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  • 南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学
    3.9
    1巻946円 (税込)
    日本の面積の約40倍に及ぶ〝地球最大の氷〟こと南極氷床。極寒の環境は温暖化の影響を受けにくいと言われてきたが、近年の研究で急速に氷が失われつつある事実が明らかになった。大規模な氷床融解によって、今世紀中に2メートルも海面が上昇するという「最悪のシナリオ」も唱えられている。不安は現実のものとなるか。危機を回避するためにすべきことは。氷床研究の第一人者が、謎多き「氷の大陸」の実態を解き明かす。

ユーザーレビュー

  • 南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学

    Posted by ブクログ

     まず、南極が巨大な氷のかたまりを乗せている場所である。その氷の大きさなのだが、日本の37倍の面積✖️平均的な厚さ1940メートルというバカでかい氷の塊なのだ。そしてこの氷の塊が全て溶けると、現在の海水面を100メートル以上上昇させてしまうというのだから驚きである。そして過去には何度も南極にも北極にも氷のない時代があり、その時には海水面は140メートルほど高かったのだ。
     そして過去繰り返してきたダイナミックな気候変動が、人間の活動によって明らかに歪められ、異常な変化を起こしている。人間の活動は、温室効果ガスにより1.5°ほど、大気汚染で−0.4°程の影響を及ぼしており、温室効果ガスはこのまま

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    2021年12月12日
  • 南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学

    Posted by ブクログ

    南極の観測技術が飛躍的に向上した事で、温暖化の影響で、氷が融けて海水準が上がるという予測に変化した。この分野は10年前の教科書では古いのだという。昔より正確に予測ができるようになったという事は、つまり、それだけ脅威が現実味を帯びるという事でもある。本書には、海水準が上がった際の日本地図が載せられる。ドキリとしながら、読む。

    融ける量より降る量が多いから積み重なる。氷になり、それが十分に厚くなる事で自らの重みで流れ出す。氷の涵養と消耗のバランスによるのだという。考えてみれば当たり前の事かとも思うが、現象や影響をよくわかっていない。その点を、本書が明確に解説してくれる。南極の平均降水量は砂漠並み

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    2024年04月18日
  • 南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学

    Posted by ブクログ

    まず冒頭驚いたのは、この地球上に存在する水の殆どが南極に氷として閉じ込められている事。

    日本人が一年間に使う水のおよそ200万年分もあるらしい。

    異常気象が言われて久しいが、筆者はイタズラにそれを煽ることもなく、どちらかというと淡々と、観測データに基づき今南極に起きていることを分析し記述している。分かりやすく書いてありその姿勢には好感が持てる。

    気の遠くなるような年月の中での気象循環が、残念ながら人間活動によって歪められているのはほぼ間違いないが、それを止める有効な手段が見出せないのが今の世界である。
    南極の氷にほんとに大きな異変が起きてからでは、その対策は全くの手遅れになるだろう。政治

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    2023年08月13日
  • 南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学

    Posted by ブクログ

    地球上にはまだまだ人知の及ばぬ世界がある。南極の氷床研究から占う地球温暖化の行く末。

    二酸化炭素の増加、地球温暖化によって南極の氷が融け海面が上昇するという話は良く聞くところ。だが実は南極の氷がどのように溶けるか、特に氷床の底面の融解は未だ謎が多いという。

    これぞ研究の醍醐味。未だ多くの仮説の存する世界。海面がどれだけ上昇するかも正確には予測できない。

    最先端の研究から見た気候変動、素人にも分かりやすい記載の一冊。

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    2022年04月05日
  • 南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学

    Posted by ブクログ

    単に恐怖を煽るだけでなく、最新のデータをベースにした南極の姿は、とても興味深かったです。
    何より南極について10年前のデータは、もはや役に立たないといったところが一番記憶に残りました。全体を通してとても面白かったです。

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    2022年02月18日

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