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  • 古代ギリシアの民主政

    古代ギリシアの民主政

    ビジネス・実用

    4.8
    1巻1,100円 (税込)
    およそ二五〇〇年前,古代ギリシアに生まれた民主政.順ぐりに支配し,支配されるという人類史にかつてない政体は,いかにして考え出され,実施されたのか.公共性を,一人ひとりが平等にあずかり,分かちあうことを基本にして古代の民主政を積み重ねた人びとの歴史的経験は,いまを生きる私たちの世界とつながっている.

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  • 賄賂と民主政 古代ギリシアの美徳と犯罪

    賄賂と民主政 古代ギリシアの美徳と犯罪

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻990円 (税込)
    参政権の平等と民衆の政治参加という理想を追い求めた古代ギリシアの人々。しかし、政治の暗黒面を避けて通ることはできなかった。それが賄賂である。では賄賂とは、いつから、なぜ、「犯罪」とされるようになったのだろうか――。 紀元前5世紀なかばに直接民主政の骨格を完成した都市国家アテナイを、国力の絶頂期に導いたペリクレスは、「賄賂になびかない政治家」として知られる。友人からの供応を嫌い、宴会の招きに応じることもなかったという。それが贈収賄の温床になることを知っていたのである。 しかし、賄賂と贈与はどう違うのか。古代ギリシアはもともと、贈与交換が重視される社会だった。贈与の機能は多様であり、現代ならば、それは謝礼、賃金、報償、あるいは賄賂となるが、それは総じて「贈り物」と呼ばれたのである。そのなかで、私的な利益を誘導する賄賂への態度は、民主政の始まりによって一変したわけではなかった。賄賂を断罪する姿勢があらわれるのは、ギリシア人がペルシア戦争という未曽有の困難に直面し、賄賂が公共性にとって破壊的な結果をもたらすことに気づいたときだった。アテナイのパルテノン神殿の建設という大公共事業に際しても、贈収賄事件を実証する記録は1件も見当たらないという。 〔原本:『賄賂とアテナイ民主政――美徳から犯罪へ』山川出版社、2008年刊〕 目次 1 賄賂と贈与 2 贈り物は神々をも説得する 3 ペルシア戦争という転機 4 さまざまな賄賂 5 罪と法 6 賄賂と民主政 あとがき 学術文庫版あとがき
  • 日英対訳 詳説世界史 上
    続巻入荷

    日英対訳 詳説世界史

    ビジネス・実用

    -
    1~2巻3,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 累計10万部突破の英訳世界史の決定版『英文詳説世界史』に、翻訳原文の日本語教科書テキストを対置!英語入門者にやさしい、歴史の学び直しと英語力アップに最適な対訳本の登場!
  • 探究する古代ギリシア・ローマ史

    探究する古代ギリシア・ローマ史

    ビジネス・実用

    -
    1巻2,200円 (税込)
    「歴史を探究する」とはどういうことか 「覚える歴史」から「考える歴史」へ。 最新の研究動向と史料をもとに歴史を探究する手法を解説。世界史の教科書でおなじみのトピックを深く掘り下げ、研究の最先端と世界史教育の現場を繋ぐ。 第一線で西洋古代史を研究する学者たちが、最新の研究動向をふまえながら史料を用い、歴史像がいかに構築されるかを解説。たんなる概説書ではなく、専門家が行う「歴史を考える」知的作業の一端を紹介する。 紀元前800年からビザンツ帝国滅亡まで、西ローマ帝国滅亡後も古典の遺産が継承された「終わらない古典古代」という独自の視点から、2200年以上にわたる文明の連続性を探る。 なぜ、教科書の記述は書き換えられるのか。その史料的根拠は何か。その根拠となる史料は何を示すのか。今日にも深く影響を与え続けるギリシア・ローマへの探究は、現代社会を理解するための重要なヒントとなるだろう。

