吉野山早苗の作品一覧
「吉野山早苗」の「英国貴族の本棚」「ニューヨーク五番街の事件簿」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
舞台は18世紀イギリス。ある日、公爵家の図書係を勤める義兄が家で突然死んでしまった。職も財産もないティファニーは義兄になりすまし、このピンチをしのごうとする。そんな折、レディメイドが毒殺されてしまうが・・・。
18世紀のイギリス(フランスではマリーアントワネットの全盛期だった頃だそうだ)。階級格差も、人種差別も、女性蔑視もまだまだ蔓延る時代。40歳の独身ティファニーは、あらゆることが許されず、制限され、何も持てない人生だった。それが義兄が死んでしまうことで、初めて“生きる”ことができた。
ティファニー、ちょっとドンくさくて(笑)、いろいろ失敗をするので、すぐに変装がばれそうで。物語を読むことに夢中で、お人よしで、怖がりで。なかなか魅力的な人だった。白のものを黒と言い切れる圧倒的な権力、理不尽とも思える裁判、最後までハラハラしたが、無事にハッピーエンドだった。
って思ったら、続きがあるらしい。
18世紀の風俗の描写がリアルで読んでて興味深かった。まだ下水道もなかったから、ニオイも片付けも大変そうで、確かにその中で死んでしまうって、気の毒だったろうし。貴族の服装と装飾の複雑さ、最先端らしい女性の髪型の描写も面白かった。ぬいぐるみが乗っているなんて訳分からない(笑)。それと判決が出てすぐの絞首刑、めちゃめちゃ怖い。あっという間に真犯人が絞首台行きになってしまって、民衆が楽しんで見ていることも恐ろしい。その時代に生まれなくて良かったわ。
Posted by ブクログ
連続して読んで良かった!
共通する登場人物が多い。
そして変わらず、未発達の裁判制度。冤罪でも大衆の不満感情で、みせしめの吊るしあげの死刑まっしぐらな18世紀の世界観。
その村社会のなかで、起きる殺人。
女性に権利がなく、民主差別がむき出しななか、サバイブできるかというのが、やっぱり一番のポイント。
前作からの流れで、ティファニーの生活は保証されており、公爵夫人やその息子トーマスとの友人関係があることが、アドバンテージ。じゃなきゃ無理ゲーすぎる。
そんななか、両想いで結婚まであと一歩と思われたサミーが、殺人事件の犯人として逮捕。
この世界は「逮捕→縛り首」までまっしぐら、という、ハードな時代設計で、つらすぎる。
前作に引き続き、ライトなキャラクターとお屋敷ものの読みやすい設計。
そこにのっかるかなりしっかりした18世紀の風俗、パブや鍛冶屋や農場の世界、結婚や出生制度、女性の生理、避妊、出産までのあれこれが、楽しい。
悲惨や不潔さを感じさせないライトなタッチで、かなり踏み込んだことまで描いてくれるので、楽しかった。
物語として ここで完結するのが綺麗。
だけど、幸せな描写がもっと読みたかったから続いて欲しいという気持ちと。
この世界観をもっともっと楽しみたいという気持ちがある。