作品一覧

  • 僕は美しいひとを食べた
    3.8
    1巻2,310円 (税込)
    人を喰うことは、常に神を喰うこと  私たちは神への深き愛ゆえに、神との融合を求めて聖餐を催し、その血肉に見立てたパンと葡萄酒を体内に取り込んで恍惚とする。だとすれば、兄弟たる人間へのフィリアゆえにその肉体を貪る行為も、貴き愛と呼べるだろう......  なぜ男は「美しいひと」を食べたのか。全篇にちりばめられた、古今東西の食人にまつわる膨大な逸話の引用から浮かび上がる、「真実の愛の行為」としての食人の姿とは。この、妖しい輝きを発する告白体の小説こそ、カニバリズム文学のイデアへの最接近を果たした奇書と呼んでも過言ではない。
  • 教皇ハドリアヌス七世
    5.0
    1巻4,356円 (税込)
    「まぎれもない世紀末文学者の一人であろう。」澁澤龍彦 「文学の森には驚くほど美しい宝石が隠れている。」河村錠一郎 冴えない元聖職者志望が、突然「ローマ教皇」に――!? 屋根裏部屋で一匹の猫と暮らす中年作家ジョージ。聖職者を志すも夢破れた彼のもとに、ある日突然、枢機卿が訪れる。「あなたが教会での将来を断たれたのは誤りでした。」念願の神父となったジョージが、観光気分で教会選挙に沸くローマへ行くと、知らぬ間に教皇に選出されていた! 「ハドリアヌス七世」を自称したジョージは、型破りな〈宗教改革〉に乗り出し、謀略渦巻く教皇庁に大波乱を巻き起こす――! 澁澤龍彦も注目した、異形の英国世紀末作家による〈伝説的奇書〉にして破天荒な〈自伝的幻想小説〉が、遂に邦訳!!! ★栞エッセイ=河村錠一郎 ・澁澤龍彦、生田耕作、丸谷才一、D・H・ロレンス、グレアム・グリーンらが注目・絶賛した「異形の英国世紀末作家」の代表作。 ・河村錠一郎氏の紹介により、文学の「裏街道」読者に邦訳が待望されていた「幻の奇書」。 ・造語や古語を鏤めた革新的で実験的な文学的手法を駆使した、英国モダニズム文学の正統な「古典的名著」。 ・聖職者を志すも挫折した作家の男が書いた「作家が教皇に成り上がる物語」。いわば「100年前のなろう小説」。 ・英ガーディアン紙「最高の英語小説100冊」選出。 ・英国の名門ペーパーバック「ペンギン・クラシックス」所収。

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ユーザーレビュー

  • 教皇ハドリアヌス七世

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今年の翻訳大賞はこれで決まりだ。もう何年も前に『コルヴォー男爵を探して』(A・J・Aシモンズ、河村錠一郎訳)を読み、「これが今まで本邦初訳であったのがちょっと信じられない。稀覯本に限らず、奇書、珍書に目がない読者なら何を措いても読まねばならない一冊」と書いたことがある。そのコルヴォー男爵こと、フレデリック・ロルフの代表作『教皇ハドリアヌス七世』の本邦初訳である。

    待つこと久し。待ちわび、待ちあぐね、ついには老齢のせいもあって、待っていたことさえ忘れ果ててしまった今ごろになって訳出されるとは。生きていてよかった、というと大げさに過ぎるが、期待を裏切らない出来映えである。ギリシャ語、ラテン語はお

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    2023年11月01日
  • 僕は美しいひとを食べた

    Posted by ブクログ

    主人公が愛人の女と共に過ごし、女は彼に自分を食べてほしいと頼み自殺する。そして主人公は約束通り彼女を食べる。
    話としては単純なのだが、これが枠物語になっていて主人公が彼女に世界各地の食人話を語るという構成になっている。

    解説にかなり大量のページが割かれていて、作者の生い立ちやなぜこの本を書いたのかという動機にまで深く考察されているので、読み応え抜群である。

    0
    2024年07月05日
  • 僕は美しいひとを食べた

    Posted by ブクログ

    西洋人と東洋人のあいだに生まれた「僕」と、西洋人でありながら中国で生まれ育ったイザベルは惹かれあい、夜ごとに古今東西の食人文化を語り明かした。ウィットに富んだカニバリズム薀蓄トークの果てに、イザベルと「僕」が選んだ愛のかたちとは。


    イザベルの死の謎にまつわる導入をササッと終えたあと、澁澤の手帖シリーズかと思うくらい、おもしろカニバリズムエピソードが上流階級の男女の小気味いい寝物語というテイで延々と続く。原題は「僕は白い中国人を食べた」だったといい、「白い中国人」とは中国育ちの白人であるイザベルを指すのだが、恋愛(不倫)関係以上にこの周縁的アイデンティティによって語り手とイザベルが強く結びつ

    0
    2023年10月28日
  • 僕は美しいひとを食べた

    Posted by ブクログ

    タイトルと装丁に惹かれて読破しました!「食べてしまいたいほど好き」をこれまでに体現している本は今まで読んだことがなくとても新鮮な気分でした。
    ただドラマパートが思ったより少なかったのが...

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    2023年10月06日
  • 僕は美しいひとを食べた

    Posted by ブクログ

    徹頭徹尾、食人の話と言う点で好き嫌いが分かれるとおもいます。
    グロテスクの中にエロティシズムがり、奇書の名にふさわしい一冊です。

    驚いたのは著者が、あのクーデンホーフ光子の長男だと言うことでしょうか。

    0
    2023年05月10日

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