【感想】
業界トップの外資系企業・日本人社長のインタビュー集。
日経新聞でJ&Jの日色氏の記事を読んで深く感銘し、この方が執筆した書籍がないかと思ってこの本に至りました。
企業秘密だろうからさすがに詳細は書いていなかったが、どの社長も共通項があったような気がする。
当たり前だが、叩き上げで社長にな
...続きを読むるべくしてなられた方々ばかりだった、
この方々の共通項は、大きくこの3つだろう。
1.周りの情報に踊らされず、受身にならず、常に本質を見極めようとする。
2.課題を設け、その達成に重きを持ち、スピード感を持って実行に移す。
3.向上心と流動性を持って、柔軟に成長を遂げようとする。
何より、仕事に割く割合や気持ちが普通の人とは段違いなんだろう。
Work Life Balanceを考慮すると、これは中々マネをできるものではないなぁ・・・
ただ、仕事をする際に与えられた仕事のみに向き合って受身になるのではなく、
また自身の仕事のみを行なう狭い視野のみを深く知るのではなく
自身で課題を設けたり、物事を広く深く、且つ本質を捕らえようと考えて動くことはどの役職の人間にも求められる事だろうなと思う。
同じような人間になることはできないが、学んだり模倣するポイントは沢山あるなと読んでいて思いました。
ただ・・・面白かったけど、誤字脱字が合計3箇所ほどあったのが非常に気になった。
この手の書籍でそんなのは久しぶりに見たな。
まぁ、大筋には影響ないし台無しになったとは思わなかったが、それって本としてどうなの?と出版社には問いたい。笑
【この本から何を実践する?】
【内容まとめ】
1.常に本質を考えること。
2.向上心はmust。「明日の自分は今日よりも成長していたい」と思うことです。
3.スピード感に欠け、分析に時間をかけていると、市場は刻々と変化してしまう。
多少は見切り発車でも、手を打っていかないと遅れを取ってしまう。
4.1番大切なのはコミットメント!達成するというコミットメントを宣言する。
5.「本当にそうなのか。どうしてそうなのか。」常にこの2つを突き詰めていく。
6.自分の価値認識を持っている人は強い。思考する上でも強い。
改めてきちんと自分に向き合って、自分を理解しておくことが大切です。
【引用】
・思考力とは?
課題を設定し、ユニークな解を創り出し、実行する解を選び出す力。
自分がどうしたいかと、未来を考えること。
常に本質を考えること。
それプラス、直感や感覚にもウエイトを。
p2~
●ダイソン株式会社 麻野信弘
「いい意味で疑ってみる」
今の販売状況は本当にいいのか、届いた情報は正しいのか。
怪しいと感じたら自分で調べる。
p8
・世界の動きを知り、分析・検討する軸を持てないと、自分の意見を堂々と言えない
また現場を知ること。
p21
・問題解決思考のツールであるgrowモデル
目標設定と現実のギャップ、オプションも含めた行動案、そして意志。
何でも達成する意欲がないことには成すことはできない!
そして達成するための原因解明が大切!
p25
●メルセデスベンツ日本株式会社 上野金太郎
「自分の考えだけでは足りない。人に教えたり、教えてもらう。それが思考力を変えるんです。」
p38
みんなに頼られて、謝り方も断り方も上手で、物事をきちんと見ている。
そんな気持ちのいい人が出世していく。
●日本GE株式会社 熊谷昭彦
p59
アメリカ人になろうとせず、日本人として開き直った。そうしたら、うまく行き始めた。
自分は日本人なんだ。
自分のやり方でしか、自分にはできない。
それに徹していい。
アメリカにいるからといって、アメリカ人になろうと思っても不可能だし、かえって不自然になる。
それよりも、自然体で自分の持ち味を活かしてやった方が、結果的にはうまくいく!
p71
無理をしない。
他人の真似をしない。
どこに行っても自然体で自分を貫く。
相手によって態度を変えない。
ただし、ひとつだけ大事なことがある。
明日の自分は今日よりも成長していたい、と思うことです。
今の自分に満足して、もうこれでいいや、と諦めた時点で、人生はとても寂しいものになると思う。
●ネスレ日本株式会社 高岡浩三
「常に本質を考える」
物事を本質的に考えないと、回答できなくなってしまう。
常に本質を考えるというのが、私の思考力の定義です。
p87
「自分がひとつ上のポジションにいたらどうするか?」常に考えておけば、上司の問いにいつでも答えられる。
p94
・マネジメント→マーケティング
考える時間を増やすだけで思考力は高まる。
ホワイトカラーは実は考える仕事をしていない。やっているのは、ほとんど作業です。
考える時間を増やすだけで、思考力は雪だるま式に高まっていくし、引き出しも多くなると私は思っています。
1番大切なのはコミットメント!