ユーザーレビュー

  • 古代ギリシアの民主政

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ■ この本を読んで知った古代民主政の実像
     ⚫︎古代ギリシアの直接民主政のイメージは、アルギヌサイ裁判をはじめ、トゥキュディデスやクセノポンが書く衆愚政治の描写や、プラトンやアリストテレスによる民主政批判に基づく未熟な国制というものであった。この本を読み、それがペロポネソス戦争による市民の異常な心理状態を背景とした限られた時期に起こった現象を切り取って形作られたイメージであり、現実のアテナイ民主政は、市民の誇りとしてその理念がよく制度化され、クレイステネスの改革から始まりマケドニア軍による廃止まで間だけでも185年間、上記のような混乱があったものの、ほとんどの期間は安定して存続し、成熟していったものであったことを知った。また、プラトンの民主制批判は、このペロポネソス戦争敗北後の混乱期に民主政で露呈した民主政の孕む危険性(危機において意思決定者である市民団が、扇動されやすい等の性質)への危機感からきたものであったことを理解した。
    ■ 民主政を支えた制度・条件
    【制度】
    ⚫︎民会(エクレシア):民主政の最高意思決定機関として、市民権のある者全てに出席・発言・投票の権利が平等に分配され、1人1票の多数決で国家の意思決定に参加できる事で、市民が政治に直接関わっているという自覚と矜持を涵養
    ⚫︎500人評議会:行政の中枢機関であり、500人が任期1年で交代し、ほぼ全ての市民が一度は評議員に就任し、政府当局の実務を経験する事により、「順ぐりに支配し、支配される」という直接民主政の本質を実現して、市民が政治に直接関わっているという自覚と矜持を涵養
    ⚫︎日当支払制:民会等の政治参加に日当を支払い、休業して政治参加する下層市民への経済的補償を行うことで、民主政維持のため、市民の無関心や経済的理由による不参加を防止
    ⚫︎ 公職者の不正を摘発・訴追・処罰する制度:公職者の不正を厳格に監視し、不正があれば摘発・訴追・処罰する制度を整備、公職者がデモス(市民団)に責任を負うシステムにより、民主政変動の原因となる公職者の権利の濫用を防止
    ⚫︎制文法主義の確立:法の規定が民会の判断に優越する原則を確立、民会が多数の横暴により恣意的な決定をしないよう法により制約し、民主政の安定化を図る。
    ⚫︎無頭性の原則:評議会その他の実務組織や役人同僚団に長や代表者を常設しない事で、僭主発生の原因となり得る特定の個人への権力の集中を防止
    ⚫︎情報の公開:碑文建立、公文書館において体系的に整理・保管された公文書の全市民への閲覧許可等の情報公開により、民主主義の成立条件である市民が政策の選択とその結果を知ることのできる環境を構築
    【条件】
    ⚫︎民主政の成立条件
    ① 部族制:各地に古くから形成されていた集落を区(デモス)とし、区・トリュッテュス・部族の3層構造の10部族に再編成し、貴族支配の基盤であった旧来の4部族制を廃止することで、民主政の成立に障害となる貴族の支配構造を解体
    ②海軍国家化:ギリシア随一の海軍力の整備により、漕ぎ手としてペルシア戦争に参加し、勝利に貢献した下層市民の政治的発言権が増す事により、民主政発展の原動力に。
    ③アレオパゴス評議会の無力化:保守的な貴族派の牙城である「アレオパゴス評議会」からの政治的実権の剥奪により、民主政成立の障害となる貴族の国政への影響力を無力化
    ⚫︎民主政の維持条件
    ① 政治参加を名誉とする価値観:政治への参加を名誉とし、民主制を自らのアイデンティティとするアテナイ市民の価値観
    ②アテナイの帝国主義的支配機構:ギリシア随一の海軍力に基づき、デロス同盟の盟主として莫大な同盟資金を集め、その富で海軍を維持するとともに、民主政の維持に必要な公共事業や日当支払制等の財源を確保
    ③市民の多数派が自営農民:大多数の市民が土地を持つ自営農民であったため、経済的に民主政のために考え、行動できない状態ではなかった。
    ④区(デモス)における地方政治:市民が自らの区(デモス)における地方政治を経験することにより、田舎の市民であっても、中央での民会や評議員といった公職へのスムーズな政治参加が可能な環境を維持
    ⑤ 小規模共同体:最盛期でも5〜6万人とポリスとしては巨大だが、現在の国家規模(数千万〜数億)に比して小規模であるが故に可能であった直接民主政の実現・維持
    ⑥軍事参加:市民は政治共同体の構成員であると同時に、重装歩兵や海軍の漕ぎ手として国家防衛を担い、政治的権利と軍事的義務が結び付いていた事が市民の真剣な政治参加を促進
    ⚫︎民主政を支える基盤
     市民以外の存在に支えられた民主政:市民が政治参加を可能にするため、奴隷、女性、居留外国人(メトイコイ)等が社会や家庭でのさまざまな労働により、民主政を支えていた。

