以下、本の内容メモ。
- [ ] 働くことは「生き残る」ことと「幸福になる」こと。
- [ ] 自分に合う仕事を見つけることをあきらめない。
- [ ] 仕事の種類を3つに分類。仕事を単なるお金を得る手段と考えていれば、「ジョブ」。なるべく短時間で多くの金銭が得られれば良いという考え方。
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...続きを読む] 一方で、仕事をすることに価値を置いており、仕事に対して、多くの時間を使って、仕事からお金だけでなく、出世や名声を得ることを目的としていれば、その仕事は「キャリア」。社会的な地位が上がることや自分が影響を及ぼす範囲が広くなることに価値を置いている。また、競争に勝つことや経済的に潤うことにも価値を置いている。
- [ ] そして最後に、仕事に価値を置き、仕事と生活や人生を切り離さず、仕事そのものが目的であり、その仕事をすることがまさに生きることと捉えているとすれば、その仕事は「コーリング」。職人やプロフェッショナルに多いタイプ。
- [ ] 仕事を「コーリング」と認識している人は、「ジョブ」や「キャリア」と比較して、高学歴、高収入であり、社会的地位も高いと認識しているという結果になった。また、「コーリング」の人たちは、生活全般、健康、仕事満足という観点でも最も高い得点だった。
- [ ] 「コーリング」の意識が高ければ、組織の中での地位に関係なく、己の最善をつくすということができるようになる。昨日より今日、今日より明日に向けての自己の成長にも期待できるし、仕事そのもので社会に対する貢献を感じることができれば、自己の存在意義を感じことができる。
自分に合う仕事を探す4つの作業
- [ ] 1つ目の作業:過去の棚卸し。言語化をする。言語化をするということは、曖昧な概念に、ラベルづけするということ。そのことは、思考を促進するだけでなく、他者と話をする上でも役に立つ。そして、他者と話をすることによって、その原語が持つ幅、深さ、つまり意味合いが分かってくる。いわゆる言葉の理解ということだが、言葉だけではなく、自己の理解も進む。自己理解については、キャリアに迷ったときなど生涯を通して必要になるので、専門カウンセラーやワークショップ、アセスメントなど、多様な方法を通して、理解を深めていく。
- [ ] 2つ目の作業:将来を描くこと。大丈夫なことは、将来を考えようという姿勢。次に、なぜ、それが自分にとって理想なのかを考えてみる。そういう生活をしている自分が心地よいという話をもあれば、そういう自分を他者に見せたいからということもある。自分の中にある欲求を表に出すという意味で、将来の夢、理想の生活というものを考えてみる。そして、それが自分にとって、どういう意味があるのか、ということも探索してみる。理想の生活を考えると共に、仕事に関することも考えてみる。人生における仕事の位置づけ、仕事の中心性と呼んでもよい。それはジョブ、キャリア、コーリング、どれに当たるか?自分に合っている仕事を考えるに当たって、自分にとって働く意味とは何なのか、一度、深く考える必要がある。将来を描く際には、理想とする働き方、働くことによって得ようと思っていること、没頭できそうなこと。そして、社会の中で、自分が与えられている役割。つまり、天職(コーリング)の見つけ方について考えてみる。自己理解をする上でも、自分の将来を描く上でも重要な概念。
- [ ] 天職を見つける方法。面白法人カヤック社長の柳澤大輔氏が、自身のブログで「天職の見つけ方」について述べている。柳澤氏によると、「その人にとっての天職とは、その仕事を通して、その人に多くの気づきを与えてくれるものである」ということ。人によって、気づきが多い分野とそうでない分野があるということ。そして、気づきが多いことを天職にしてしまえば良いということ。気づきが多ければ、学びも大きい。学びというのは、楽しい行為。昨日までできなかったことができるようになれば、自尊心が高まり、効力感も高まり、楽しい気分になる。うまくいかない時には苦しいが、苦しいことを乗り越えてできるようになると達成感に包まれる。天職を探すことをあきらめない。
- [ ] 3つ目の作業:仕事、会社、業界を知ること。仕事、会社、業界を知ることで、むしろ自分のことが分かるということがある。ある仕事に惹かれたり、ある会社に心地良さを感じたりする、そういうことがある。自分は、そういうものを求めていたんだと発見する瞬間。キャリアを考える際には、そういう感情の揺れを大事にして、なぜ心が揺れているのだろうと自問することが天職に近づくことではないかと思われる。
- [ ] 4つ目の作業:明日やることを決めること。自分を理解し、将来を構想し、仕事・会社・業界を理解すると、自分に向いている仕事が見えてくることもあるが、たいていは見えてこない。しかし、とにかく、明日からやることを決める。まずは動いてみる。動くのは億劫だし、人によっては苦手意識がある人がいるのも分かってる。しかし、そういう人こそ、まさに動くことが必要な人。自分で手を挙げること。思ったよりもチャンスはたくさん来ない。それゆえ、そのチャンスをものにするための準備が必要。大まかな方向性でもよいので、決めておかないと動けない。
自分の居場所を確保し続ける。
- [ ] 仕事を通して、「生き残る」ことと「幸福になる」ことを両立させようと思ったとき、「自分に合っている仕事を選ぶ」こと以上に必要なのは、自分にとって居心地がよいと思える「居場所がある」ということ。
- [ ] 自問しなければならないことは、「この1年で自分は成長したのか」「自分の強みを発見できたか」「その強みを磨くプロセスは自分にとって楽しいだろうか」ということ。社会人の学びは、圧倒的に仕事経験を通じての学びが主になる。
- [ ] 経験学習モデルとは?その学習モデルは、「具体的経験」「内省的観察」「抽象的概念化」「能動的実験」の4つの要素から成り、サイクルとして辿ることによって経験から学習していくと、モデル構築者のコルブは述べている。この一連のプロセスを経て、経験は学びとなる。
- [ ] 「具体的経験」は、個人が環境に働きかけることで起こる相互作用。学習は、経験によって生じるという観点で「具体的経験」は学習の基本。
- [ ] 「内省的観察」は、経験を振り返って、そこで行われていることを考察する行為。
- [ ] 「抽象的概念化」は、経験を言語化、一般化、抽象化することによって、次の経験を行うときに取り出し可能にする行為。
- [ ] 「能動的実験」は、経験を通じて構築された理論やフレームあるいは持論を、次の経験において試してみる行為。
- [ ] つまり、社会人になった後は、座学で仕事を覚えるというよりは、仕事を経験して、その系を通して、仕事に必要な知識、スキルを学んでいくということ。
- [ ] 重要なことは、どういうキャリアを積んだとしても「経験から学ぶ力」を培っておくこと。同じ経験をしても学べる人と学べない人がいるという話をしました。学ぶためには、失敗したとしてもめげずに、試行錯誤を重ねられるかどうかということ。
マネージャーになるということ。
- [ ] 会社の中のマネージャーには、大きく分けて2つの種類があると考えられる。いわゆる管理監督を行うマネージャーと、専門家を束ねるマネージャー。
- [ ] 前者の代表が工場のマネージャーで、後者の代表がコンサルタントや企画、研究のマネージャー。基本的な役割が違う。前者は自分で直接仕事をするのではなく、人にうまく仕事をやってもらうのが役割だが、後者は自分が率先して仕事をすることが多く、自分の働きぶりを見せながら、後輩を育てていくという役割。企画職であれば、面白い企画をメンバーに考えさせるということも大事だが、いざとなれば、自分も面白い企画をつくれないといけない。コンサルタントも同様。そして、この後者のマネージャーであれば、マネージャーをしながら、「熟達者」を目指すことができる。