それと、本書の後半で登場するフランスの女の子はアーレントが言う意味での private な世界に生きてると思った。すなわち他者を奪われている(deprived of others)暮らし。ひきこもること自体は人それぞれに事情があってのことなのでしかたないとは思うけど、ひきこもっている自分を神聖視し、自分は正しい、外の世界のふつうの人たちこそが間違っている、と歪曲して捉えるのはやはり健全ではないと思う。(といってもひきこもりに健全もくそもないかもしれないが。いずれにしても、彼女はたぶん病気だと思う。)