    ■ プラトン/アリストテレスとの接続
    【プラトン】
    ⚫︎プラトンにとって30人政権への失望の経験は、統治者には知識や能力だけではなく、魂の秩序が必要であるとの認識を強める契機になったと思われる。また、愚かな暴徒ではなく、アテナイの普通の市民達が、法に基づく手続きを経てソクラテスを処刑した事は、集団としてのデモス(市民団)も判断を誤り得るという問題認識を強くしたと思われる。これらの経験は、プラトンが「人間はなぜ判断を誤るのか」、「何が正しい判断を可能にするのか」について考える重要な背景になったのではないかと考える。そして、プラトンは『国家』において「正義とは何か」を探究し、その過程で「善とは何か」についての考察に至る。そして、その帰結として、魂の秩序を保ち、かつ、善そのもの(善のイデア)を認識する哲人による統治という構想を展開していったと考えられる。
    【アリストテレス】
    ⚫︎アリストテレスにとって、アテナイの民主政は、「順ぐりに支配し、支配される」公職の就任制度や、制文法主義の確立、多数派としての中間層の政治参加等、自身の考えと合致する部分も多く、プラトンほど批判すべき対象ではなかったと考えられる。ただし、正義の徳や思慮を持たない支配者や市民達が部分利益を追求する危険性についての問題認識は、ある程度プラトンと共通していたと思われる。
    プラトンは、支配者や市民達が、魂の秩序の乱れや善の認識の欠如により、判断を誤ってしまうという問題認識を背景に、「どうすれば正しい判断が可能か」という判断の成立条件を焦点として探究し、最終的に哲人統治の構想に至った。
    一方、アリストテレスは、アテナイ民主政の経験を踏まえ、より普遍的な国家論として、「より善い国家共同体を構築・維持するための条件は何か」を焦点として探究する方向に向かった。
    アリストテレスは探究の中で、国家が何故腐敗し国制の変動に至るのか、どうすれば防げるのかについて比較・分析し、国制を担う人々の配分的正義の誤りが、共通善の追求を阻害し、部分利益を追求する事により、腐敗や国制の変動に繋がると考えた。そのため、国家がその目的である「善く生きること」を実現するため、共通善の追求、徳の涵養、混合政体、中間層の重視等、現状の国制をより善くする各種条件を探究した。

