前山悠の作品一覧
「前山悠」の「千霊一霊物語」「転落」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
第二巻は脱獄成功後のダンテスの話。
モンテクリスト島の財宝探しは至って順調。密輸船から降りて、一人での島内捜索時間を確保できたあと、多少の行きつ戻りつはあったが、見事に発見。財宝の回収の仕方も至ってスマート。金貨、金塊、宝石、と中型金庫3箱程度のあまり嵩張らない形態だったのが幸いだったか。
ダンテスが財産を得て真っ先にやったことが、何故自分が投獄されたのかの理由の確認だったのは当然だとして、その次にやったことが、モデルとなった「ダイヤモンドと復讐」(実話)とは異なり、自分を嵌めた者への復讐ではなく、自分に同情的だったカドルッスへの施しであり、恩義のあるモレル氏の救援であった点は、ほっとするところだ。
そして、他に思い残すことがなくなったあとは、(念願の?)復讐に専念すべく、計画的な復讐劇が幕を開ける。第二巻では、まだ、標的(まずは密告状を書いたフェルナン)の近親者にじわじわと距離を詰めていくところまで。これがいわゆる「ローマ編」。
巻末の読書ガイドによれば、ローマ編は、そもそもは旅行記(しかもパリの!)として草稿が書かれたのだそうで、ローマの街の記述がとても細かくて長い。挿話的に語られる山賊の話(ククメットのカルリーニに対する仕打ち、ルイージ・ヴァンパがククメットのチームを乗っ取る話)もいちいち面白く、単独でも話として成り立ちそうなくらいだ。
メインの話はなかなか進展していかないが、飽きるところがなく、これが新聞連載小説として人気を博したのは、さもありなん、という感じだ。
全六巻のうちの既刊三巻は次で最後となる。続きが気になってしょうがなくなりそうだけど、同じ訳者で読みたいので、気長に待とう。
Posted by ブクログ
全六巻のうち既刊三巻の第一巻。
描かれているのは、1815年2月28日から1829年2月28日までの14年間。それが丸々、主人公の主席航海士エドモン・ダンテスがシャトー・ディフに投獄されていた期間。
本作のダイジェスト版が黒岩涙香翻訳翻案の「巌窟王」として有名らしいが、幸か不幸か読んだことがないので、新鮮な気持ちで読めた。
マルセイユに帰港したダンテスは、次期船長に内定し、美女メルセデスとの結婚を控え、幸せの絶頂にあったのに、嫉妬に燃える同僚会計士ダングラールと恋敵でメルセデスの従兄弟のフェルナンの謀略に嵌められ、保身に走る野心家の国王検事代理ヴィルフォールが案件を担当するという不運もあって、裁判を受けることすらなく、政治犯収容所に入れられてしまう。
地下牢の同僚ファリア神父が神がかっていいひとで、ダンテスは何とか精神を維持することが出来る。ついでに(?)宝物のありか(これがモンテ・クリスト島)を知る。二巻以降は、この宝探しと自分を嵌めた3人への復讐が同時並行で進んでいくのだろうか。楽しみだ。
この巻の見どころは、何と言ってもダンテスの脱獄シーンだろう。死体との入れ替わり、というアイデアは見事。土に(願わくば浅めに)埋めてくれるかと思いきや、まさかの、特大の錘を付けての海中投棄。ダンテス君、大いに焦ったでしょうが、何とか縄を断ち切って無事に無人島へ脱出。すばらしいカタルシス。
脱獄をテーマにした作品といえば、映画の「ショーシャンクの空に」を何度も思い出しながら読んだ。こっちも、自分の保身のために無実の囚人を出したくない人(所長)がいて、構造は少し似ている。