マッピング思考
人には見えていないことが見えてくる「メタ論理トレーニング」
著:ジュリア・ガレフ
訳:児島 修
マッピング思考とは、地図をえがくように、俯瞰的にとらえようする考え方とある
海図なき航海、青写真、鳥の眼、大局観、全体図、メタ思考、等々、視野を大きくとって全体を把握せよです。
そして、考え方の前提 人は自分の欠点やミスを認めることが恐ろしく下手
本書の目的は、自分の内面に向き合って行動し、それが、うまくいくときに何が起きているか、そして、その成功から何を学べるか
ようは、「事実を確認しながら自分で地図をつくって、先入観なしに眺めて、変なところを人から言われる前に自分で気づいて、直そう」が
主張だとおもっています。
気になっているのは、以下です。
■マッピング思考
マッピング思考の3つのポイント
①自己都合で世界をみるな
②物事をクリアに見る具体的な手法を実践する
③前向きな、心の安定を手に入れる
⇒ これまでとは違う視点で物事を考える
人間とは、見たいもの(だけ)を見て、信じたいもの(だけ)を信じる生きもの。
人は、他人の行動には敏感であるが、自分の行動には、なかなか気がつけない
リスクの取り方
①兵士の行動 敵を片っ端からつぶしていく
②偵察者の行動 戦場の地図をつくるように、全体を見てから、戦いの駒を進める
何があるのかを正確に突き止めることを第一とする
自分の考えの正しさを脅かす事実、などない
古い地図を新しい事実で修正する、自分が描いた地図が間違っている可能性も忘れず、考えを改めることもいとわない
■真実を見抜く
ほんとうだろうかと疑う
問題を解決する
チャンスに気が付く
取る価値のあるリスクを見極める
自分にあった人生の筋道を探る
わたしが間違っていました
悪影響は遅れて生じ、かつ予測できない という事実を重視する
偵察者の視点
・解決する価値があるのか
・どのようなリスクであれば、取る価値はあるのか
・どのように目的を追求するのか
・誰を信頼するのか
・判断力を向上させるにはどうすればいいのか
■思考の地図
自分は客観的だという過信を捨てる
何を言うか、より、何をしているか
①相手の方がただしい
②批判を素直に受け止める
③自分の間違いを証明する
④情報が偏らないように工夫する
⑤正当な批判を認める
■メタ思考
一方しか確認ができない
思考を反転させてみる、相手の立場から改めて判断する
他人だったらどう判断するか
同調していないか。相手が意見をかえたら自分もそう思えるか
感情的になっていないか
現状を守ろうとしていないか
⇒動機が変われば考え方もかわる
⇒直感とは自分に都合のいい、偶然の産物
■最適解
・自分が正しいという過信
・不確かさを、数値化できるか
・取締役会 真実が重要、判断はかけ
広報担当 メッセージを発信することが重要、主張である
・人間の考えは、絶対的なものではなく、あいまいである
■危機
・動機のある推論に頼ると、判断力はにぶってしまう
・現実をゆがめず、絶望を押さえる方法をみつけること
・ネガティブな感情を抑えるには、ストレスへ意図的に対処する
・判断の精度をおとさないように、慎重に対処策を選択する
対応スキル
①計画を立てる
②得たものに目をむける
③目標を切り替える
④現実はもっと悪くなっていたかもしれないと考える
勇気と情熱だけでは成功できない
リスクに見合うべき価値があるかを考える
選択がないのではなく、ある選択をなんども軌道修正しながら進む
成功すると思っているから実行するのではなく、実施する価値があるから実行する
成功してもしなくても、自分は賢い賭けをしている
■誠実
・知的に誠実であるほど、あらゆることに確信を持つのは不可能となる
・言い方、断定すると人に嫌われる
・言い方、優しい言葉で、意見を言えば、相手に受け入れてもらいやすい
・安心を与える言い方(不確実性があれば丁寧に説明する)、不信を与える言い方(知識の不確かさ、判断ができない)
①確実なことが言えない理由を伝える
②根拠となる数字を示す
③手厚くフォローする
・成功する道はいくつも存在する
■正しく間違える
・偶然よりちょっとだけましな結果しかだせない(次の予測を行う)
・数字を日々修正する
・考え方を少しづつかえる
・はずれを喜ぶ
・データーを積み上げ、全般的な判断力を高める
・考え方:間違いを認めるのではなく、アップデートとする(よりよいものに変えていく
■もれ、穴を埋める
・新事実を見出したら、即メモをとる
・人の行動を正確に予想しようとすれば、期待に反する行動をとったときは、無視してはいけない
⇒何が足りなかったのか、どうしてそのような行動をとるのか と真剣に考えなければならない
・混乱、なにかを見落としている感覚。その混乱を手掛かりとする
・なにかがおかしいという気づきを拾え
■考えを変える
・自分と正反対の人の意見を聞く
・耳を傾けるべき相手をどう選ぶかによって結果が変わる
・何を聞くかではなく、誰から聞くか
⇒たとえ意見があわなくても、好感をもてて、尊敬できる人から聞く
・相手とのあいだに共通点をみつける
⇒なにが一緒で、なにが違うのか
・自分ではなく、相手がつかっている言葉、用語で、自分の説を語る
・例え世界観が大きくちがっていても、ともに意義のある目標をめざしている仲間としてリスペクトする
■こだわりを捨てる
・人にレッテルを張るほど、愚かになる
・所属する集団とは、別の意見や価値観をもち、心の中で、それを分けて考える
・自分の欠点をみつける
■行動のエンジン
・難しい目標を達成する:自分を誰よりも仕事ができる人、ポジティブな人と考える
・居場所は自分できめる
・私に答えがわからないなら、誰にもわからないはずだ
・地図を描くように、視点を大きく、高く持つ
・変化は段階的に生じる
目次
はじめに バイアスのワナから抜け出し、判断の精度・確度を上げる「マッピング思考」
PART1 なぜ「マッピング思考」が重要なのか
1章 人生を左右する「2種類の考え方」
2章 99%の人が「自分の壁」を壊せない
3章「真実を見抜く目」を身につける方法
PART2「思考の地図」を検証し、行動する
4章 知性の高い人がおちいる「認知バイアス」
5章 物事を「メタに見る」5つのトレーニング
6章「最適解」を、さらに1歩引いて見る
PART3「ピンチ」で問われる資質
7章 いざというとき「ポジティブ思考」に頼らない
8章 それでも賭ける価値があるか
9章「謙虚さ」が強烈な影響力をもたらす
PART4 「頭のなか」をアップデートする
10章 「正しく」間違える方法
11章 「漏れ」「欠け」「穴」の見極め方
12章 「エコーチェンバー」という怠惰な誘惑
PART5「私の意見」を軽くしておく
13章 「思考」はいかに「その人自身」になるのか
14章 「こだわり」を捨て、「視点」をしなやかに保つ
15章 「マッピング思考」は“行動のエンジン”
おわりに 地図を描くように、視点を大きく、高く持つ
ISBN:9784492558140
出版社:東洋経済新報社
判型:4-6
ページ数:384ページ
定価:1800円(本体)
2022年07月28日発行