    ■ 現代民主主義との主要な相違点
    【統治方式(直接民主政/代議制)】
     アテナイ民主政では、直接民主政として市民自らが民会において国家の意思決定を担うのに対し、現代民主主義では、代議制として市民は代表者を選挙で選び、市民に代わり、代表者によって国家の意思決定が行われる。
    【参政権】
    アテナイ民主政では、参政権は市民である成人男子のみに付与されており、女性、奴隷、在留外国人には付与されていなかった。
    現代民主主義では、国籍があり、一定年齢を満たしていれば、性別と身分によらず参政権が付与される。
    【政治参加の意味】
    ⚫︎現代民主主義における政治参加は、個人が持つ権利の行使と考えられている。
    ⚫︎アテナイ市民にとって国政は「あずかる(メテケイン)」ものであり、政治参加は、共同体の活動に参与する事そのものであった。市民にとって、政治参加により市民の責任を果たす事は他者からの尊敬を勝ち得る名誉なことであったと考えられる。また、市民は公職参加だけでなく、軍事的義務(重装歩兵、船の漕ぎ手等)を持っていたため、国政を自らの問題として捉えやすい構造にあったと思われる。
    【国家規模】
    アテナイの人口は、参政権を持つ成年市民男子の人口が最盛期で5〜6万人、全人口(女性、子供、メトイコイ、奴隷)は25〜40万人と言われており、当時のポリスの中では群を抜いて巨大であったが、数千万〜数億規模の現代国家と比べると非常に小規模であり、参政権保有者が数万人規模であったことが、民会への参加や公職への抽選による就任制度の運用等、直接民主政の制度運用を可能にした要因の一つであったと思われる。
    【民主政を支える社会的基盤】
    ⚫︎アテナイ民主政は、直接政治に携わる成年市民男子だけで成り立っていたわけではない。女性、奴隷、在留外国人(メトイコイ)といった参政権を持たない人々がそれぞれの役割を果たすことで、アテナイ民主政は成立し、維持されていた。
    ⚫︎女性:女性は、アテナイ民主政の前提となるポリスの構成単位である「家(オイコス)」の管理を担い、家長である成年男子の政治参加を可能にする役割を担うとともに、次世代の市民(政治の担い手)を産み・育て、その再生産を担うことで、アテナイ民主政の存続を支える重要な役割を果たしていた。
    ⚫︎奴隷:家(オイコス)において家事や労働を担うとともに、農業や鉱山労働、工房での作業など、アテナイの経済と生活に不可欠な重労働を担っていた。政治参加に時間がかかる直接民主政において、政治参加の時間確保は、民主政の成立条件であった。奴隷は、成年男子市民がポリスにおいて自由に討議し、政治参加する時間を創出する役割を担った。
    ⚫︎在留外国人(メトイコイ):商業や手工業の中核的担い手としてアテナイの経済と富の維持•発展に不可欠の存在であり、アテナイ民主政の経済的基盤を担っていた。

    ■ この本によって「民主政」について何を考え直させられたか
    ⚫︎想像以上に制度化された政治体制
     民会や評議会等の抽選・任期制や公職者の不正追求のための諸制度、成文法主義の確立や情報の公開等、直接民主政を成立させ維持するための工夫が存在する高度に制度化された政治体制であった事を知り、アテナイ民主政の認識を改めた。
    ⚫︎アテナイ民主政を支える市民の政治参加
     アテナイ民主政には、市民の積極的な政治参加が必須であった。アテナイ市民は国政について我が事と捉えて真剣に参加するとともに、市民としての責任であり名誉であると考えていた。この背景には、市民権の境界設定や市民の兵役義務、教育や共同体意識等が要因として存在することを知った。民主政は制度だけでなく市民意識によって支えられていることを理解した。
    ⚫︎国家共同体を維持するための知恵
     特に印象に残ったのは、三十人政権崩壊後の大赦令である。アテナイ市民は三十人政権での虐殺被害等に対する報復や支援者達の排除を優先するのではなく、共同体の再建(共存)と統合を選択した。この選択は、感情的な復讐心にも、「正義」を徹底的に追求する姿勢にも流されないものであり、共同体を維持するための現実的な政治的判断であったように思われる。
     また、アテナイの市民は全員が民主政を賛美していたわけではなく、貴族や知識人には民主政を嫌悪・批判する者達も多数存在した。これらの人々も、民会での演説や裁判という民主政のルールに則っている限り、民主政批判の発言も許容された。アテナイ民主政は、価値観や政治的立場の異なる人々が一つの共同体として共存するための知恵にも支えられていたのではないかと思う。