この数字を達成するというコミットメントを宣言する。
やり抜くために、極限まで追い込まれた時に人は考えるようになる。
必要ならば、自分でそういう環境を作る事が大切!!
●レノボ・グループ 留目(トドメ)真伸
3社目、デル入社後、自信が崩れ去った。
デルのマーケティング戦略の中身を見て、この程度かとおもったが、自分が考えた戦略はことごとくうまくいかなかった…
スピード感がなかった。
分析に時間をかけていると、市場は刻々と変化してしまう。
多少は見切り発車でも、手を打っていかないと遅れを取ってしまう。
ロジカルシンキングや分析力が、ビジネススキルの頂点だと勘違いしていた。
それさえあれば何でもできると思っていたのに、全くそうではなかったと気づいた。
●ジョンソン・エンド・ジョンソン 日色保
・本当にそうなのか。どうしてそうなのか。
常にこの2つを突き詰めていく。
p147
何かを考えたり検討するにあたって、第一に様々な情報をインプットする。
現場に出て、営業に同行し、お客様からの話を聞き、競合の動向を探る。
そうやってインプットが増えてくるお、だんだん思考の解像度も上がってくる。
僕の場合は、不要なノイズかもしれないと思う情報も含めてインプットします。
とりあえず、頭に入れる。
思考を邪魔するのさ、実はノイズではないと思うからです。
p154
「俺は営業でこんなに実績を上げた」と威張ったところで、誰も相手にしてくれない。
過去にこだわらずに、新しいところに行ったら謙虚にゼロベースで学ぶことが大事。
p165
J&J=「我が信条(OUR CREDO」
「Do the right thing(正しい事をせよ)」
経営は後戻りできないし、後悔しても仕方がない。
考え抜いて決めたら、それをしっかり実行する。ダメだったらリカバリーする。
ヘッドとハートとガッツの3つが揃わないといけない。
●日本マイクロソフト 平野拓也
人は誰しも、過去からの延長線上で考えてしまう習性があります。
すると、何らかの前提に縛られ、どうしても守りに入ってしまう。
それを取り払わないと、本質は見えてきません。
過去の実績や経験、資産というものを、いかに捨てられるかが問われます。
どれだけオープンな姿勢で周囲の意見を聞いて、発想ができるか。
それができなければインサイト(洞察、本質につながる気づき)は得られません。
p176
転職してからも常に考えたのは、「自分のバリューはどこにあるのか?」ということ。
自分にしかできない仕事は何か、どこで発揮するのか。
無意識のうちにずっと探していた。
p181
自分の価値観をしっかり持っていたら、思考はブレなくなる。
だから、自分を理解することが大切です。
p188
この人が成功するために、私には何ができるのか?
個人のやる気と会社のベクトルが合えば、一生懸命頑張れるわけですから、戦略の話ばかりではなく個人の幸せを徹底して考えた。
p191
自分の価値認識を持っている人は強い。
思考する上でも強いです。
だから、改めてきちんと自分に向き合って、自分を理解しておくことが大切です。
●ボストンコンサルティング 御立 尚資(ミタチ タカシ)
・ビジネスパーソンに求められる思考力3つ
1.課題を設定する力
→自ら何を課題にするか、正しく設定すること。
2.ユニークな解を創り出す力
相手に勝つためのユニークな解を創り出さないといけない。
3.実行できる解を選び出す力。
結果を出すため、実行力に対する感性がないといけない。
p198
理論というのは、縦割りで体系づくられています。
でも、一分野だけに精通しても、本当の経営はできません。
重要なことは、多面的にものを見る事ができるかどうか。
そうやって「型」を覚えていく事です。
BCG入社後、御立氏は知識や技術を身につけるために、すべての物事を言語化していったという。
考えたり感じた事を書いて自分の外に出す事で、客観視して別の刺激も受けられる。
更に、物事を抽象化できるようになっていった。
常に考えていたのは、「その本質は何か?」という徹底的な問いだった。
p201
思考の基本といえる問題解決で言えば、正しい問いが設定できれば、解を得られる半分まで来たと言っても過言ではない。
ただし、難しい。
正しい問いを設定できるよう、徹底して取り組んだ方がいい。
お客様の多くも、課題があるという認識はあるが、課題が正しく設定できているとは限らない。
●スリーエム ジャパン株式会社 三村浩一
目的は何か、最終的な目標は何なのか?
常に自分に問いかけ、周りにも伝えていきながら、考え続けなければいけない。
p226
急成長している事業でも、いつなくなるか分からない。
次は何を売るか、常に考えている。
基本となるベースビジネスと、それ以外のビジネスとに分けて、ベースビジネスで稼ぎながら、それ以外のビジネスの足腰もしっかり固めていく。