。食糧不足もあり、唐朝はしばしば長安から洛陽に官僚ごと退避することがあったらしい。次の王朝から長安に都を置くことがなくなったのも頷ける。
    また、ウイグルやチベットとの国際関係も唐にとっては重要なファクターであった。
    本書は政治の話が中心であまり文化の話は取り上げられていない。

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    2023年09月11日
  • 唐―東ユーラシアの大帝国

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    この時代が好きな人へ、どうぞ、という感じの本かな。
    世界帝国さまながら、相変わらずの醜い愛憎欲望の世界でお腹いっぱい。

    あれだけ広いエリアで、こんなバカなことばかり繰り返して来てるのが、不思議だ。

    情報伝達の方法も限られてるから、庶民の方々は、何が起こってるかも、全く興味もなく知らなかったのではないか。
    そりゃ、上下分断される。
    支配層と非支配層。

    お疲れ様です。

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    2023年06月08日