広島と巨人で打撃コーチ。多くの名バッターを育てた名伯楽の人を「つくり」「育て」「生かす」術。
名コーチの部類に間違いなく入るだろう内田順三コーチ。
広島では正田、金本、緒方、新井、鈴木誠也。巨人では高橋由伸、阿部、岡本など。清原の復活劇にも関わったようである。
こういった話はたいてい話が盛られて
...続きを読むいるもの。だが本書の記述からは、選手に対する愛情と尊敬そして具体的な改善のポイントが記されており、こんなコーチに教わってみたいと思わせられる。
筆者の指導の原点が現役時代のヤクルトの三原監督と中西コーチだという。
あの金本、入団当時線が細く、コーチとしてもここまでの選手になるとは予想出来なかったとのこと。金本について「彼だけは最後までやりとげた」という肉体を根本から変えるトレーニングとコーチの課したメニューを必ずこなす力。
高橋由伸や松井についても素質より努力の面を強調している。欠点も知るコーチだからこそその努力の過程もしっかり見ている。
清原の項目で出てくるがコーチとして必要なのはあれこれ口を出すよりも、見守る力こそ名コーチに必要な資質であるように思われる。
自慢話になりがちな本書のような内容の本(亡くなったN 村氏のような)とは異なり、コーチの力より選手の努力を尊重した姿勢に好感の持てた一冊でした。