ヴォイスティーチャーが紹介する言葉と声の磨き方。「人に好かれる話し方」というのは、「何を話すか」ではなく、声や態度を工夫することだと提唱する本。
欧米のビジネスパーソンはヴォイスティーチャーから指導を受けているという。本書には、か細い声、暗い声、甲高い声などを改善するトレーニングが掲載されており、
...続きを読む付属CDを聴きながら練習することができる。内容は非常に充実しており、チェストヴォイスやミドルヴォイスなどの声の種類を分けることだけでなく、様々なアプローチで声と印象の関係を浮き彫りにしており、まさに圧巻である。
質の良い知識が増えるだけでなく、実際に声を出すことで変わっていくのが本書の魅力である。トレーニング後の爽快な顔の筋肉痛がなんとも言えない。普通に生活しているだけでは、やらないであろう発声方法により、声帯が進化していくようだよ。
思えば、脳も声も体の一部なわけで、近年の関連書籍がヒットするのも時代の流れで合理的科学的なものを求める風潮にマッチする納得の現象である。身体に関係するトレーニングは近年まで危ないものが多かったように思える。休みや水分などの余剰的な部分が大事にされてきたのは、ホント最近な気がする。
アメリカでは第二次世界大戦の時点で兵士の休憩を重視してたと聞くので、日本が特にそうなのだろうか。なんで今まで無茶な理屈や方法が罷り通っていたのか。反論が許される土壌がなかったのか、リアルにそう思ってたのか。もっと後の時代になれば、今の手法もおかしいと考えられる可能性は十分にあるため、あんまりツッコミ入れてもしょうがない気もする。
声を極めるには十分信頼に足る本だと思われる。あらゆる職種・年代にオススメできる声の虎の巻。