メルペイのUXリサーチャーである著者2人の共著によるUXリサーチの方法論と実践のTipsをまとめた一冊であり、非常に実用性が高く面白い。
実際にメルペイで行っている実務に即した内容になっているため、
・外部の消費者パネル会社などを用いてユーザーインタビューを行うときの企画書の作り方や必要な準備内容
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・プロトタイプなどをユーザに操作してもらうときに便利なツール(スマホ操作方法をきちんと動画に残すための書画カメラの利用など)
など、非常に有益なものが多く、UXリサーチという名目であるかは置いておいて、プロダクト開発、新規事業の探索、既存プロダクトの改善やマーケティング手法の検討など、”消費者/ユーザーとのインタラクション”を業務で行っている人であれば、必ず有益なネタが見つかると思う。
個人的に”なるほど”と関心したのは、実際にメルペイが行っている「Weekly UXリサーチ」という手法。これは目的をあらかじめ決めずに、消費者/ユーザーだけを事前にリクルーティングしてインタビューの日時だけを決めておき、その週にクイックにUXリサーチを行いたい各組織の担当者が、自由にインタビューなどを実施する、というものである。消費者/ユーザーインタビューをセットするのは意外と手間がかかり、特に外部のパネル会社からリクルーティングする場合はどうしても1-2週間程度のリードタイムができてしまう。メルペイのように一定の大きさの事業があることが前提にはなるが、毎週何らかのインタビューは発生するだろう、ということさえ満たしておくのであれば、この手法は非常に合理的(外部パネル会社を使うにしても、都度発注よりも割引を効かせやすい、というメリットもある)だと感じた。