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「会田大輔」の「南北朝時代―五胡十六国から隋の統一まで」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「会田大輔」の「南北朝時代―五胡十六国から隋の統一まで」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
三国時代の後の魏晋から隋までの、いわゆる「五胡十六国時代」について書かれた本。昔から大人気の三国志の時代と、日本史で必ず習う遣隋使と煬帝のエピソードで皆が知ってる隋との間、楽毅・劉邦・劉秀・諸葛亮のような英雄も頭に浮かばない、地味でマイナーな時代。そんなややこしいばかりでネガティブなイメージの時代を扱う本書だが、無茶苦茶に面白かった。
五胡十六国と言われる位に多くの国が勃興した時代のため、各国を詳述すると却って分かりずらくなるが、南北を章ごとに分けて描き、北部については代〜北魏の鮮卑拓跋部をメインに書かれているため分かりやすい。かつて漢と争った匈奴の単于が劉氏を名乗って漢を建国するくだりはエモい。
拓跋氏が国名を魏とした理由など2000年代に発表された最新の学説も多く紹介されている。皇帝含め皇族や高官の誅殺、宦官の暴走など中国歴史あるあるはこの時代に南北朝ともに健在だが、外戚排除のための北魏の「子貴母死」は合理的とは言え、今の価値観からするとオスマン帝国の兄弟殺し並に酷い。漢から魏、魏から晋への禅譲や蜀の劉禅や呉の孫皓が降伏した際にも前皇帝は殺される事はなかったが、この時期の南北朝ともに皇帝が禅譲後に殺害される、皇族内でのクーデターにより廃帝が続出するなど、それまでの時代よりも血生臭い。そのような中で隋に敗北した陳の最後の皇帝が長安で天寿を全うしたのは驚きだった。また、西魏を簒奪した北周が北斉を滅ぼした後に隋に簒奪され、その隋が陳を滅ぼして中華統一したことは、後漢末期から三国時代、晋の統一と同じ流れで面白い。
この殺伐とした時代、南朝の梁の武帝(蕭衍)は文化事業を推進し、それが後の隋や唐といった北朝起源の国家や、日本や朝鮮といった中華文化圏の国家に受け継がれていった事は、今の日本にも繋がっており歴史の面白さを感じる。
Posted by ブクログ
複雑な時代が、コンパクトかつ分かりやすく纏まっていた。中国の南北朝時代は三国志〜晋の統一と隋・唐の間の荒れていた時代としてしか認識が無かったが、そのミッシングピースが埋まったという意味で知的好奇心も大いに刺激された。
全体として、最後に筆者がまとめているように、モンゴル高原(柔然、突厥)の純粋遊牧民と、北朝における遊牧民と漢人の融合体、南朝における漢人と土着勢力の結合という形で大きな勢力均衡が図られつつ、更に西のエフタルやソグド人、青海の吐谷渾、高句麗・百済・倭・林邑などの東アジア諸国とも複雑に結びついている。そうした中で、遊牧民的風習と中華制度が結びついて行った時代であったと理解。
また、後漢末の混乱は100年弱だが、西晋の崩壊から隋の成立までの250年以上、国内の凄まじい権力闘争、国家間の紛争を全力で戦い抜いた時代であったということ。壬申の乱の巨大スケール版が頻繁に繰り返される恐ろしい権力闘争の時代。皇帝は、北魏のような長命王朝を除き、創始者から数代を経て、あっという間に禅譲させられ、間をおかず、ほぼ例外なく殺されており、親族間でも容赦がない。
さりとて、南北朝それぞれで仏教が興隆し、南朝では歴史・文学も勃興し、ソクド人を通じたシルクロードなどの交易も盛んに行われ、北朝の制度は隋・唐にも受け継がれていく。
南北朝時代はそんなダイナミックな時代だったということがよく理解できる名著である。