作品一覧

  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

    中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻946円 (税込)
    二一世紀に入り、尖閣諸島や南沙諸島の領有問題などで中国の愛国的な行動が目につく。なぜ、いま中国人はナショナリズムを昂揚させるのか。共産党の愛国主義教育や中華思想による強国意識からなのか。西洋列強や日本に蚕食されてきた一九世紀半ばから、日本の侵攻、さらに戦後中国が強大化するなか中華民族にとってナショナリズムとは何であったのか。本書は、清末から現代までの一二〇年の歴史のなかで読み解く。
  • 中国の戦争観 ――アヘン戦争から軍事大国化まで

    中国の戦争観 ――アヘン戦争から軍事大国化まで

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,122円 (税込)
    「平和を熱愛する民族」がたどった 知られざる闘いの歴史とは―― 隣の大国は本当に強いのか? 力による現状変更を警戒する「中国脅威論」vs. 「中華民族酷愛和平」(中華民族は平和を熱愛する)という自己認識 なぜ中国の行動をめぐる議論はすれ違うのか? その答えは中国の歴史にあった! 中国は軍事力を増強し続け、今やアメリカに次ぐ超軍事大国となった。しかし、その戦争観は「平和を愛する民族」と「政権は銃口から生まれる」の間で、時代ごとに二転三転する。近隣諸国や米国・ロシアとの関係など、様々な問題を抱える東アジアの大国は、軍事という手段をどのように捉えてきたのか? 軍閥、党軍、徴兵制、ジェンダー、武士道、ナショナリズム、欧米や日本の侵略への抵抗から、激しい内戦を経て、軍事大国となった現在まで、戦争観の変遷を読み解く。 「一見して理解しがたいものとも見える中国の戦争や平和に対する考え方が、どのような歴史的な経緯の中で作り上げられてきたのか。そこに特徴があるとすればどのようなものなのか。本書の検討が、中国という巨大でわかりにくいものの論理を理解するために、いくばくかの手がかりを提供することができれば幸いである。」(本文より) === 【目次】 はじめに──「中華民族は平和を熱愛する」? 第一章 伝統中国との連続と断絶──清末 1 伝統中国の軍隊と社会 2 十九世紀の危機 3 清の近代化の試み 4 「尚武」の流行 第二章 「軍閥」の時代──中華民国北京政府期 1 革命戦争と新国家の模索 2 北京政府期の戦争論と平和論 第三章 政党国家体制と「党軍」──中華民国南京国民政府期 1 国民革命の展開 2 南京国民政府の軍事政策 3 日中戦争とその影響 第四章 東西冷戦と中ソ対立の下──毛沢東時代の中国 1 東西冷戦と中国の軍事 2 中ソ対立と先鋭化する中国 第五章 現代世界のなかの中国──改革開放から大国化へ 1 改革開放と中国の変容 2 中国の大国化とナショナリズムの問題 おわりに あとがき 関連年表 参考文献 ===
  • 近代中国の国家主義と軍国民主義

    近代中国の国家主義と軍国民主義

    ビジネス・実用

    -
    1巻4,620円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現在の中華人民共和国を特徴づける「政党国家体制」と「党軍」というシステムは、いかにして成立したのか。 本書は、近代中国の知識人たちによる、国民と国家、社会と軍隊、民衆と知識人の3つの関係をめぐるさまざまな論争の展開を繙くことで、近代中国の軍事観・平和観の特徴を分析するとともに、このシステムが形成された背景を追究する。
  • 戦後日本の中国観 アジアと近代をめぐる葛藤

    戦後日本の中国観 アジアと近代をめぐる葛藤

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,870円 (税込)
    巨大な隣国、中国。その政策、対外行動、国内で起こる事件は時に理解しがたいものと映る。私たちは、この隣国をどのように捉えるべきか。本書は戦後の中国近現代史研究の歴史をひもとき、日本の中国観に迫る。敗戦や文化大革命は、日本の中国研究にどのような影響をもたらしたか。共産党政権の成立、日中国交樹立、改革開放、天安門事件、反日デモ、「一帯一路」などをどう論じたのか。膨張を続ける中国を、冷静に見つめるために。

