【感想・ネタバレ】二流が一流を育てる ダメと言わないコーチングのレビュー

あらすじ

50年間、一度もユニホームを脱ぐことなく、
野球界を支えてきた名伯楽、内田順三氏のコーチング論をまとめた一冊。
『超二流たれ』。
名将、三原脩監督に訓示を受け、活躍した著者。
その『二流』であった経験は指導者になってから、より大きな力となった。
広島では正田耕三、金本知憲、緒方孝市、新井貴浩、鈴木誠也といった歴代のスターたちを育て、
巨人では高橋由伸、阿部慎之助、岡本和真などを一流に導き、清原和博の復活劇にも尽力した。
「ダメと言わない指導」
「コーチはアイディアマンであれ」
というポリシーのもと、多くの人材を育ててきた
名伯楽の人を『つくり』『育て』『生かす』術とは?

<目次>
「ダメ」と言えば、そこで終わり
●選手は宝 投資は無駄にできない
●嶋重宣 クビ目前からの首位打者獲得
●「つくる」「育てる」「生かす」
●阿部慎之助 知るはずもない未来
●内田順三の履歴書 「超二流」になれ
伸びる人、伸びない人、そこにある違い
●本人がやろうと思うか、否か
●金本知憲 最後までやり遂げた
●正田耕三 血のにじむ練習を経て
●悩むよりも考える
●坂本勇人 さらに伸びる力
人を伸ばすコーチング
●「知る」「わかる」「やる」「できる」
●長嶋茂雄さんと松井秀喜
●コロコロ変わらない一貫した指導
●清原和博 コーチと選手以上の信頼
●先入観を持たずに向き合う
●岡本和真 4番の自覚がスイッチを入れた
など

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Posted by ブクログ

広島と巨人で打撃コーチ。多くの名バッターを育てた名伯楽の人を「つくり」「育て」「生かす」術。

名コーチの部類に間違いなく入るだろう内田順三コーチ。
広島では正田、金本、緒方、新井、鈴木誠也。巨人では高橋由伸、阿部、岡本など。清原の復活劇にも関わったようである。

こういった話はたいてい話が盛られているもの。だが本書の記述からは、選手に対する愛情と尊敬そして具体的な改善のポイントが記されており、こんなコーチに教わってみたいと思わせられる。

筆者の指導の原点が現役時代のヤクルトの三原監督と中西コーチだという。

あの金本、入団当時線が細く、コーチとしてもここまでの選手になるとは予想出来なかったとのこと。金本について「彼だけは最後までやりとげた」という肉体を根本から変えるトレーニングとコーチの課したメニューを必ずこなす力。

高橋由伸や松井についても素質より努力の面を強調している。欠点も知るコーチだからこそその努力の過程もしっかり見ている。

清原の項目で出てくるがコーチとして必要なのはあれこれ口を出すよりも、見守る力こそ名コーチに必要な資質であるように思われる。

自慢話になりがちな本書のような内容の本(亡くなったN 村氏のような)とは異なり、コーチの力より選手の努力を尊重した姿勢に好感の持てた一冊でした。

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2020年07月25日

Posted by ブクログ

「量をこなす中で質が高まる」ー内田順三さんが、経験の中から得た基本的な考え方であるだろう。選手との接し方、選手との信頼関係の築き方は、言葉以上に内田コーチがその選手の特性を理解し、何に課題があり、どうすれば一流にできるかが明確に見えているからこそ。本人が変わりたい、こういう目標を達成させたいという根本的な欲求があり、その欲求を満たさせるために、指導者がその選手の特性ならこういう一流にさせられるということが明確に見えているからこそ、相乗効果が最大化されたのだろう。だからこそ、選手が内田コーチに指導をあおぐのだと、読みながら感じた。
では、これをイチ社会人に据えた時にどう転換すればいいかを考えてみると、育った環境や思想、思い描く未来ひとつとっても十人十色。でも、イチ社会人として、その人の人生や会社にとって明確な目標があれば、その目標を達成するために、努力を惜しまないためのコーチングを目指すべきだ。一辺倒に〇〇な人材だけを作り上げようとしても無理で、育成に関わる人材は、その人がどう育ちたいのか、そして、どう育つことがその人、ひいては、その組織にとっていいのかを、考え行動が取れるといいのだろう。私自身も社内では中堅で、内田コーチのように、時に厳しく、人の個性を伸ばせる人でありたい。

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2024年05月27日

購入済み

心に沁みる本

特別なことはないものの、続けることの大切さ、誠実に向き合うことの重要さを学ぶ。あらゆる世代で実践されてこられた凄みも感じた。

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2022年03月21日

Posted by ブクログ

野球コーチの内田さんの思いが詰まった本。人を育てるという事に長年向き合い携わった方で、実績も残しているので言葉に重みがある。

努力しない天才はいない。周囲の状況を把握して自分の役割を見つける。相手が何を感じるか考える。

私のような社会人でもお客様や上司や周りの方が自分に何を求めているのか、どう見られているのか、意識しつつ、スキルアップの努力は怠らない等通ずる部分が多くあった。

相手が聞く耳を持つときにアドバイスしたり反省させたりするというタイミングを見計らうという点は、会社の指導にも、子育てにも通じそう。

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2022年02月20日

Posted by ブクログ

「勝者は大きな問題を分解して解決してしまう。敗者は小さな問題を融合させ、手に負えなくしてしまう。」
何人のコーチがこの言葉を言えるだろうか?
「つくる」
「育てる」
「生かす」
選手の現在位置を把握して、伸ばす、選手側の話も是非聞いてみたいものだ。

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2020年03月28日

Posted by ブクログ

どんな選手が入ってきても決してダメとはいわず、球団の投資を無駄にせず実らせてきた内田さん。様々なタイプの選手を一流に育て上げてきた指導方針には説得力がある。誘惑の多いプロ野球のなかで、コーチを信じて言われたことをやりつづけたり殻を破るためにやり方を変えた選手本人の努力ももちろんあるだろう。それでも数十年にわたり選手を育て続けてきた内田さんは本当に凄い。
特に完成度によって以下のように方針を変えるやり方は自分も見習いたい。

・未完成でまだ特徴がない場合は「つくる」
・特徴はあるが荒削りな人は「育てる」
・即戦力タイプは「生かす」

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2020年03月22日

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