天龍源一郎が語る、昭和・平成プロレス史的な一冊。40代後半~50代のプロレスファンとっては、記憶に残るシーンも多いことだろう。
「そうそう」と古い記憶をたどりながら、楽しく読んだのだが、意外だった記述がいくつかあった。
一つは、晩年のジャンボ鶴田と天龍の交流が続いていたこと。三沢光晴が全日本プロ
...続きを読むレスの社長に就いたとき、〈彼に電話したことがあって、「なんでジャンボが社長じゃ なかったんだよ」って聞いてみたんだ〉という。
もう一つは、ノアのリングで行われた三沢vs.天龍の一戦。個人的には、それなりにスイングした良い試合だった印象なのだが、当事者である天龍は違ったようだ。〈正直言えば、あの時三沢とシングルができてよかったという感慨はまったくなかった。(中略)アイツにとっても越えなきゃ いけない相手を一つ越えたというだけの試合だったんじゃないだろうか〉とか。鬼籍に入った三沢の意見も聞いてみたかった。
日頃、ブルーザー・ブロディを説明する際に、「オリジナルの必殺技を開発していない稀有なスターレスラー」と言っていたのだが、天龍はハンセンを〈間がないプロレスでトップを取った稀有なレスラー〉と評していた。若いプロレスファンと話すときに使わせてもらおう。。。