作品一覧

  • くらやみの速さはどれくらい

    くらやみの速さはどれくらい

    小説・文芸

    4.3
    1巻1,320円 (税込)
    〔ネビュラ賞受賞〕近未来、治療可能になった自閉症の最後の世代であるルウは製薬会社に勤務しフェンシングを趣味に、自分なりに充実した日々を送っていた……ある日上司から、新治療の実験台になるよう迫られるまでは。主人公の繊細な視点が感動を呼ぶ“二十一世紀版『アルジャーノンに花束を』”
  • 栄光への飛翔

    栄光への飛翔

    小説・文芸

    3.0
    1~3巻1,078~1,100円 (税込)
    「きみは士官学校の恥だ」と校長。「1500時までに退学届けを提出したまえ」そんな、あたしはただ親切心から下級生の頼みを聞いただけなのに! お人好しな性格があだとなり、事件に巻きこまれて士官学校を退学になったカイ・ヴァッタは、傷心を抱えて故郷へと戻った。そんな娘に、航宙会社を経営する父はおんぼろ貨物船の船長を命じる――ベテランクルーにかこまれ、辺境星域に貨物を運ぶ簡単で安全な仕事のはずだったが!?

ユーザーレビュー

  • くらやみの速さはどれくらい

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    幼少時の治療で自閉症の完治が実現した未来で、主人公のルウはその治療が間に合わなかった世代。独自のこだわりがあったり、意思疎通の汲み取りや咄嗟の対応ができなかったりしつつ、大手企業で特性を活かして仕事をし、一人暮らしをし、自活している。
    会社の外でも、フェンシングクラブに参加し、女性に好意を抱いたり・・言葉が適切かわかりかねるが、普通の人間とはそうは変わらない生活を送っているように思える描写もある。
    一方で、差別的な目線を向けられたり(ルウ本人はその点には気が付かなかったりする)、普通の人間とは違う視点を持ってしまう認識がある描写も。

    あることから、大人であっても自閉症が完治する新治療の治験があることを知る。ルウは今のままでも困っていない、万が一今の自分の記憶がなくなったら?好みが違ってしまったら?など、当初は前向きでは無い。

    新治療や脳の仕組みのことを調べるうちに、学ぶことや自分が変わることに楽しさを見出す。そして、もっと学びたい、好きな女性に好意を伝えられるようになりたいという思いで治験への参加を決める。結果は成功で、一時的に幼児程度の知能に戻ったものの、博士号を取り、宇宙飛行士になるまでにもなる。
    だけど、その女性のことを好きだった記憶はあるが、今の(普通になった)ルウはもう好意を持っていなかった。でもそこに対して、今のルウは悲しいともなんとも思わない。それはそうだ、自分が好意を抱いていたわけじゃ無いんだから。

    苦手なことができるようになり、学びたいことを学んで、社会的な地位も上がった今のルウは、一方で昔のルウの感じ方や気持ちは忘れてしまう…というか、感じ方が変わってしまったのかな。
    とても良い本だった。

    0
    2026年03月15日
  • くらやみの速さはどれくらい

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルに惹かれて読んでみた。
    原題の"THE SPEED OF DARK"を『くらやみの速さをどれくらい』と訳したセンスが素晴らしい。

    ルウ目線の文章と健常者目線の文章がはっきりと違いが分かるように訳されていてすごい。文が破綻している訳でもないのに、これは"普通"の人が書いたものではないなと分かる。
    書いていることの中身が違うというのはもちろんあるが、前後の文のつながりが薄かったり、短文が多かったりと"普通"の人と文章構成が全然違って、とても読みづらかった。

    読みづらかったがこういう風に考えている人も社会にはいるんだろうなあという想像が広がったので、よい読書体験だったなあと思う。
    後半はすっかりトムに感情移入してしまって、悲しさを覚えながら読んだ。

    0
    2025年10月26日
  • くらやみの速さはどれくらい

    Posted by ブクログ

    タイトルも著者名も美しいネビュラ賞受賞作。裏表紙に「21世紀版『アルジャーノンに花束を』」とありますが、なるほど同じ訳者なんですね。

    自閉症の療法が飛躍的に進化した近未来。治療の適齢を過ぎた最後の世代であるルウは、製薬会社に勤めていて、クラシックを聴いたり、仲間とフェンシングをするなど、充実した日々を送っていました。そんなある日、会社に新任の上司が着任し、ルウたち自閉症者を集めたセクションに、解雇をちらつかせながら、自閉症治療の実験台になることを迫られます。ルウは、ノーマルな人たちが普通に感じ取れる微妙なニュアンスや、他人の表情や仕草から感情を読み取れないことを気に病んでいました。それでもフェンシングは楽しいし、好きな女性がいるなど、今の自分を変える必要があるのか、ルウの視点から語られます…。

    自分は、自閉症の人の内面は、この小説で語られる内容でしかわからないですが、ルウの視点から語られる内容はとても考えさせられました。しかし、逆にノーマルの世界も、あまり褒められたものではないことに気付かされて、少し複雑な気もしました。特に嫉妬の感情とか。ルウの車に対するイタズラなどは、ちょっとした犯人探しになっていますが、ルウの思考がとても興味深かくて好きですね。

    あと、ラストについては、自分はこれで良かったと思いました。

    他に印象深かったシーンの覚え書き。
    P271-275の自分は何物なのかということについて、脳の働きを学ぶ決意をするところ。
    P471-473の心の葛藤。
    P538-542での実験に対する決意と友への心情の吐露。

    追記:
    クラシックでバッハやマーラー、パガニーニやショパンなどが出てきますが、登場人物でジャニスとヘンドリックス博士の名前が面白いです。ロックのジャニス・ジョプリンとジミ・ヘンドリックスから名付けたんでしょうね。著者も好きなのかもしれない。

    正誤 (2刷)
    P492の14行目:
    それがだれの声がわからなかった。
    ↓
    それがだれの声かわからなかった。

    0
    2024年06月17日
  • くらやみの速さはどれくらい

    Posted by ブクログ

    自閉症の男性が主人公。自閉症とは言え、自分に合った職業があり、フェンシングの趣味ももち、それなりに満たされた暮らしをしている。
    彼の一人称で話が進む。彼が音楽を理解して感じるやり方や、他の内面世界は、一般的な自閉症者のイメージと違ってとても豊か。感情的には落ち着いていて、合理的で美学も感じるような世界観。それに加えて数学の才能も天才的。
    だが、新しい上司が彼ら自閉症の従業員を自閉症治療の治験者にしようと圧力をかけてくる。
    趣味のフェンシングサークルでの人間関係のいざこざもあり、その治験を受けることを決める。リスクを感じつつも決断する、その葛藤、筋道の付け方がしっかりしている。
    結果的に、治療は成功して、彼は元々持っていた宇宙工学への夢を叶える。失ってしまった元の自分と、新しく生まれた自分、それが統合されて、最後は感動的。
    自閉症だった彼も、そうではなくなった彼も魅力的で、その二つの立場から世界を見る面白さがある。変化に立ち向かう勇気と未来への希望に満ちている(作中には治療に失敗した同僚の存在も窺わせるものの、詳細はなく、勇気を出して治療してよかった、という印象)

    0
    2023年10月22日
  • くらやみの速さはどれくらい

    Posted by ブクログ

    随分前に時間を掛けて読んだ
    主人公の性格が好きだった
    ラストもかなり好みだった
    物凄く読むのに体力が必要だったがまた読み返したい

    0
    2023年06月18日

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