私は北海道に住んでいるので家の中はおろか屋外でもゴキブリというものをみたことがありませんでした。
家に入ってくる害虫で困るものといえばコバエ。
この本は「ゴキブリ嫌いだったけど、ゴキブリ研究はじめました」というタイトルに
実は私もコバエが嫌いだったけど、どこから来るのか?どうして増えるのか?そもそも
...続きを読むどんな生き物なのか?調べていくうちに好きになってしまったことがあり
違う生き物ではあるけれど、良い発見がありそう!と思って読んでみました。
この本の中で一番興味深かったのはゴキブリの生態よりも、chapter6〜7の新種を見つけてからどのように論文ができあがっていくのかという部分。
仕事といいつつ趣味の気持ちも有りで挑んだ採集出張からまさかの新種発見で
大学を出た研究者でもない、英語も苦手な研究初心者の状態からいかにして論文を作り新種登録をするか。
たくさんの人の協力のもと、一つの論文、新たなゴキブリが生まれるストーリーには心打たれました。
論文が掲載される!となったときにはウルッと来てしまいました(まさかゴキブリ本で感動するとは…)
新種を見つけたからと言って、自分の名前を入れよう!と思わないところが生き物と分布している土地への敬意を感じました笑
実際論文がどのように構成されているのか、どんな方法で研究していったのか
素人にも分かりやすい文章になっているので読みやすかったです。
好きこそものの上手なれ、興味のあることを熱心に研究し続ければ成せないことはない。
大きな発見はできないかもしれないけれど、私も諦めず好きなものを追い続けていこうと思えました。
ゴキブリ嫌いでもいい。生き物や研究に興味のある方は読んでみて損はないと思います。