小野寺史郎のレビュー一覧

  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

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    ネタバレ

    読んだ動機
    昨今の中国の強国化、権威主義、監視社会がなぜ中国で受け入れられているのか(強国であるのに、なぜ知識人層は反旗を翻さないのか、翻せないのか)
    そして、社会主義を謳うが実態はそうではないので、何者であるのかを知りたい。

    歴史過程と背景
    新時代の複雑な統治制度(地方あるいは民族によって統治方法を変えていた。また、国境の概念を持たず、他の民族を同じ国に入れるかどうかで、範図は広くも狭くもなり得た。そこには伝統的な朝貢・冊封体制が背景にある。)

    帝国主義時代、欧米より国民国家の概念を輸入、列強に対抗するためには(侵略させないためには)、列強の戦術、国家形成の必要に迫られた。
    その中で民族

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    2022年11月26日
  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

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    中国ナショナリズムの高まりが世界各国との摩擦を生み出しているが、そもそも中国においてナショナリズムとは何なのかという問いに、清朝末期からの中国近現代史を読み解いて答える。
    伝統中国の世界観、1895-1911の中国ナショナリズムの起源、1912-1924の中華民国の模索、1925-1945の反帝国主義の時代、1945-1971の東西冷戦と社会主義の時代、1972-2016の現代の世界と中国、そして「大国」中国のゆくえという章立て。
    この本を通して、当然主題である中国ナショナリズムについての理解が深まったし、その歴史的な経緯から中国人が現代の国際社会をどう捉えているかということもわかった。中国人

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    2020年11月28日
  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

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    ネタバレ

    【213冊目】予想よりも読み応えのある本だった。そもそも中国が自分たちとそれを取り巻く世界をどのように見てきたか(中華思想と冊封体制)の説明から入り、清末以降中国ナショナリズムがどのように変遷してきたのかを時系列に沿って説明するもの。
     時系列に沿って見てみると、中国が未だに抱えている被害者意識というか、日本や欧米列強に対抗するために強くならなければいけないんだという考えのルーツが、清末にあることがよく分かる。だって、日本が陸奥宗光の時代に不平等条約を改正したのに比べて、中国が不平等条約を解消したのは第二次世界大戦中の1943年だもんな。
     広大な版図には多種多様な民族がいるだけでなく、言葉か

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    2017年10月28日
  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史

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    世界の中心と自認していた中国が、近代化という名の西洋化を如何に受容し、その産物たる「国民国家」という形に自らを当てはめていったのか、その苦難の歴史こそが中国の屈辱の近代史であり、また、矛盾が解決されていないことが、現在に繋がる諸問題の根源と気づく。
    中国は多元的な社会であるという観点も重要であるが、一方で清末期や20世紀初頭で既に、民間レベルで反帝国主義の大きなうねりが生じていた事実も軽視すべきではない。中国の長い歴史で近代以降が確かに大きなインパクトを残したことは事実であると思う。中国社会の多様さと、一方でナショナリズムを刺激した際に大きなうねりが生じる現象が如何に整合取れるのか、本書を読ん

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    2024年01月08日