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  • 本の読める場所を求めて
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    本を、読む。こんなシンプルなことが、どうして放っておかれているのか。 「書を携えて、街に出る。人が人といてひとりになるためには こんなすったもんだが必要なんですね」 ――片桐はいり(俳優) 本はあっても、読む場所がない! 家でもカフェでも図書館でも……ゆっくり読めない。街をさまよう。 だから、「今日はがっつり本を読んじゃうぞ~」と思う人たちが 心ゆくまで「本の読める」店、「fuzkue(フヅクエ)」をつくった。 本と、光さえあればできるはずのものが、どうしてこんなに難しいんだろう? 心置きなく、気兼ねなく本を読むためには、なにが必要なんだろう? なぜか語られてこなかった「読む」「場所」をめぐって、 ストラグルし、考えぬいた先に見えてきたものとは? 大部の『読書の日記』に綴る読書の喜びで人を驚かせた著者が、 ユーモアを織り交ぜた文体で小説のように書き記す。 「読書」を突き抜けて、「場づくり」「孤独」「文化」「公共」まで眼差す。 ――きれいごとをちゃんと欲望しよう。 「もし映画館がなくて、小さな画面としょぼい音響でしか映画を観ることができなかったら。もしスキー場がなくて、野山を一歩一歩自分で登ってでしか滑ることができなかったら。もしスケートパークがなくて、注意されたり迷惑顔をされたりするリスクを常に抱えながらしか遊ぶことができなかったら。心置きなく没頭できる場所を抜きに、それぞれの文化の裾野は、今のような広さにはなっていないはずだ。 〔…〕だから読書にも、そういう場所があったほうがいい」(本文より)

ユーザーレビュー

  • 本の読める場所を求めて

    Posted by ブクログ

    とても良い読後感。本を愛する人、読書を愛する人に向けて「僕もだよ。僕も読書が大好き!貴方もですか?一緒ですね!嬉しいです!」と幸せを振りまいてくれているような本だ。
    文字の流れに浮かんで行間に沈んで時折本から目を上げて一人現実に戻るような読書を愛する人達への本。全体的にそれは感じていたのだが、特に実感したのが、あとがきにこの本を読んでいる人間が発行からどれ程後にこの本を読んでいるかわからないからこそ、発行時(2020年)の著者から今現在の読み手へのコメントがある事。
    書き手と読み手との時差に思いを馳せるのも読書の楽しみではある。手元に置いておきたい本かも。でも物語ではないので読み返すというのと

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    2025年06月28日
  • 本の読める場所を求めて

    Posted by ブクログ

    だいぶ共感できるところが多かった本。
    自分自身は、そこまで「本を読む環境」にこだわる感覚は筆者ほどない(すぐ妥協する)けれど、たしかにシチュエーションと読書体験がマッチしたときの幸福感はわかるし、それを阻害するものに敏感になる感覚もわかる。
    おそらく社会の多くの人からすると「読書体験を求めてこじらせすぎ」に映るのではないかと思う。帯にある片桐はいりさんの「書を携えて、街に出る。人が人といてひとりになるためにいはこんなすったもんだが必要なんですね」というコメントも、「ぶっちゃけ呆れてんじゃん?」と思ったりもした。
    が、筆者はそんなこと十分にわかっている。わかっていて、その上で、自分のように読書を

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    2024年06月09日
  • 本の読める場所を求めて

    Posted by ブクログ

    頭がもげそうになるくらい、頷きたくなるような本だった。
    ただ楽しみたくて、その世界に浸りたくて読む。
    何処でも読書なんてできると思われがちなゆえに、蔑ろにされやすい読むという行為。
    大切に、贅沢に、自分を労り、本を敬う。
    その姿が「まるで祈りのよう」で、「本を読む人は美しい」と感じる著者の、どこまでも純粋な読書への愛こそが、美しいと感じた。

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    2024年03月20日
  • 本の読める場所を求めて

    Posted by ブクログ

    再読。読んでは行きたくなる場所、フヅクエ。最初に行くときは、体調や気持ちを整えて、じっくり読む本を見繕って、予約もしちゃおうかな。と気持ちだけが昂る。住まいからちょっと遠いので、まだ憧れの場所のまま。再読したら、あぁ、ここで働きたい。こんな店をやりたいという気持ちが強くなった。年齢的に現実になることは無いのだろう。でもそんなお店を東東京でやりたいなぁという気持ちはある。自分では難しいから、新店舗を東東京側に出してくれないかなぁとも。今年中にとにかく1回行ってみよう。

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    2023年09月06日
  • 本の読める場所を求めて

    Posted by ブクログ

    ネットでフヅクエの画期的な仕組みを知り、この本に辿り着いた。期待以上におもしろかった!本好きと、業種を問わず経営に携わる方にはぜひ読んでほしい一冊。自分がお店を持つなら、いい人が損をしない仕組みを作りたいと強く思った。
    いつか地方にもフヅクエが出来ますように!

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    2023年06月03日

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