2017年9月に突如現れて太陽を周回し加速して飛び去った謎の物体をハワイの言葉で「オウムアムア」と名付けられた。著者はハーバード大学の天文学課長でこの本に書かれている事実は紛れもないもの。そこから導き出した可能性が、恒星間航行物体ではないか、というものだ。人類ではない未知の太陽系外の知的生物が作った
...続きを読む何らかの飛行体。
もしかしたらそれは宇宙のブイのようなもので、太陽系がたまたまそのブイに接近してしまったという可能性も。
これが慧星や小惑星だとしたら物理的に軌道が説明できない不思議な動きをしている。さらに表面は輝いており、8時間で自転する円盤形だと推察される。
本書ではこの仮説から、宇宙に知的な生命体がいる可能性について言及し、さらにその生命体とコンタクトを想定して人類が準備しておくべきことにまで触れている。
著者のロジックを科学的に否定することのできる学者が(本書を読む限り)いそうないが、気持ちとして否定するのは簡単だ。だが本書ではガリレオが地動説を唱えた時代に触れて、「あり得ない」と思い込むことの危険性まで展開している。
自分は科学者ではないのでコメントできないが、信じる信じないという次元の話ではなく、宇宙へのロマンをこの夏に想像する素晴らしい時間を提供していただいたという感謝を感じた。