筆者が物理学の現状に疑義を感じ、いろんな人にインタビューしながら科学とはなんぞやと考えていく話。
「本書は、美意識に頼った判断がいかに現代の物理学の研究を推し進めているかという物語だ」と序文にある通り、いろいろな人が理論の優劣を考えるとき美しいかどうかを気にしてて、けして客観的でない”美”意識に客
...続きを読む観的であれと考えている科学者の多くが惹かれている様が、時々挟まるとても皮肉が利いた文章で紹介されててとても面白い。基本的には実験の結果検証をすることで理論を洗練させてきたのだけれど、近年は実験するにも金も手間も時間もかかるモノばかりになり新たに生まれた理論全てを検証することなど実質的に不可能な状況なので事前に選別する何らかの手段が必要だって話もあり、かつてはそれがうまく機能してたが今はそうでもない話がありと、科学の現状と将来について期待と不安を感じる内容だった。
個人的にはところどころ「経済学批判かな?」と思える話を見かけて物理学も最先端の(検証が難しい)話になると同じようなことになってるのだなと思ったりしたのだけれど、後半に剛速球の経済学批判が入ってて大爆笑してたw