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  • ネイティヴ・サン―アメリカの息子―(新潮文庫)
    4.6
    1巻1,210円 (税込)
    1930年代、大恐慌下のシカゴ。アフリカ系の貧しい青年ビッガー・トマスは、資本家令嬢で共産主義に傾倒する白人女性を誤って殺害してしまう。発覚を恐れて首を斬り、遺体を暖房炉に押し込んだその時、彼の運命が激しく変転する逃走劇が始まった――。現在まで続く人種差別を世界に告発しつつ、アフリカ系による小説を世界文学の域へと高らしめた20世紀アメリカ文学最大の問題作が待望の新訳。

ユーザーレビュー

  • ネイティヴ・サン―アメリカの息子―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    つらい。
    「黒人」と、差別され続ける人々の心のなかを垣間見せてもらったよう。
    起こしてしまった凶行だけど、根にあるのは白人社会への恐怖心。

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    2025年11月05日
  • ネイティヴ・サン―アメリカの息子―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    差別をしないということは、悪口を言わない・暴力市内・見下さないということだけではない。人種が違うだけで、同情したり、自分の人種以上に優しく接したり、申し訳ない気持ちになることもまた、差別の一種だと思っている。

    本書『ネイティブ・サン』では黒人の主人公ビッガーに対して、「仲良くなりたい」というスタンスで歩み寄ってきた2人の人物、ジャンとメアリーがいた。

    ジャンは白人がこれまで黒人にやってきた歴史を申し訳ないと言い、黒人であるビッガーを特別扱いしようとしていた。日本人の我々にも、たくさん他国に迷惑をかけた歴史があるが、それは現在の我々のやったことではない。これに対して、私は申し訳なく思ったり、

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    2024年09月06日
  • ネイティヴ・サン―アメリカの息子―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    (1940年発表)
    読書会に参加しました。
    みなさまありがとうございました。


    アメリカ全土で黒人差別が当然だった1930年代のシカゴ。
    黒人青年のビッガーは仕事もなく、仲間とたむろいながら窃盗や強盗をしていた。盗みの対象は黒人の店ばかり。黒人同士の事件は警察はまともに扱わないからだ。
    そんな日々を送るビッガーだが、皮肉な巡り合わせが重なり人を殺してしまう。

    この殺人に至るまでに、当時のアメリカの差別社会、ビッガーの性質、そして被害者側の軽々しさが書かれていく。
    当時のアメリカで差別されていたのは黒人だけではなく、共産主義者、ユダヤ人達も対象だった。
    一見黒人に理解を示す白人もいる。資産家

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    2023年06月22日
  • ネイティヴ・サン―アメリカの息子―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    以前、気になったことがあって、読まねばならぬと自分なりにリストアップしていた。

    今回、手に取ったのは、検閲で削除された数か所が原作のまま、翻訳されての発刊。
    その個所を気になって読むと、やはり・・というか、性的描写の生々しさを感じさせ、それに人種的なニュアンスが影響している個所であった。

    ガーディアン誌が選ぶ「読んでおくべき本」にリストアップされている。
    そもそも、この選書に従う気持ちがないあまのじゃくの私・・一層、読んだ上でのやりきれない感情が一層ネガティブのベクトルに傾いた。
    構成は心理的描写(白人、アカ、黒人それぞれにおいて)がこれでもかというほどに、生々しく綴られ、幾度、読むのを投

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    2023年06月14日
  • ネイティヴ・サン―アメリカの息子―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    とにかく読んでて苦しい。
    救いようのない話で、いまだにアメリカ社会では続いていることが怖すぎるし、それだけ根深いんだなと思う。
    アメリカ文学といわれる類の、社会の闇や事実を容赦なくぶつけてくるところ。もっと読んで知りたいと思う反面、読んでいる最中から、もうやめたい、しばらく読みたくないと思ってしまう。
    生身の人間が一番恐ろしいということ

    0
    2023年04月03日

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