寺沢拓敬の作品一覧
「寺沢拓敬」の「小学校英語のジレンマ」「「なんで英語やるの?」の戦後史―《国民教育》としての英語、その伝統の成立過程」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
書店にて購入(大学は早く入荷してください)。基本的に名著。こんな研究を待っていた!!業界関係者は必読の一冊となること間違いなし、が予想される。 内容については触れないで、ぼかしたレビューを書きます。基本的には大絶賛で、日本における英語教育研究史において、重要な意義ある節目を位置づける研究となることでしょう。この研究テーマを、博論、そして著書という形にまで昇華させた著者に敬意あるのみですほんま。調査の内容に関しても、著者のバックグラウンドが存分に活かされており、そこがオリジナリティとなっています(詳しくはくまなく読み込めばわかります)。よいアプローチです(バックグラウンドを活かすことのできる研究者であることは、それも含めて研究者の限界が決定されてしまうところがあるため、素質をよく活かすことができているかどうかの判断基準となってしまうので覚えておくといいですよ。素質とは、生まれだとか、学問的背景とか、育ってきた環境なども含みます。この定義が理解できない人は、研究者に対する絶対的な観察が足りないので、研究は諦めた方がいいかもしれません…)。但し、謎であるのは著者紹介の記述であろう。著者の専門は「応用言語学(applied linguistics)」と書かれているが、本書の内容に関しては、応用言語学と呼ばれるものではない。応用言語学は言語学の応用であって、本書は言語学も、その応用も関係がないのでこの記述は完璧に誤りです(追記・注:「後書き」を見ると、修士時代に専門とされていたことが記述されている。たいへん失礼しました)。
このような研究は、英語教育系の大規模学会の射程範囲外となっているのが、現代の日本における英語教育系の学閥をめぐる切実な問題点である(テーマ的に、査読は通りやすいと思います。その点で、学会発表はしやすいはず)。英語を教えることが専門の教員達によって構成される、それらの学会では本書の意義、その研究文脈における適切な評価が果たしてできるのであろうか。答えは「否」であり、英語教育・言語学系の人間が積極的に本書を批判・批評等を行うのは、果たしてバックグラウンド的にできるのであろうか、というのが甚だ疑問である(ただし、評価したがる人が多いであろうという認識をしています。統計を取っていないので定かではありません、要調査。そこまで調査する意義があるかどうかは疑問)。実際に英語教員として教壇に立っている教員(「内から」実務にあたる人々)と、このように英語教育という制度面の研究から分析を行って警笛を鳴らすことのできるような「外から」のアプローチが協同して、構造的な英語教育の問題に携わっていくことができればいいなと切に願っています(ちなみにレビュー者は内側の人間です…!)。ここで書いたような、真の「学際性」なるものが実現されて、やれ「小学校から英語を教えるべき」「TOEFLをみんなで受験しよう!」「日本人が英語で英語を教えるべき(文法訳読は絶対悪)」「イマージョン教育は有効」だの、都市伝説だか事実だか分からない言説が暴力的に振りかざされている世の中が少しでもよくなればいいなと思います。
このような貴重な意義ある研究をやっている若手を適切に評価し、適切な人員配置できる大学があることを切実に望んでいます。頼むぜまじで。
そんなわけでレビュー者も触発されたので、とっとと声が届くように、頑張ろうと思います…!!!いつか一緒にお仕事できたらいいな(そのためには自分が頑張りましょう>自分へ)。これレビューじゃなくて単なる日記のような気がしてきた。消そうかな…
Posted by ブクログ
データにもとづいて、日本人と英語に関する夢のない事実を明らかにしている。
・高度の英語能力を持った日本人はごく一部しかいない。
・英語教育を受けられるか否かは、出身階層によって大きく左右される。
・日本人は、全体として、世界的に見て英語力が低いのは事実だが、最低とか、突出して低いということはない。しかし、他国では、高階層の人は英語ができ、低階層の人は英語ができないという格差が大きいが、日本人は、低階層の人でもそれなりに英語がわかるのに、高階層の人でもそれほど英語ができないという格差の乏しさが、日本人の英語ベタを目立たせる結果となっている。
・現実に、英語を使っている日本人はごくわずか。
・英語学習熱のある人もごくわずか。
・英語を使用する必要にかられている人もごくわずか。この本の使っているデータの時点(2000年から2010年)でみると、グローバル化によって英語の必要性が高まっているという事実は見られない。
・英語ができると所得が高くなるという傾向も、あまり見られない。
・相対的に見て、女性が仕事で英語を使う機会は男性より少ない。
・早期英語教育熱は、公教育向上に対する期待、英語の有用性の認知などに支えられている。
・早期英語教育を受けた人は、そうでない人よりも英語ができるようになる確率が高い。しかし、小学校での早期英語教育の効果の有無は、未検証。