作品一覧

  • イグアナの花園
    4.5
    1巻2,090円 (税込)
    動物の言葉が分かる美苑は、植物学者で大学教授の父と、厳格な華道師範である母親と住む家の中庭やアトリエで、生き物たちの言葉に耳を傾けるのが日課だった。一方、学校では人付き合いが苦手で「空気が読めない」子として回りから距離を取られていた。ある日、目覚めると、前日まで元気だった父が急逝した事実を知らされる。そんな美苑に声を掛けたのは、父の同僚である児玉先生。大学の植物園で飼育されている子供のグリーンイグアナを育てないかと美苑に提案する。そして14年間、「ソノ」と名付けられたイグアナと共にアトリエで暮らし、充分満たされた生活を送っていたのだが、突然母から呼び出され、驚愕の通告を受ける。母の体に癌が見つかり余命は恐らく半年。その半年の間に結婚せよと言われ……。
  • しゃもぬまの島
    3.7
    1巻561円 (税込)
    「迎えに来ました」――人を天国へと導く幻獣「しゃもぬま」が祐のもとに突然やってきた。特産品の夏みかんと並び地元の島で有名なその生き物は、死後必ず天国へ行くことから、神聖視されている。そして、自らの死期が近づくと、島の人を死へ誘うという。逃れる方法は一つ、しゃもぬまを誰かに譲ること。微妙な距離感の幼馴染姉妹や、父親を教えない母へのわだかまりを抱え、生と死の狭間で揺れる彼女が導き出した答えとは。心に傷を持つ女性の葛藤と再生を描く幻想奇譚。第32回小説すばる新人賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • イグアナの花園

    Posted by ブクログ

    人との関わりについて様々な方向から描かれていた。
    ふっとその人物の輪郭が浮き上がるような表現が多く、ページをめくる手が進んだ。
    登場人物同士の関わり合いを読んでいると、じんわりと心が温かくなる一冊だった。

    0
    2025年11月27日
  • イグアナの花園

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    動物の声が聞こえることがある美苑。怪我をして保護した蛇と会話ができるようになるが、人間との付き合いは苦手。24になった美苑はだいすきなイグアナのソノとの暮らしを守るため、婚活に挑むことになる。

    表紙のイメージの優しい花園のイメージのまま進んでいくストーリー。つばめちゃんやキキちゃんや田中さんと仲良くなれてから、自分のことを掘り下げていって、やりたいことに挑戦できて安心した。私もソノと同じ気持ちになってた。関係を維持する力については、今自分のことで手一杯になってる自分に重ねて反省。
    コミュ力が高いと思っていたキキちゃんが人間関係のハウツー本を読んでいたと分かっても「無意識にできちゃうって人の感

    0
    2025年10月25日
  • イグアナの花園

    Posted by ブクログ

    爬虫類の言葉がわかる美苑。人間には関心がなくクラスメートの顔も覚えられないし、コミュニケーションもうまくとれない。独特の世界観を持つお話。コミュニケーションの第一歩は相手に興味を持ち観察すること。不器用な美苑が少しずつ世界を広げていく。めっちゃ素敵なお話。

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    2025年09月15日
  • イグアナの花園

    Posted by ブクログ

    初読み作家様。疲れた心と体に染みる優しい雰囲気のお話だった。大人にもだけれど、人付き合いに悩む小中学生にも読んで欲しい。
    爬虫類と話せる主人公はすごいけれど、そのすごさを手に入れた分、爬虫類に近づいて、ごちゃごちゃして面倒な人間が、煩わしくなったりしたのだろうか。

    0
    2025年08月30日
  • イグアナの花園

    Posted by ブクログ

    「イグアナ?なんかグロテスクだなあ」が、最初の気持ちでしたが、表紙の絵は、そんな思いを吹き飛ばすように、夢があってとっても素敵!

    主人公の八口美苑さんの小学生から大学院生までの、心の揺れ動きを読んでいると、励ましのエールを贈りたくもあり、共感する部分もありました。

    彼女は、人との距離感をつかむこと、自分の気持ちを言語化することを苦手としていますが、ヘビや、イグアナとは心で会話ができます。

    両親、友達との関係に悩む彼女の心が、最後には明るい方向に向かっていく過程は、読んでいて気持ち良かったです。

    結婚だけに縛られない人間関係への気づき、本当に自分がやりたいことを見つけて、自信を持って生き

    0
    2025年02月09日

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