作品一覧

  • 多様で複雑な世界を、いまどう描くか  12人のマンガ家・イラストレーターの表現と思索の記録
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    1巻2,420円 (税込)
    みんなで考えたい 変わり続ける世界と表現のこと 近年、当事者や支援者、また研究者などの長年の働きかけによって、人間の多様な在り方、社会に根づく差別や偏見、不均衡な社会構造がより明らかになり、「ポリティカル・コレクトネス」、「DEI」、「多様性」といった言葉や、そのような視点を反映した表現に触れる機会も増えました。これらは公正で平等な社会を目指す重要な取り組みであると同時に、自分自身をも顧みなければならない側面があります。自分の表現が、あるいは自分が受け取ってきた表現が、誰かを、もしかすると自分すらも傷つけてきたのではないか? そうした問いに向き合うことは、時に痛みや葛藤、戸惑いを伴う複雑な体験です。 そんな現在の状況を背景に、本書では「人」と「世界」、そして「表現」に向き合い、制作を続ける12人のマンガ家・イラストレーターの方々に、制作のモチベーションや葛藤、日々考えていること、過去と現在における変化などを訊ねたインタビューと共に、皆さんがこれまでに制作された作品の一部をご紹介します。 さらに、「人物表象」、「障害者とその生」、「ジェンダー平等とフェミニズム」、「人種的・民族的マイノリティの現実」、「LGBTQ+とロールモデル」、「ルッキズム」という6つのテーマをピックアップし、各分野の識者の方々に「考えを深めるヒント」となる書籍やZINE、映画をご紹介いただく特別寄稿「人と世界、表現をもっと知るためのヒント」も収録しました。変わり続ける世界の中で、「表現」について改めて考えてみたり、新たな対話のきっかけになったりする、そんな1冊です。 作品紹介+インタビュー:スケラッコ/増村十七/北村みなみ/谷口菜津子/サイトウユウスケ/ながしまひろみ/木内達朗/はらだ有彩/大白小蟹/とあるアラ子/新地健郎/やまじえびね 巻末特集「人と世界、表現をもっと知るためのヒント」:山本美希/荒井裕樹/野中モモ/下地 ローレンス吉孝/潟見陽/長田杏奈

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  • うみべのストーブ 大白小蟹短編集
    完結
    4.3
    全1巻880円 (税込)
    俵 万智 「小蟹さんの澄んだ心の目。そのまなざしを借りて私たちは、忘れそうなほど小さくて、でもとても大切な何かを見つめなおす。たしかに降ってきたけれど、とっておけない雪のように。」 雪のように静か。冬の朝のように新鮮。 自分の気持ちに触れることができるのは、こんな時かもしれない。 [収録作品] ●「うみべのストーブ」 運命のように出会ったえっちゃんとスミオにも、ある日訪れた別れ。傷心のスミオを海に連れ出したのは、隣で彼を見守り続けていたストーブだった…。 「ふたりが…お互いに、好きだったこと 私はちゃんと覚えてる 何度だって思い出すよ」 連載時のカラーを再現し、2色刷で収録。 ●「雪子の夏」 トラックドライバーの千夏が雪の日に出会った、雪女の雪子。夏のあいだは消えてしまうという雪子に夏を見せてあげたい。忘れられない夏の物語。 「誰もあたしのことを 思い出してくれなくなったら こんなぼんやりしたまま 永遠に消えちゃうの?」 ●「きみが透明になる前に」 ある日事故で透明になってしまった夫。彼の姿が見えないことにほっとしている自分はもう、彼を愛していないのだろうか…。見えないものに触れる、夫婦の絆のかたち。 「ねえ泉 ありがとう 僕を見つけてくれて」 ●「雪を抱く」 パートナーとの間の妊娠を知り、複雑な気持ちの若葉。大雪で家に帰れなくなったある日、偶然出会ったコウコと朝までの時間を過ごす。女性の身体をめぐる物語。 「わたしの身体が わたしひとりだけのものだったことなど 一度でもあっただろうか」 ●「海の底から」 仕事で忙しい毎日を送る深谷桃は、かつてのように小説を書くことができない。いまの自分はまるで海の底から上を見上げているようで…。創作に向き合うことができないでいる生活者の苦悩の物語。 「悔しい 書かなくても幸せでいられるのが」 ●「雪の街」 はなれていた親友の突然の死をきっかけに訪れた、昔住んでいた町。思い出のファミレスで出会った森田という男と、死んでしまったスーちゃんのことを思い出しながら、雪道を歩いていく。 夜の黒さと雪の白さは、彼らの弔いを静かに描き出す。 「鈴木さんがどこかで 元気でいてくれるといいなって ずっと思ってました」 ●「たいせつなしごと」 単調な仕事に明け暮れる毎日のなかで、いつのまにか自分の心は動かなくなっていた。いつかどこかのゲートが開いて、別の世界へ行けたなら…。暮らしのなかにある光を見つける小さな物語。

ユーザーレビュー

  • うみべのストーブ 大白小蟹短編集

    Posted by ブクログ

    心が温かくなって、読後に訳も分からず涙がじんわり出てきました。
    寒々とした日常の中で、温かい世界が散らばっていることを再確認することができた安堵の涙かなと、あとから思いました。

    君が透明になる前に、が一番好きです

    0
    2025年10月02日
  • うみべのストーブ 大白小蟹短編集

    Posted by ブクログ

    現実と架空の事柄が混じり合って、こんなにも温かで穏やかな気持ちになれる漫画があると思わなかった。手元に残して心が寂しくなった時に開きたい。

    0
    2025年09月21日
  • うみべのストーブ 大白小蟹短編集

    Posted by ブクログ

    たまたま手にとって空気感が好きで一気に読んだ。

    途中に話に関連した短歌が挟まれている。
    漫画と一緒に読むとより味わい深くて好き。

    0
    2025年09月14日
  • うみべのストーブ 大白小蟹短編集

    Posted by ブクログ

    とても優しくて、現実と混ざり合う世界観が素敵だった。ずっと見ていたい、心地よい空気がある。銭湯に行きたくなった!

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    2025年09月01日
  • うみべのストーブ 大白小蟹短編集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    NHKのtoi-toiという番組で、「戦争のこと、どう語ればいいんだろう?」という回があり、その中で出演者の対談相手に選ばれていたので知り、手に取りました。
    沁みる〜〜〜〜!!!
    『太郎とTARO』の方も読みたいんだ…

    短編集で、どれも沁みた…

    うみべのストーブ:どこにでもあるようなカップルの別れ話。時間は過ぎ去り、関係性が終わることは悲しいけれど、よくあり・仕方がないことで、それに対しての哀惜を丁寧に拾い上げたような

    雪子の夏:雪女の雪子と過ごす夏。「本体行くぞ」「行くぞ」のシーン、可愛くて好きだった。雪女という設定だけれど、誰にでもある、自分が自分として生まれたことを心の底からよかっ

    0
    2025年08月24日

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