    0
    2026年06月14日
  • 古代ギリシアの民主政

    Posted by ブクログ

    古代ギリシアの民主制と言えば我々が現代に続く民主的な政治体制を思い浮かべる時、それが世界史上初めて確立されたものとして、世界史で習った記憶を思い浮かべるだろう。現にこれまでの歴史研究に於いて、古代ギリシア、特にアテナイ(アテネ)では紀元前5世紀頃には、民主政(デモクラシー)が確立された。若干今と違うのは、それが全男性市民が参加する直接民会であり、参加者全員が投票並びに審議する(権利を持つと言うよりはそれが当たり前にされている状態)直接民主制であった。現代でいう議長、進行役などの様々な役割・役職は抽選によって選ばれており、それこそ運のみが左右する、誰にでも平等に支配と被支配の関係が生まれる制度であった。ひとつ特徴的な面では、参政権が成人男性市民のみに限定されていたことで、女性や当時は当たり前に存在していた奴隷、そして外国は除外されていたことだろう。因みに本書タイトルにある「民主政」とは本書で説明される様々な制度を通して確立された民主的な政治そのものを指し、それを支える仕組みや制度が「民主制」である。よって古代ギリシアは民衆が全員参加する民主政であり、投票や議会などの民主制により支えられていた、という事だ。
    本書は民主政について、それが生まれた起源から、制度としてどの様に確立していくかの様を説明する内容となっている。私は世界史先行だったから難しいカタカナに当時は悩まされた記憶があるが、それを成し遂げた今で言う政治家のような優れた人材や制度を一つずつわかりやすくおさらいする内容となっている。特に古代の(人々が集まり徐々に共同生活を営む規模が大きくなっていくような)都市の成り立ちや周辺都市との関係性(争いを含む)の中で、現代に生きる我々にも当然必要となっていく話し合い、そして意見を集約するという当然の流れが分かりやす描かれている。物わかりの良い家族だけの共同体から、農耕技術や海運技術の発展に伴い次第に家族と隣人に共同体が拡大し、それに伴い生まれてくる利害関係。人々がそれらを調整し争いなく平穏な生活を送るためには話し合いが必要だ。我々が単純に民主的と考える際は多数決ばかりに目が行きがちだが、基本的な多数決だけではなく少数意見を無視しない現代風な制度も当初からあったようだ。全員参加、議場となる広場、陶片追放や任期の考え方など様々な工夫が凝らされながら発達してきた民主政。選挙権を持ちながら政治に不審を抱いている事を理由に選挙に行かない現代人。当時(古代ギリシア)の人々に習う部分も多いのではないか。
    今世界は混乱し、世界情勢の影響を強く受けながら強い政党に牽引されながら劇的に変わろうとしている日本の政治。永らく日本の平和の礎となってきた日本国憲法も、改正される可能性もある。働き方も産業構造も様々なものが変化の兆しを見せ始める。良い方向に向かうかその逆に行ってしまうかは、数年後にならないとわからない。だがその推進力を与えているのは我々国民の投票であり考え方にある事は間違いない。民主制を選んでいるのも我々自身だ。投票したのは別の党とか、自分は投票していない事を理由に、この社会変化を受け入れない姿勢は無責任だ。そうならばより深く考え、一層声を上げるべきではないだろうか。自分一人の声では届かないと諦めてはいけない。
    本書を読み改めて自分で考え、意見を表明し、自分たちが社会を作っていく主体である事を学ぶ必要性を感じる。

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    2026年04月17日
  • 古代ギリシアの民主政

