作品一覧

  • 帝国と慈善 ビザンツ
    値引きあり
    -
    1巻5,225円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 史上初のキリスト教帝国ビザンツ。普遍的なキリスト教ローマ理念は、多様な民族から成る世界に号令をかける皇帝のもと、集権的な富の収奪・再分配機構を構築した。神の恩寵としての慈善を実践する帝権。市民の旺盛な寄進行為。叢生する修道士。古代ポリスの寛厚は、帝国財政に包摂され、救済の摂理(オイコノミア)に基礎付けられた財の再分配原理を定立した。諸民族を包含する統合の範型を創った帝国は、後のキリスト教、イスラム両世界にとって一つの規範となり、現代にも甦る。近代西欧の合わせ鏡として、ネガティブ・イメージのもとに語られたビザンツ。その認識像に潜む近代人の自画像を検証しつつ、今日世界に伏流する帝国の文法を、源流に遡って解きほぐす。帝国とは何か、を考える上で貴重な参照系となろう。日経・経済図書文化賞受賞。 【目次より】 序論 「帝国」の原像ヘ ビザンツ国家の射程 一 歴史の律動のなかで 二 ビザンツ国家の帝国性 三 本書のねらいと構成 第一部 帝国教会の財産形成 第一章 キリスト教帝国と教会 教会の税制特権形成 第二章 教会寄進と国家権力 五・六世紀の法制化 第二部 寄進・慈善・国家権力 第三章 マリアの遺言と帝国役人 貴族の遺言執行と国家機構 第四章 アッタレイアテスの家産政策 慈善施設設立の理念と打算 第五章 ヨハネスニ世と帝国病院 皇帝寄進とコンスタンティノープルの福祉 第六章 ビザンツ国家と慈善施設 皇帝・教会・市民をめぐる救貧制度 第三部 神の資産と皇帝の配慮 第七章 財政問題のなかの修道院 皇帝たちの苦悩と配慮 第八章 教会施設の俗人管理問題 カリスティキアの展開と濫用 第九章 修道院所領と帝国租税システム 神の恩寵・皇帝の管理 結語 注 あとがき 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 大月 康弘 1962年生まれ。 歴史学者、経済学者。一橋大学大学院経済学研究科教授。専門は、東ローマ帝国史、ヨーロッパ経済史。 一橋大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了、同大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。経済学博士。 著書に、『帝国と慈善 ビザンツ』(日経・経済図書文化賞)『ヨーロッパ 時空の交差点』 『コンスタンティノープル使節記』(リウトプランドの原文全訳+註および論文)など、 訳書に、ピエール・マラヴァル『皇帝ユスティニアヌス』ベルナール・フリューザン『ビザンツ文明』マガリ・クメール/ブリューノ・デュメジル『ヨーロッパとゲルマン部族国家』(共訳)などがある。
  • ヨーロッパ 時空の交差点
    値引きあり
    -
    1巻1,925円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 ひとは、場所に教えられる。パリの街角で、文人や芸術家の筆音に耳を傾ける著者は、人里離れたトルコ南部の松林でローマ土器のかけらと出会い、村人の暮らしに想いを馳せる。皇帝ユスティニアヌスが帝都コンスタンティノープルに収集させたギリシャ古典群に学び、コペルニクスがイタリアで学んだギリシャ古典の来歴をたどろうとする。それは、ときと場所に縛られて生きるわれわれにとって、時空の交差点をめぐる旅となった。ビザンツ研究に始まる著者の「旅」は、国民国家の枠にとらわれない歴史と現代を巡る往還となる。その道すがら、ヨーロッパ=地中海世界の各地に、個性ある文化と歴史をたずねた。簡潔な文体で伝える「旅」のエッセイにして、興趣あふれる旅の手引き。英独仏に視野が限られがちなヨーロッパ観を、ローマ帝国および、アラブ・イスラム世界をも含んだビザンツ帝国へと導き、未知のヨーロッパ像を提示する。西洋史はもちろん、現代EUの課題を考える際にも豊かな示唆を与えよう。『創文』連載を全収録。 【目次より】 目次 I 文化の回廊 共生する空間 共鳴する魂 日溜まりの祝福 凜と聳える 平和の祈り 緋色の誓い 文化の回廊 女神の加護 集いの緑蔭 地上花あり 咲き映えり 仰ぎ見る峰 聖ニコラオスの島 II 聖者の祝福 聖者の祝福 憩う海辺の時 谷に翔る風 祝祭の広場 新緑の都で 異邦の民に カロゲロス 聖堂の傍らで 継がれる想い 祈りと加護 フィロビブリ III 帝国と慈善 ディダスカロス 境域に生きる 帝国と慈善 休息と安寧 馬上のキス 帝国の統治について アンナの想い 燦然と 烈日のもと 秋霜に生きる 天への階梯 IV 大地の相貌 自然を友に 池の畔の蛙たち 地域を描く 大地の相貌 神々の山裾に 逸楽と超俗 コーラを想う ブレヒ! 灯明の残り香 村の生活 満点の星々に V 歴史の軌道 コペルニクスの転回 平和の架け橋 描かれた紫衣 揺るがぬ矜恃 時空の座標 時を刻むなかで アクイレイアの残照 豊かな共生 エビデンス 歴史の軌道 オイノペドン 広場の平和 都市と慈善 大王の遺風 文化を運ぶ石畳 共鳴する偉業 富知のネクサス 地図 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 大月 康弘 1962年生まれ。 歴史学者、経済学者。一橋大学大学院経済学研究科教授。専門は、東ローマ帝国史、ヨーロッパ経済史。 一橋大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了、同大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。経済学博士。 著書に、『帝国と慈善 ビザンツ』(日経・経済図書文化賞)『ヨーロッパ 時空の交差点』 『コンスタンティノープル使節記』(リウトプランドの原文全訳+註および論文) 訳書に、ピエール・マラヴァル『皇帝ユスティニアヌス』ベルナール・フリューザン『ビザンツ文明』マガリ・クメール/ブリューノ・デュメジル『ヨーロッパとゲルマン部族国家』(共訳)などがある。
  • ヨーロッパ史 拡大と統合の力学
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    世界暦と黙示的文学が終末意識を突き動かすとき,ヨーロッパの歴史は大きく躍動した.古代末期に源流をもつ地中海=ヨーロッパの歴史を,人びとを駆動し「近代」をも産み落とした〈力〉の真相とともに探究する.「世界」を拡大し,統合した〈力〉とは何か.ナショナリズムと国民国家を超えた,汎ヨーロッパ世界展望の旅.

    試し読み

    フォロー

ユーザーレビュー

  • ヨーロッパ史 拡大と統合の力学

    Posted by ブクログ

    2024年12月27日、イスタンブールへ向かい機上にて、コンスタンティノープルやビザンツ史について学びを深めるために読んだ。
    本書で大月先生は、国民国家史ではなく、汎ヨーロッパ史として、ヨーロッパ社会の歴史を規定的に動かしてきた文化的伏流水について展望する。これは、本書でも引用される増田四郎先生の「事件」や「出来事」に関心を集中させることなく、人物や出来事の舞台となった社会の構造(プラットフォーム)にまで掘り下げて検討することの重要性を説いた歴史学の流れを継承するものである。
    余談ではあるが、今回、後半の章では、近代ヨーロッパの文化的素地や人間関係観について増田先生の中世都市論を再び引いている

    0
    2025年01月07日
  • ヨーロッパ史 拡大と統合の力学

    Posted by ブクログ

    題名から想像していた内容と大きく違いました。国別の歴史を俯瞰したヨーロッパの地域史だと思っていましたが、まさにもっと「大きな」歴史でした。何が起こったか?ではなくその時代の人間はどう感じていたか?で語るヨーロッパ史です。なぜ、ヨーロッパという意識が生まれたか?を解き明かそうとする著者のスタンスが感動的です。本書で何度も使われるキーワード「伏流水」という歴史的遺物や国別の歴史には現れない時代の潜在意識を掘り下げていきます。今もウクライナの戦争においても間見えるヨーロッパの究極形態としてのEUの西ヨーロッパ中心の視点ではなく、著者は専門のビザンツ帝国という視座から汎ヨーロッパという視野を拡げていき

    0
    2024年08月14日
  • ヨーロッパ史 拡大と統合の力学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    話が結構面倒なので先に最後の章を読んでおいた方が楽かもしれない。2度読んだけど、行き先がわかっていたらもうちょっと読みやすかったかなあと。

    0
    2024年04月09日
  • ヨーロッパ史 拡大と統合の力学

    Posted by ブクログ

    タイトルからは雄大なヨーロッパ通史を想像するが、実際としてはビザンツ帝国やローマ帝国など帝国論に近い。
    しかし、当時の人々のアイデンティティなどに思いをはせる見方は面白い。

    0
    2024年12月22日
  • ヨーロッパ史 拡大と統合の力学

    Posted by ブクログ

    ヨーロッパ史を事件ではなく、意識や思想を基に拡大と統合の歴史を辿っていく。イエ経済から救済の摂理に進化したオイコノミヤや地中海経済から脱落し独自の経済を創造して主役に躍り出た西北ヨーロッパ(フランク)などを通して、少し難解な解説が繰り返される。
    特に白眉だったのはヨーロッパに根強く蔓延る週末観念。「紀元千年の恐怖」による世界の終わりが人々の意識に刷り込まれていて、自然災害、イスラム勢との戦い、レコンキスタ、大航海など人々の行動に影響を与えていた。

    0
    2024年11月03日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!