中世後期の旅行案内書と旅人たちの手記を基にした
トラベルガイド。中世ヨーロッパ人が知っていた
世界各地での経験と虚実を詳しく紹介する。
本書関連地図 ヨーロッパ・地中海・アジア
・はじめに
1 1491年の世界の形、
あるいはマルティン・べハイムを巡る序文
2 ベアトリス、ヘンリー、トマスの旅の出発点
3 アーヘンからボルツァーノへ
4 ヴェネツィア滞在、そしてローマへ
5 大海を渡って―ヴェネツィアからキプロス島へ
6 コンスタンティノープル街歩き
7 聖地からバビロンへ 8 イェルサレム街歩き
9 エチオピアに寄り道 10 シルクロードにて
11 ペルシャからインドへ
12 すべての道は大都に通じる 13 西を訪ねて
14 駆け足で巡る対蹠地、そして世界の果て
15 終章―旅の終わり
・謝辞 ・挿絵に関する注、引用に関する注、
参考資料およびさらなる情報、人名録および出典、
一般索引、地名索引有り。
それは、事実に虚実、更に幻想が入り乱れる旅。
その目的は、信仰、商売、外交、知の探求。
アルプスを越え、旅行行政と旅行産業で栄える
ヴェネツィアに滞在し、買い物に勤しむ。更にローマ。
ヴェネツィアからの船旅の過酷さとイスラムの脅威。
シナイ沙漠を渡って赴く周辺の聖地は、天国か?地獄か?
最終目的のイェルサレムは異なる宗教の聖地でもあること。
また、コンスタンティノープルやカイロに旅した
キリスト教徒である中世ヨーロッパ人が見た、異景。
プレスター・ジョンの国の伝聞に惑わされる人々と
その国だとされたエチオピアの幻想と真実。
商人用の旅行案内書が存在していたシルクロード。
ペルシャのホルムズから船で赴く、驚異のインド。
インド洋の島々とコヤス貝の通貨。
カラコルムのモンゴル宮廷での戴冠式。
元朝のハンバリク(北京)の驚嘆するフビライ・ハーンの
宮殿とマルコ・ポーロが聞いた日本との弘安の役の話。
逆に、西へも航海した鄭和の通訳・馬歓による旅行記や
イスタンブールから見た西ヨーロッパについて。
モンゴル使節の一人によるヨーロッパ旅行記もある。
そして、対蹠地(世界の裏側)に世界の果て。
その探索は次の時代への希望へ。
旅装や旅の必需品、旅立ちに必要な手続きと許可証、
必要なのは紹介状に為替手形、安導券など。もちろん旅費も。
宿、食事などについても記述があって興味深かったです。
また、プレスター・ジョンの国の伝聞、ハイタカ城、
「山の長老」の偽楽園やゴグとマゴク、若さの泉などの
伝承の幻惑も盛り込まれています。
十字軍遺構の廃墟やイェルサレムの聖墳墓など
現在では見られない、当時の風景もあちこちに。
旅の記念品の中でも貴重なのが巡礼記念バッジというのが、
なんだか微笑ましいなぁ。入手するまでが大変だけどね。