ユーザーレビュー

  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読んだ動機
    昨今の中国の強国化、権威主義、監視社会がなぜ中国で受け入れられているのか(強国であるのに、なぜ知識人層は反旗を翻さないのか、翻せないのか)
    そして、社会主義を謳うが実態はそうではないので、何者であるのかを知りたい。

    歴史過程と背景
    新時代の複雑な統治制度(地方あるいは民族によって統治方法を変えていた。また、国境の概念を持たず、他の民族を同じ国に入れるかどうかで、範図は広くも狭くもなり得た。そこには伝統的な朝貢・冊封体制が背景にある。)

    帝国主義時代、欧米より国民国家の概念を輸入、列強に対抗するためには(侵略させないためには)、列強の戦術、国家形成の必要に迫られた。
    その中で民族という概念が輸入された。
    おおよそ5つの民族に分けられた中で、漢民族が大多数を占める。
    清朝は満州族。

    以上を前提に、列強各国に凌辱されていく国土を意識する中で、怨嗟から強く民族意識が高まっていく。
    アヘン戦争、日清戦争、北京議定書、二十一ヵ条要求、日中戦争など…

    指導者たちは、民族意識の高まりという世論を利用する手法をとることで(義和団事件、日中戦争、プロレタリア革命など)、民族意識の高まりは政府公認であり、世の中の流れであり、根深く強いものとなる。

    戦後、それぞれの民族意識が高まる中で、それぞれの民族による独立の機運も高くなっていく。
    漢民族は、元は清という一つの国で多民族国家だったと主張する。ここには漢民族以外の者(満州族)に漢民族が支配されていた清の統治から漢民族が取って代わる、つまり満州族も他の民族も含めて漢民族が主導する統治体系を作るという希望の現れでもある。
    一方で当然に、清の統治機構は朝貢冊封体制の流れの中で、清に自分たちの国の統治を認めてもらうものであり、それぞれの民族は清ではない、との主張もある。
    ここに現代まで解決できない領土問題・少数民族排斥問題の根がある。

    また、やはり民族意識の高まりの世論から、それをより推進する共産党が政治闘争でも戦力的にも勝利を収めていく。世が安定しだすと監視社会が浮き彫りになる。権力集中は急進的な強国化には都合の良いシステムであるのか。

    0
    2022年11月26日
  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

    Posted by ブクログ

    中国ナショナリズムの高まりが世界各国との摩擦を生み出しているが、そもそも中国においてナショナリズムとは何なのかという問いに、清朝末期からの中国近現代史を読み解いて答える。
    伝統中国の世界観、1895-1911の中国ナショナリズムの起源、1912-1924の中華民国の模索、1925-1945の反帝国主義の時代、1945-1971の東西冷戦と社会主義の時代、1972-2016の現代の世界と中国、そして「大国」中国のゆくえという章立て。
    この本を通して、当然主題である中国ナショナリズムについての理解が深まったし、その歴史的な経緯から中国人が現代の国際社会をどう捉えているかということもわかった。中国人やその思考など、様々な面から中国を知ることができた。

