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  • 小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか 現代の災い「インフォデミック」を考える
    3.8
    炎上を超えて、小山田圭吾と出会いなおすために。 コーネリアスの小山田圭吾が東京五輪開会式の楽曲担当であることが発表された途端、過去の障害者「いじめ」問題がSNSで炎上。 数日間で辞任を余儀なくされた。 これは誤情報を多く含み、社会全体に感染症のように広がる「インフォデミック」であった。 本書は当該の雑誌記事から小山田圭吾の「いじめ」がどのように生まれ、歪んだ形で伝わってきたのかを検証するジャーナリスティックな側面と、日本におけるいじめ言説を丁寧に分析するアカデミックな側面から、いまの情報流通様式が招く深刻な「災い」を考察する現代批評である。
  • 批評と生きること
    -
    1巻2,640円 (税込)
    ギリシア神話の九人のミューズ。それに続く十人目の詩神こそが「批評」。 「批評」と「生きること」の関係を再定義・再構築する試み。 デヴィッド・グレーバー/『鬼滅の刃』/小沢健二/『ゲーム・オブ・スローンズ』/ユク・ホイ/ブレイディみかこ/『ウォッチメン』/加藤周一/ボルタンスキー兄弟……アナキズムからケア、エンパシーまで、多彩な作家・作品世界を題材に、気鋭の批評家が描く「批評」の未来! 「批判または批評は、現在の生を押しつぶすのではなく、それが現に持っている力を正当に認めるとともにいっそう活性化させる方法」 思想、哲学、文学からドラマ、アニメまで、幅広いフィールドで言論活動を続けてきた著者の、初の本格評論集。デヴィッド・グレーバーの翻訳・紹介者として、加藤周一の研究者として、そしてポピュラーカルチャーの良き享受者としての活動の集大成にして、「批評と生きること」を再定義する野心的な試み。 "批評と生きること。本書を構成する、分量も分野もまちまちな多様な文章をまとめる作業のなかで、わたしは「批評」あるいは「批判」という行為そのものを主題化し、それと「生きること」――わたしたちがこの世界のなかで生を受け、生を保ち、さらには生きるに値する充実した経験を享受することといったすべての意味において――との関係をめぐる諸問題を、書物全体を緩やかに一貫する問いかけとして提示しようと考えました。"(「序に代えて」より)

ユーザーレビュー

  • 小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか 現代の災い「インフォデミック」を考える

    Posted by ブクログ

    小山田圭吾に対する批判が、雑誌を恣意的に切り抜いたブログに依拠してなされていた、という話をもう少し掘り下げて知りたくて読んでみました。
    ある意味当然ではあるのですが、恣意的な切り抜きかどうかは、結局のところ原典(音楽雑誌記事)に当たってみないと分からないところがあります。
    それでも、小山田圭吾が、発達障害的な同級生との間でそれなりに親しい交流があったことを踏まえると、本書の主張にも説得力があるように感じました。

    今後も同様の現象は起きると思いますが、情報源や原典に当たることの重要性は心に留めておきたいものです。

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    2024年10月26日
  • 小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか 現代の災い「インフォデミック」を考える

    Posted by ブクログ

    人文学者の手によるインフォデミック糾弾の書。僕は著者のような小山田圭吾の特別な信奉者というわけではないが、若い頃、パーフリから「Fantasma」まではそこそこ熱心な聞き手だったし、そこから20年以上も経たのちに持ち上がった件の「いじめ」報道と炎上騒ぎには心底辟易していた。ただ僕の抱いた疑念は著者のそれとは全く違い「なんであの小山田圭吾ともあろう者が『オリンピックの楽曲制作担当』などという名誉職を引き受けたのだろう?」というものだったけれど。念の為に申し添えれば僕はボランティアにも参加したオリンピック賛成派で、ただオリンピック自体は全く無害な催し(であり、それ以上のものではない)だがそれに付着

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    2024年02月17日
  • 小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか 現代の災い「インフォデミック」を考える

    Posted by ブクログ

    2021年夏からの無茶苦茶なメディア、無茶苦茶なネット空間を思いだしてしまいなかなか読み進めることができませんでした。
    この本には現代人として必要な知識が詰まっています。
    全宇宙読め!
    今までこの世になかったネット空間が日常となった現代、人類はまだまだこの技術についていくことができていないのだ。
    まずはインフォデミックという言葉を覚えることから始めましょう。
    将来、ネット空間を含めより良い世界になることを願います。

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    2023年06月23日
  • 小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか 現代の災い「インフォデミック」を考える

    Posted by ブクログ

    読んで良かったす
    偶然にも「なぜ働くと本が読めなくなるのか」を読んだあとだったのが良かった。
    読書にはノイズ(自分と関係がない情報)が含まれ、必要な情報に簡単にアクセスできる現代では避けられるようになった、というのが「なぜ働くと〜」の結論だった。
    本書は冒頭で「複雑なことを複雑なまま伝えることが必要」という言葉で始められ、これが読書だけが担える役割であって、現代のポストトゥルースの甘受、あるいは無意識的享受に対抗し得る手段であると思えた。
    本書で扱う問題は、ファクトチェックが進んだ現在でも、「シンプルに丸めて」理解しようとすればするほど氏にとって不利な材料が多い点が一層インフォデミックを加速し

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    2024年06月14日
  • 小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか 現代の災い「インフォデミック」を考える

    Posted by ブクログ

    当該インタビューをリアルタイムに読んだものとしては、あの騒動について全く理解し難いことだったのだけど、この書を始めとしてしっかりと総括されていることについて、非常に頼もしく思います。妙な憎しみで世の中が満たされているような感じがしているのですが、冷静に少しずつでも薄まっていけばよいな、と思います。

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    2023年04月29日

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