    Posted by ブクログ

    また最高に良い本に巡り会えた。
     ソクラテス、プラトンそしてアリストテレスなど、教科書的には伝説の哲学者のように扱われるが、アテナイにおいて政治に経済に深く関わり、血の通った姿が鮮やかに現れてくる。アテナイの民主政を現代の代表制の民主政は認めていないようだが、いかがなものか?少なくとも、情報の透明性を強く訴えた時点で、現代より素晴らしかったのではないか。文明、科学ではまだ未熟で、奴隷制のような非人道的な部分もあるが、民力としてはアテナイのほうが成熟していたように感じる。
     碑文習慣が発達していたというくだりでは、「そんなに識字率が高かったのか?」という私の疑問にも、成人男性で15%ほどで、理解した人が口伝で伝えていたと、すぐに答えをくれた。
     ソロン、ペイシストラトス(僭主)を経てクレイステネスで民主政は萌芽を見て、ペリクレスで確立したが、じつはペロポネス戦争でスパルタに敗北した後の方が、アテナイの民主政は絶頂期であったとは驚きだった。

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    2025年03月18日
  • 古代ギリシアの民主政

    Posted by ブクログ

    古代ギリシアの民主政について、最新の知見に基づいて書かれた概観書である。古代ギリシアにまったく詳しくないため僭越ではあるが、とてもよくまとまっており、おもしろく読めました。

    古代ギリシアにおけるポリス群も出てくるが、本書における主役はやはりアテナイである。アテナイにおいて、どのように民主政が生まれ、盛衰を繰り返しながら、歴史のなかに溶暗していったかが書かれている。
    本書の終盤でも触れられているが、思想史にすこし詳しい方なら、いかに民主政が嫌われてきたかを知っているかと思う。それは、民主政を衆愚政治と捉えたり、君主制や貴族制が支配的であったり、最終的にアテナイがローマに支配されたこともあってアメリカやフランス革命がローマ共和政を範としたり、ソクラテスの処刑やプラトンの民主政批判が影響していたり、理由は様々である。現代の民主主義は恐ろしく歴史が浅い。

    われわれが馴染みのある民主主義は間接民主主義だが、アテナイの民主政は直接民主主義である。代議制などといったまだるっこしいことはせず、抽選で選ばれた民衆たちが政治の意思決定をし、権力の行使をする。
    そのため、本書でも個人名が頻出する。陶片追放(現代でもなぜ行われていたのかはっきりとはわからないようだが、特定の人物を投票によってアテナイから10年間追放する制度である)の話では、追放された人物たちもほぼ判明しているらしいが、なかにはなぜ追放されたのかわからない人物もいる。(おひとよしのメノン。特に有名人でもないらしく、いくつもの陶片にわざわざ「おひとよし」と書かれているらしい。おひとよしなのに、なぜ追放されたのかもよくわかっていない)

    民主政とタイトルにあるが、抽象的な概念の話は少なく、固有名詞で話が進んでいくので具体性をもってイメージができ、わかりやすいと思う。

    0
    2024年08月22日
  • 古代ギリシアの民主政

    Posted by ブクログ

    古代アテナイについての優れた概説書。
    塩野七生氏の物語や伊藤貞夫氏の概説書をとおして、古代ギリシア史についてある程度知っている方が読むことにも耐えると思う。
    (むしろ、そういう方こそ、今まで馴染んできた話との違いをとおして楽しめるかもしれない)


    古代ギリシア史は、圧倒的な文字資料が残っているアテナイを中心にした記述にならざるをえない。その状況は、ここ数十年で考古学的知見が大量に取り入れられるようになっても変わらない。

    そして、アテナイは、土地や人口の規模が類を見ないほど大きな都市国家であった。そんな例外的な存在をもとにして、古代ギリシアの全体像を描かなければならない。そのため、アテナイと古代ギリシア全体とをバランスよく見通すことは難しい。

    しかし、本書は、古代ギリシアの民主政というテーマにおいて、それに成功しているように思える。

    アテナイ民主政の成立にも影響したアテナイの特殊的例外性を考慮する一方、
    アテナイにおける民主政のノウハウが他の都市国家に影響した考古学的な痕跡に言及して、古代ギリシアの他の民主政との関連も視野に入れている。

    0
    2023年08月21日

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