    0
    2020年11月28日
  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【213冊目】予想よりも読み応えのある本だった。そもそも中国が自分たちとそれを取り巻く世界をどのように見てきたか(中華思想と冊封体制)の説明から入り、清末以降中国ナショナリズムがどのように変遷してきたのかを時系列に沿って説明するもの。
     時系列に沿って見てみると、中国が未だに抱えている被害者意識というか、日本や欧米列強に対抗するために強くならなければいけないんだという考えのルーツが、清末にあることがよく分かる。だって、日本が陸奥宗光の時代に不平等条約を改正したのに比べて、中国が不平等条約を解消したのは第二次世界大戦中の1943年だもんな。
     広大な版図には多種多様な民族がいるだけでなく、言葉から違う。だから、中国を西洋的な国家とするためには、様々な大手術が必要で、かなり活発な議論が交わされた。中華民国成立後はいわゆる「公定ナショナリズム」が推し進められた。でもこれは、「伝統」というよりも西洋式の「文明」の普及と並行するものだった。
     現代中国でも群体性事件が警戒されているように、例えばベルサイユ条約に反対する五四運動なんかは、中国大衆のナショナリズムの現れと言え、政府は、プラグマティックな外交路線とこうした大衆運動の間で板挟みになっていく。
     最も興味深かったのは、
    ◯ 人民←「中華人民共和国」
    ◯ 国民
    ◯ 民族
    ◯ 中華民族
    という言葉の関係。共産党の一党独裁体制の中では、中国籍の人間を「国民」と呼ぶそうだけど、この中に「人民」と「人民の敵」が混在している状態。で、誰が「人民」なのかを判断するのは時の共産党だということらしい。
     また、コミンテルンに代表されるように国際主義を掲げた共産主義だけど、毛沢東は、国のために戦争をする姿勢と共産主義は矛盾しないと説明した。この姿勢は、ブルジョワのものである民族主義とは異なり、「愛国主義」と名付けられ、愛国主義は共産主義を実現するための前提だと位置づけられたみたい。
     習近平総書記がよく使う「中華民族」という言葉に強い違和感があったんだけど、この本できちんと説明されていた。確かに中国には、漢人だけでなくモンゴル民族とか満州人とか多民族国家なわけだけど、満州事変のころの歴史学者・顧頡剛という人は、こうした民族の違いを「種族」の違いだとし、民族としてはただ中華民族のみが存すると主張したみたい。
     戦後、中華人民共和国成立後は、「中華民族」という言葉の使用が減少し、憲法にも中国は多民族国家であるという認識が書き込まれたけれど、冷戦終結の頃から再び「中華民族」が現れるようになる。その理由として2つ挙げられていて、1つは、ソ連やユーゴスラビアの分裂・崩壊を見た中国が危機感を強めたこと。もう1つは、改革開放路線をとるようになり、社会主義イデオロギーに代わる国家統合の論理が必要になったこと。

     この他にも興味深い資料がたくさん掲載されていて、近現代中国史にあまり明るくない人には特にオススメ。

    0
    2017年10月28日
  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

    Posted by ブクログ

    世界の中心と自認していた中国が、近代化という名の西洋化を如何に受容し、その産物たる「国民国家」という形に自らを当てはめていったのか、その苦難の歴史こそが中国の屈辱の近代史であり、また、矛盾が解決されていないことが、現在に繋がる諸問題の根源と気づく。
    中国は多元的な社会であるという観点も重要であるが、一方で清末期や20世紀初頭で既に、民間レベルで反帝国主義の大きなうねりが生じていた事実も軽視すべきではない。中国の長い歴史で近代以降が確かに大きなインパクトを残したことは事実であると思う。中国社会の多様さと、一方でナショナリズムを刺激した際に大きなうねりが生じる現象が如何に整合取れるのか、本書を読んで中国という国、社会の複雑さに一層整理が難しいと思うようになった。
    (皇帝を中心に円錐状に、徳の及ぶ範囲で広がっていく)中華思想と強烈なナショナリズムは本来両立するものではないと思う。しかしながらこの矛盾した怒れる大国を作り出したのは、西洋であり、日本であったということは肝に銘じておくべき。
    そしてこの近代以降の命題を「共産主義」という旗で民衆を導き克服しようとした共産党は、追う立場であったからこそ、矛盾を覆い隠せる面があったと思われる。名実ともに大国となった中国は、その指導政党たる共産党は、今後いかなる大義をもって民衆を導くのか。江沢民時に、共産主義、社会主義の旗を実質的に下ろした共産党が指導政党である必要性、正当性は何なのか?ナショナリズムを煽るだけでは、その統治を正当化できないステージに達しつつあるのではないか。「中国の夢」を殊更強調し続ける習近平政権はその矛盾の現れなのかもしれない。
    本としては、1945年以降の部分は相当駆け足で極めて簡易に纏めてしまっており、中国を見る整理の視座を与えてくれると言うには物足りなさが残る。

    0
    2024年01月08日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET