作品一覧

  • 夢暦 長崎奉行
    -
    1巻770円 (税込)
    文化九年。遠山金四郎の父・景晋(かげみち)は長崎奉行を命じられた。鎖国の世にあって阿蘭陀(オランダ)、清(しん)と交易する長崎は、抜け荷(密貿易)横行の地でもある。その根絶こそが景晋の責務であったが……。首謀者のひとり、水野忠成(みずのただあきら)は事件の発覚をおそれ、遠山父子に奸計(かんけい)を仕掛ける! さらに物語は、擬装船二隻の入港という大事件へと展開……。圧倒的スケールの大型時代小説!
  • 蝶々さん(上)
    4.3
    1~2巻817~869円 (税込)
    明治初頭、長崎港外の深堀に士族の娘として生まれた蝶は、父の形見の『学問のすゝめ』を読んで育つ。かくれキリシタンの少女ユリとも仲良しになり、文明開化の夢がふくらむものの、コレラの流行で母と祖母を失って運命は一変。小学校を卒業すると同時に丸山遊郭「水月楼」の女将の養女となって長崎へ向かう。(講談社文庫)
  • 幻日
    4.0
    1巻1,771円 (税込)
    九州キリシタン王国建国は、目前だった! 一揆軍の総大将・天草四郎は、天正遣欧使節・千々石ミゲルの息子だった。そして幕府軍を震撼させた長崎要塞化計画とは――ほとんど取り上げられることのなかった文献をもとに、日本史上最大の一揆といわれる島原の乱を大胆な推理で活写する、著者渾身の長編歴史小説。
  • TAJOMARU
    完結
    5.0
    全1巻594円 (税込)
    生涯を分かち合い生きていくと誓った直光と阿古姫。しかし二人の想いは将軍・足利義政の企みにより、絶望の淵へ追い落とされてしまう。一人取り残された直光は「多襄丸」と名を変えて……。愛、野心、裏切り、謀略の果ての死闘。彼を駆り立てたもの、そして最後に手にしたものは!?芥川龍之介の「藪の中」を下敷きに、新たに誕生した映画「TAJOMARU」をコミック化。室町末期の京を舞台にした描き下ろし長編時代ロマン!!

ユーザーレビュー

  • 蝶々さん(下)

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    ネタバレ

    男性上位の維新後の世において、侍の娘として生まれ、幼いときから『葉隠』を手本として生き抜くには、相当の覚悟と強靭な意思が必要である。それを体現して見せたのは、「伊藤蝶」、通称蝶々さんその人であった。武士道という言葉を聞けば、その顛末が自刃による散華となることは容易に想像できる。本作でもその部分は、そっけないほどに簡潔に書かれている。つまりは、散ることの美しさではなく、散るに至るまでの生き方や自害を判断した心の美しさを描くことが必要なのだということを、『蝶々さん』は教えてくれる。

    長崎式結婚――そう呼ばれた体のいい「買春」のためのシステムは、主に結婚という手続きを重視するキリスト教が要求する規

    0
    2020年09月28日
  • 蝶々さん(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上巻に引き続き、一気読み。
    プッチーニによって「マダムバタフライ」としてオペラ化されている、明治の長崎を舞台にした蝶々さんこと伊東蝶という1人の女性の人生を描いた作品。

    蝶が学校に通っていた頃は幸せな毎日だった。
    父の形見の学問のすすめを読み、ユリと仲良く、母と2人のババ様と暮らした生活がいかに恵まれていたかが読み進めると強く感じる。

    母が将来を見据え、6年後の女学院入学を申し込みに蝶を連れて行ったのがすごい。
    オランダ坂で蝶に言った言葉が印象的。この時代に生きた人としてはすごく強い女性だなー。やえさん。

    母とみわババ様の死後、しまババ様の痴呆悪化後の蝶はキツい目にあいながらも大事な人た

    0
    2012年02月08日
  • 蝶々さん(下)

    Posted by ブクログ

    美しいという言葉は蝶々さんのある言葉だと思う。彼女は最後まで誇りを捨てなかった。本当に武士の娘であり続けた。明治という激動の時代に飲み込まれるのではなく、しっかりと人生を歩んだと思う。私はだれのおもちゃでもないと証明する。独立した心をもつ女性であった。上巻は嫌われ松子を思い出させるような展開だったが、下巻は不遇ながらも強く生きる彼女に感銘した。

    0
    2011年12月27日
  • 蝶々さん(上)

    Posted by ブクログ

    市川森一は、たまたまDVDで『淋しいのはお前だけじゃない』(1982年放送のTVドラマ)を見て以来、とても気になる作家になった人で、今夜(2011年11月19日)のNHKで放送のドラマ『蝶々さん 最後の武士の娘』の原作が本書ですが、はたして時代に翻弄された薄幸の女性・蝶々夫人こと伊東蝶を、宮崎あおいがどう演じるのか、今からドキドキしているところです。

    TVドラマ出演としては『篤姫』以来3年ぶりですが、あの時の興奮は細部にわたってすぐ思い出せると同時に、まったくあきれるほどの彼女のみごとな名演は、本筋のストーリーを満足して見ること以上に、私の眼と心にカタルシスを与えてもらったのでした。

    たし

    0
    2011年11月20日
  • 蝶々さん(下)

    Posted by ブクログ

    p.426「私が、だれのおもちゃでもなかったという証明だけはしなければならないと」
    p.442「美しく生きるために命がけになる。」

    今まで時代劇を見ていても、サムライの自害をどうにも理解できんかった。
    でもこれを読んで蝶々さんの生き方を知って、侍の誇りとか生きることへの意識とか、少しは納得できるかな。

    辰さま&お絹さんのエピソードは運命的すぎて心が弾みました。

    0
    2011年11月08日

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