弥生小夜子の作品一覧
「弥生小夜子」の「風よ僕らの前髪を」「修羅にしてリラのごとく」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
おーいい本を読んだ。
なんかすごい透明で静謐というか、独特な世界観だった。
志史に対する祖父母や母親の態度ひどすぎる。
本当に暴力だけが虐待ではないのだなと悲しくなった。
悠紀の詮索も高子からもう調べなくて良いと言われてるのに、自分の気持ちだけでどんどんと暴いていく過程もこのボンボンが!と良い気分ではなかったし、何もしないでほしいと願ってしまった。
志史と理都の辛い境遇を理解したのなら、どうかこのまま何もせずにと思ってしまった。
これで2人が自首とか自殺とかしたら最悪だなと思っていたら、ラスト物語は予想外の方向へ。
そして完全に逆恨でびっくりした。
理都の生死がわからないまま物語は終わってしまうのが残念だけど、余韻が残りこれはこれでよい終わり方なんだろうな。
Posted by ブクログ
異母姉の母から遺産相続を受けることになった里花に課せられた条件は、異母姉・夏野の死の真相を調べることだった。かつて高校生4人が心中した事件の裏には何があったのか。奇妙な美しさを持った少女・夏野を巡る事件を描いたミステリです。
いじめを受けた少年が自殺したとされる事件を発端として、その数年後に次々に起こる不穏な事件。その陰で夏野は何を企んでいたのか。長くは生きられないと知っていた夏野がその人生をかけてまでやりとげたかったこと、その矛先は誰に向けたものだったのか。復讐するにしても極端だし、あまりに残酷に思えたのですが。しかしその一方で要が死んでいた姿の謎や、心中現場の割れた窓の意味などが優しく、哀しいのが印象的でした。あまりに凄惨で、しかし繊細で美しい物語でもありました。
Posted by ブクログ
心臓には致命的な疾患。左半身に広がる大きな赤い痣。それでも少女は矜持を守り毅然として散っていった。
大型の蝶のような艶やかさと儚さを併せ持ち、高校2年で自ら命を断った鈴林夏野の生き様を描くサスペンスミステリー。全11章。
◇
シングルマザーとして小学2年生の息子を育てる八木里花の携帯に、弁護士を通して多額の遺産相続の話がもたらされた。
遺産は里花の亡き父の先妻だった女性のもので、他に相続人がいないことで里花に白羽の矢が立ったのだ。ただし遺言によると、遺産相続にはひとつ条件があった。
それは、その女性の娘で里花にとっては母親違いの姉にあたる夏野 (かや) が関わった、高校生4人による集団自殺の真相を突き止めることだった。
* * * * *
中心人物は3人。
1人めはプロローグ ( 第1章 ) とエピローグ ( 第11章 ) を受け持つ八木里花。
2人めは本編の中心である鈴林夏野 ( 両親が離婚する前は八木夏野 )。
3人めは本編で夏野と行動をともにするようになる同級生の新田瑞葉。
突出した魅力を放っていたのはやはり高校生になった夏野です。
華奢で透明感があり、清純な美しさを持つ夏野。そして時折り放つ妖しくミステリアスなオーラ。実に絵になる少女です。
ちょうど吉田秋生『吉祥天女』の叶小夜子と恩田陸『六番目の小夜子』の津村沙世子の中間ぐらいといった感じでしょうか。
そう言えば3人とも転校生という設定が同じなのがなんかうれしい。 ( ついでながら、瑞葉のまじめで純で友だち思いのところも、小夜子の友人の由似子や沙世子の友人の雅子と共通しているのもいいですね。)
でもオカルト要素を持たない本作では夏野は死ななければならなかったし、瑞葉も殺されなければいけなかった。
その辺が小夜子たちの物語とは違うところで、必然性があるだけに読んでいて胸が痛みました。
ストーリーについては、幾重にも伏線が張られ、それらが終盤になって巧みに回収されていくさまが何と言っても心地よかった。
また、本編では暴力的で不穏な展開が中心でしたが、エピローグに当たる第11章で、遺言とともに受け取ったメモに隠された暗号を解いた里花が、それを実行しようとうとする寸前で思いとどまったところ。そこもよかった。
そして里花の未来に希望の光が射すラストシーン。ステキなデザートでした。