セックスロボット、人造肉、人工子宮、自殺装置についての最新テクノロジーを追った四章。
著者の考えはともかく、いろいろなテクノロジーが紹介されていておもしろかった。
著者はなぜかどれに対しても批判的。
もしかしたら問題点を見つけるために、あえて否定的な目でみてるのか?
そのせいでどのインタビューも開発
...続きを読む者やその技術を求める人に寄り添う気持ちがみえなくて、発言が失礼。
セックスロボット:著者(女性)の偏見がすごい。
心を通わせて肌に触れ合うことが最上の幸福だと断言する。
モフモフとかもいいと思うのに、なんで自分の性癖を全ての人に共通すると思っているのか…。
ロボットを恋人にしようとする人は女性をモノ化してコントロールしようとしていると言うけれど、本物の女性をそんなふうに扱えないからロボットを求めるんだし、男性型ロボットもあるし、女性型が圧倒的に多いのは裸体画も女性を描いたものが圧倒的に多いように女性の体の方が審美的に見て美しいからだと思う。
フェミニズムの問題にするのはどうかと思う。
人造肉:牛肉をつくる際の非効率性がすごすぎて、もう肉食に未来はないと絶望的な気持ちになった…。
ここには出てきてないけど、昆虫食が推奨されるのも仕方ないのか…。
とにかく地球がヤバイ…
人工子宮:フェミニストっぽい著者なので女性が妊娠出産から解放されるこのテクノロジーには一番理解を示していた。
もともとの目的としては、早産で子宮にとどまっていられなかった胎児をバイオバッグで胎内と同じ状態に保って育てることらしい。
中絶できる期間というのは生まれても生存不可能な週数で決められているので、バイオバッグができれば妊娠をやめることと胎児を殺すことを分離することになる、というのが確かにいろんな問題に波及しそう。
あと、生活態度などに問題のある妊婦から胎児をとりあげる動きが進むはずだという意見もおもしろかった。
もしもバイオバッグによって女性が胎児を育てなくてもよくなれば、社会、というか人の在り方は完全に変わってしまうだろう。
妊娠出産を経験しなくてよくなったら、生理は完全に不要なものになってしまう。そしたら、あんな不快なものを約40年も毎月我慢し続けるなんてありえないから、生理がこないように薬を飲み続けるか子宮を取るかすることになるだろう。それって、めちゃくちゃ負担が大きい。女性=はずれクジってなってしまうかも…。
自殺装置:著者は安楽死には反対っぽい。
死ぬことより、その辛さのもととなる、例えば世話をしてもらって人に迷惑をかけることへの苦痛、などについて考えるべきだという。
こういうことを言うのは、生きてるだけで素晴らしいと思ってる人で、そもそも生きることに価値を感じない人だっているのに。